来年のために今から準備!
年金受給者が確定申告で得するためにすべき5つの準備
提供元:Mocha(モカ)
年金受給者は、一定の要件を満たせば確定申告をする必要がありません。ただし、確定申告が不要な人でも、生命保険料控除や医療費控除などを適用することで、払い過ぎた税金が戻ってくる場合があります。還付を受けるには、必要な書類をそろえたり、控除できる支出を確認したりといった事前準備が大切です。
今回は、年金受給者が確定申告で税金を取り戻すために、あらかじめ準備しておきたいことを5つ紹介します。
年金受給者も確定申告すればお金を取り戻せる場合がある
公的年金は、一定額を超えると雑所得として所得税・住民税の課税対象になります。所得税がかかる場合には、年金支給時に税金が源泉徴収されています。
ただし、所得税は1年間の所得をもとに計算するため、源泉徴収された税金では過不足が生じることがあります。そのため、年末調整のある会社員などを除き、確定申告をして精算するのが原則です。しかし、高齢の年金受給者が確定申告することは負担になることから、次の(1)(2)に該当する場合、確定申告が不要になる制度が設けられています。
(1)公的年金等の収入金額が400万円以下で、その全部が源泉徴収の対象になっている
(2)公的年金等に係る雑所得以外の所得金額が20万円以下
<確定申告不要制度の対象者>

なお、「確定申告が不要=確定申告をしても意味がない」というわけではありません。確定申告不要制度の対象者であっても、確定申告をした方が得になることがあります。たとえば、医療費控除や生命保険料控除などが適用できる場合、確定申告すれば納め過ぎた所得税が還付されます。
税金を取り戻せる可能性がないか確認するためにも、必要な書類や支出の記録を早めに準備しておきましょう。以下、年金受給者が確定申告でお金を取り戻すために準備しておきたいことを5つ紹介します。
年金受給者の確定申告の準備1:控除証明書を紛失しないよう保管しておく
生命保険や個人年金保険、地震保険などに加入して保険料を払っている場合には、生命保険料控除や地震保険料控除が受けられます。これらの控除を確定申告で適用すると、課税される所得が少なくなり、源泉徴収された所得税の一部が戻ってくる可能性があります。
保険会社からは毎年10月~11月頃に控除証明書が送られてきます。郵送だけでなく、Web上で電子データとして交付されるケースもあります。確定申告の時期になってから探すことがないよう、届いたら一か所にまとめて保管しておくと安心です。
なお、控除証明書を紛失した場合でも、保険会社のWebサイトなどから再発行できることがあります。年が明ける前に、必要な証明書がそろっているか確認しておきましょう。
年金受給者の確定申告の準備2:医療費や薬代を集計しておく
1年間に支払った医療費が一定額を超える場合には、医療費控除を受けられます。医療費控除の対象になるのは、原則として「10万円」または「総所得金額等の5%」のいずれか低い金額を超えた部分です。そのため、総所得金額等が200万円未満の人は、医療費が10万円に届かなくても医療費控除を受けられることがあります。年金収入が中心の人は、該当しないか確認してみましょう。
医療費控除の対象になるのは、自分自身の医療費だけではありません。生計を一にする配偶者や親族のために支払った医療費も合算できます。病院や歯科医院の診療費のほか、治療のために購入した医薬品なども対象になるため、年間にかかった金額をまとめておきましょう。
また、市販薬をよく購入する人は、「セルフメディケーション税制」を利用できる可能性があります。これは、健康診断など一定の取組を行っている人が対象医薬品を年間1万2000円を超えて購入した場合、超えた部分について最高8万8000円まで所得控除を受けられる制度です。
医療費控除とセルフメディケーション税制は併用できません。両方の条件を満たす場合には、どちらを利用した方が控除額が大きくなるか比較して選びましょう。セルフメディケーション税制の対象商品は、レシートなどに対象である旨が表示されているため、購入時の記録を保管しておくと確認しやすくなります。
年金受給者の確定申告の準備3:年の途中に退職して年末調整していない人は源泉徴収票をもらう
年金を受け取りながら働いていたものの、年の途中で会社を退職した人もいるでしょう。退職後、その年のうちに再就職していない場合には、勤務先で年末調整を受けられず、給与から源泉徴収された所得税を払い過ぎている可能性があります。
この場合、翌年に確定申告をすることで、納め過ぎた所得税の還付を受けられます。確定申告には勤務先から交付される「給与所得の源泉徴収票」が必要になるため、手元にあるか確認しておきましょう。
一方、退職した年のうちに別の会社へ再就職した場合は、原則として新しい勤務先で前の勤務先の給与も含めて年末調整が行われます。その場合は、前の勤務先から交付された源泉徴収票を新しい勤務先へ提出します。
中途退職者の源泉徴収票は、原則として退職後1か月以内に交付されます。受け取っていない場合には、以前の勤務先に確認しておきましょう。
年金受給者の確定申告の準備4:「扶養親族等申告書」の提出状況を確認する
「公的年金等の受給者の扶養親族等申告書」は、年金から所得税が源泉徴収される際に、配偶者控除や扶養控除、障害者控除などを反映させるための書類です。日本年金機構から対象となる人に案内が届きます。
ただし、申告書が届いた人すべてが提出しなければならないわけではありません。控除対象となる配偶者や親族がおらず、本人も障害者・寡婦・ひとり親などに該当しない場合には、原則として提出は不要です。
一方、各種控除の対象となる人が申告書を提出していない場合には、年金から所得税が源泉徴収される際に控除が反映されません。その場合でも、確定申告をすることで控除を適用し、納め過ぎた所得税の還付を受けられることがあります。
申告書を提出したかどうか覚えていない場合や、提出後に扶養する家族の状況が変わった場合には、内容を確認しておきましょう。なお、扶養親族等申告書は、マイナポータルと「ねんきんネット」を連携していれば、スマートフォンやパソコンから電子申請することもできます。
年金受給者の確定申告の準備5:スマホで申告できる環境を整えておく
確定申告は、税務署へ行かなくてもスマートフォンから行うことができます。国税庁の「確定申告書等作成コーナー」を利用すれば、画面の案内に沿って必要事項を入力し、そのままe-Taxで申告書を送信できます。自動計算されるため、自分で税額を計算する手間もかかりません。
マイナンバーカードを使って申告する場合には、事前にカードと電子証明書の有効期限を確認しておきましょう。電子証明書の有効期限は、年齢にかかわらず発行から5回目の誕生日までです。また、2026年8月からは、従来の「マイナポータルアプリ」などの機能を統合した「マイナアプリ」が提供されています。スマートフォンにインストールし、利用登録を済ませておくとスムーズです。
マイナポータル連携を利用すれば、公的年金等の源泉徴収票や医療費などのデータを取得し、確定申告書に自動入力することもできます。手入力する項目を減らせるため、入力ミスの防止にも役立ちます。
年金受給者も税金を取り戻せないか確認してみよう
確定申告が不要な年金受給者でも、医療費控除や生命保険料控除などを適用することで、納め過ぎた所得税が戻ってくることがあります。年末から年明けにかけて必要書類をそろえ、利用できる控除がないか確認しておきましょう。
また、スマートフォンで申告する場合には、マイナンバーカードやアプリの準備も早めに済ませておくと安心です。確定申告の時期になって慌てないよう、できることから準備を進めておきましょう。
[執筆:ファイナンシャルプランナー 森本由紀]
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