中長期投資というけど、株式市場は不安定だから大丈夫?
中長期投資、ETFを使った投資のススメ
提供元:日興アセットマネジメント
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中長期の資産形成に投資は大事とよく言われます。また、その大事さを理解しても、いざ投資をしようと思うと運用市場の不安定さが気になりますよね。
2016年11月9日(水)ですが、米国大統領選の開票速報が流れるなか市場が大荒れ(トランプショック)となりました。今年、2016年は英国のEU離脱の国民投票もあり、市場の一般的な予想に反する結果が次々と出ています。不確実性の増す環境でどう対処していくか、本当に悩むところです。
損を回避するには、機動的な売買が必用ではないか。市場をウオッチし続けるなんて自分は時間が無いからそんなことは出来ないということで、あきらめていませんか。
実は、たいへん参考になる実例があります。
【日本銀行からETFの投資手法を学ぶ】
日本銀行は2010年12月から市場に流動性を提供するためにETFの買付をしています。買付の方法は、概ね市場が下落したときに買付けてずっと持ち続ける手法をとっています。この日本銀行の買付けるETFとはどのような金融商品なのでしょうか。実は手数料が比較的安いので中長期投資をしても割負けない優れた金融商品で、日本だけでなく世界の各国で大流行しているものなのです。日興アセットマネジメントでは「動くETF学習帳」という分かりやすく、短い時間で見ることができるETFを理解していただくための動画を用意しています。ご覧いただければ、きっとお役にたつものではないかと考えています。また、以前、日興アセットマネジメントのETFコラムのNo.30で「日本銀行からETFの投資手法を学ぶ」と題して、市場下落時に購入をして、市場の回復を待つ投資戦略の有効性を書かせていただきました。2015年8月のチャイナショック、2015年末からの調整、英国のEU離脱の国民投票の洗礼を受けた、その後の状況についても同コラムNo.41「日銀のETF買付から学ぶ株式市場とETF投資(1)~市場の歪みの検証からわかったこと」、同コラムNo.42「日銀のETF買付から学ぶ株式市場とETF投資(2)~ 個別株の価格形成の歪みの検証を通じて」に触れさせていただいていまして、やはり市場下落時に購入をして市場の回復を待つ投資戦略の有効な事実を案内させていただいています。そこでご紹介したのが次のグラフで、日本銀行のETF買付残高と日経平均株価とその含み損益の推移です。
日本銀行のETF買付推移
(2010年11月30日~2016年9月30日)
上記グラフの緑色の部分が推計した含み損益です。マイナスになる場面もありましたが、プラス圏になっています。こつこつ市場が弱含んだときに買付け、長く保有することの有効性が見てとれます。さらに、ここでもう一つ忘れてはならないことが、分配金利回りの力です。日本株に投資をするETFは投資している株式から受け取った配当金から経費を差し引いたものを原則分配し、現状、TOPIXや日経平均に連動する代表的なETFは1.5%から2%弱くらいの分配金が期待できます。金利がつかない昨今の金融環境からは、上記のような分配金利回りは、たいへん魅力的に思えます。
このように日本銀行のような下値をこつこつ拾ってゆく投資戦術は市場が反転したときに、早いタイミングで含み益になります。このような投資戦略が絶対だとは言えませんが、マーケットのタイミングを見て、ひんぱんに売買する投資戦略よりは、一般の投資家の方々にマッチするのではないかと思います。