動画でわかる資産形成
ふんわり動画でやさしく『資産形成』をご紹介します。「ETFって何?」という方も是非一度ご覧ください!
日経平均やTOPIXのほかにもいろいろ
第6回で説明したとおり、ETFとはインデックス型の投資信託を株のように個人で売買できる、いいとこ取りの金融商品のこと。
株の場合は、ひとつの銘柄(=会社)の価格が市場で取引されることによって決まるのに対して、インデックスとは、指数と同じ値動きをするように設計された金融商品。例えば、日本の東証一部上場企業約2000銘柄のうち、全銘柄を時価総額で加重平均した指数は「TOPIX」、そのうち225銘柄の株価を平均した指数は「日経平均」となる。
どの指数を採用するかでETFの銘柄は異なり、日本の株式市場を対象にしたものは「国内株ETF」と呼ばれる。ほかにも、アメリカの代表的な株価指数である「NYダウ平均株価」や、先進国・新興国などの株価指数に連動する「外国株ETF」も存在。また、株以外にも、不動産投資信託や国内・外国の債券、金や原油などの商品価格の指数に連動するETFもある。
これら、種類が多岐にわたるETF。東証に上場している銘柄数は約200銘柄にのぼり、新たな銘柄もどんどん誕生している。
ETFの魅力は、ひとつの銘柄を買うだけで分散投資効果が期待できることだが、国内外の株式や債券、不動産、金など、複数のETFを保有することで、さらなる分散効果が期待できる。それは、第4回でも説明した、リスク分散にもつながるのだ。
例えば、図表のような組み合わせでETFを持っておけば、経済危機などで世界中の株式が下落したときには、信頼度が高い債券ETFの価格が上がる可能性があり、損失を抑えてくれるかもしれない。投資に慣れてくれば、このように様々なETFに分散することで、利益を確保しながらリスクを抑えるということもできるようになる。
とはいえ、投資初心者でどんなETFの組み合わせがよいかわからないという場合は、最近話題のAIを活用した「ロボアドバイザー(通称ロボアド)」サービスを活用するのもひとつの方法だ。いくつかの質問に答えるだけで、資産形成に最適なポートフォリオを提案してくれる。
ところで、ETFには中長期で保有するのに向かない商品もあるので注意しよう。
例えば、今、東証の売買代金で上位に食い込んでいるのが、日経平均レバレッジ型のETF。これは、日経平均に連動するETFで、実際の値動きの2倍の値幅で動くことが人気の秘密だ。
簡単にいえば、日経平均が一日で2%上がると、日経平均レバレッジ型のETFは4%上昇。逆に、日経平均が2%下がると、日経平均レバレッジ型のETFは4%下落する。このように、対象となる指数に対してある倍率で値動きするETFは、「レバレッジ型」と呼ばれ、現在購入できるレバレッジ型ETFの倍率は2倍までとなっている。
この商品の注意すべきポイントとして、前日の終値に対して2倍の値動きをする特性から、長期間保有すると原指数のパフォーマンスと乖離することがあることを知っておこう。
特に市場価格が上昇と下落を繰り返した場合、思っていたよりもパフォーマンスが悪くなることがあるので注意が必要だ。運用期間が長くなればなるほどその差は大きくなることから長期保有にはあまり向かず、これから相場が上昇しそうだと予想されるときに、短期の値幅利益を狙う商品といえる。
原指数と反対の値動きをするのが「インバース型」のETF。指数が下落したときに価格が上がるので、これから相場が下落しそうだと予想される際に、短期の利益を狙って人気が高まるようだ。指数の-1倍で動くETFが「インバース型」、-2倍で動くETFは「ダブルインバース型」と呼ばれる。
例えば、日経平均が一日で2%下がると、日経平均インバース型は2%の、ダブルインバース型は4%分の価格が上昇する。逆に、日経平均が2%上がると、日経平均インバース型は2%の、ダブルインバース型は4%分下落する。こちらも長期間保有すると原指数のパフォーマンスと乖離することがあるので、レバレッジ型と同じく注意が必要だ。
ふんわり動画でやさしく『資産形成』をご紹介します。「ETFって何?」という方も是非一度ご覧ください!