長期資産運用に活用できるETF
価格変動を抑えた最小分散型投資をETFで実現
提供元:ブラックロック・ジャパン
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「最小分散」に着目したETFの活用
ブラックロックが設定・運用するiシェアーズETFシリーズとして、昨年10月に「iシェアーズ MSCI 日本株最小分散 ETF【1477】」を上場しました。このETFは、代表的な日本株式銘柄で構成されるMSCI日本株インデックスに含まれる銘柄群について、ポートフォリオの価格変動リスクを最小化することを目的として銘柄を選定した指数(MSCI日本株最小分散インデックス)との連動を目指します。
最小分散という概念を用いた投資は、運用のプロである機関投資家も着目する投資戦略でもあり、その名称から、複雑な投資手法という印象を持たれるかもしれません。しかし、最小分散に着目する効果や活用方法に触れていただくことで、個人投資家の方々の長期資産形成に役立つETF商品であることをご理解いただけるのではないでしょうか。
「ハイリスク・ハイリターン」ではない傾向に着目する最小分散投資
最小分散の「分散」は価格変動の大きさを示しており、「投資リスク」という言葉で置き換えられます。「分散が小さい」ということは価格変動が小さく投資リスクが低いと考えられます。理論的に考えれば、投資リスクが低いということはその見返りとして期待できる投資収益率は低く、投資リスクが高い(ハイリスク)ということは高い投資収益率(ハイリターン)を期待できるという関係(ハイリスク・ハイリターン)が成り立ちます。しかし、実際の市場では、過去のデータに基づき投資リスクの低い銘柄群に着目すると相対的に投資収益率が高かった時期が見られます。こういった過去の傾向を踏まえて投資戦略としたものが最小分散の投資戦略です。
株式の投資収益を得ながら全体的な価格変動を抑える効果
分散の小さい銘柄に着目するこの戦略を過去のデータに基づいて確認したのが図表1です。過去10年間(2006年11月末~2016年10月末)の投資収益率について、同ETFが連動するMSCI日本株最小分散インデックスとTOPIX及び日経225との比較を行ってみましょう。過去10年、5年、3年、1年と保有期間別に見た平均投資収益率(左軸)には顕著な違いは見られず、期間によってその優劣は異なる傾向が見られます。一方、リスク(右軸)についてはいずれの保有期間においても、最小分散インデックスは他の指数と比較して低かった傾向が示されております。
価格変動の抑制は長期投資の一助になる
最小分散に着目する投資は投資における価格変動を抑えることを期待した投資戦略です。このことは特に長期の個人資産形成において、投資家の心理面でも大きな利点があるように思います。保有期間にどれほど価格変動にさらされるかは、個人の方がいかに長期に渡る投資を継続的に行えるかに大きく影響を与えるものと思います。長期的な投資が目的であり短期間で換金を考えていない投資家であっても、ご自身の保有資産の時価変動に無関心でいるのはなかなか難しいことではないでしょうか。少なからず価格変動を抑制できるツールがあれば、長期投資をする上での一助になると考えます。そのツールとして活用できるのがこの最小分散戦略を取り入れたETFです。
業種の偏りも調整した分散投資
iシェアーズの日本株最小分散 ETFは業種の偏りがないように銘柄構成や投資比率が決定されており、最小分散という良質な分散投資が1つのETFで行うことができます。例えば、一般に単に分散が小さい傾向を持つ銘柄を選択すると、医薬品や食品といったディフェンシブ業種の銘柄に偏る傾向がありますが、同ETFが連動する指数の構成銘柄はその点を配慮し業種毎に上限・下限の投資比率をルールとして設けた上で銘柄が選定されています。このような銘柄選択を個人投資家の方が個別銘柄で行うことは情報分析や取引規模の点で困難でありますが、このETFを1つ保有することでポートフォリオとしてのリスク分散を高度に配慮した投資が実現可能となります。
債券ETFとの組みあわせで安定的な長期投資を考える
上記に述べたような最小分散に着目するETFの利点は幾つかありますが、同ETFへの投資はあくまでも株式というリスクのある資産に投資するということには変わりなく、相場局面によって下落するリスクは依然として伴います。より長期に安定的な投資を目的とする場合には、安定的な値動きが期待できる債券を組み入れるなどを検討する必要があります。例えば、iシェアーズ東証シリーズでは米国債7-10年ETF(為替ヘッジあり)【1482】があります。米国債という信用度の高いかつ為替変動のリスクを回避しつつも比較的値動きの安定的な資産との組み合わせなどを検討するということで、分散効果やリスクの低減効果を高めるということが期待できるのではないでしょうか。