プロが語る!資産形成のすゝめ

多種多様な相場観を反映できる幅広い「品揃え」がETFの強み

提供元:SBI証券

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世の中何が起こるかわからないのが現実

現在の株式市場を概観すると、NYダウは史上最高値を更新し、日本でもTOPIX(東証株価指数)が昨年来高値を更新するなど堅調な動きを示しています。したがって、ここ1~2年の間に株式を買い付け、そのまま保有していた投資家の多くは利益を享受することができたと考えられます。

しかし、ある意味でそれは結果論に過ぎないと言えます。道のりは決して平坦ではなかったからです。例えば昨年は、英国の国民投票でEU離脱が決定し、6/24のTOPIXは前日比7%超の急落となりました。その急落過程で損失を被り、その後の市場参加に乗り遅れてしまった投資家も少なくないと思います。昨年秋には、米大統領選挙でトランプ氏が勝利する予想外の結果となり、11/9のTOPIXは4%超の下落になっています。

株式市場では最近「ブラック・スワン」という言葉を良く聞くようになりました。ほとんど有り得ないことで、多くの人が事前には予測し得ないことを指しています。予想に反し、そうしたことが起こると非常に強い衝撃波が生じることになります。英国によるEU離脱やトランプ氏の米大統領選挙当選はまさに「ブラック・スワン」であったと言えます。もっとも、後者の場合はその後の急速な株価反発も「ブラック・スワン」に近い現象だったと考えられます。投資家はまさに振り回された形になりました。

国内の株式市場、特にその個別銘柄を分析し、投資してきた投資家にとっては、こうした市場の急変、特に海外の政治経済の変動から来る株価の急変は、疲弊を誘うものであると考えられます。しかし、2017年もこれからはオランダの議会選挙や、フランス大統領選挙など重要日程が目白押しになっています。移民政策や貿易政策で米国のトランプ大統領が打ち出す政策が市場にショックを与える可能性もあります。今後も何が起こるかわかりません。

株式市場は決して平たんな道のりを辿ってきた訳ではない?(2016年のTOPIX・日足)
株式市場は決して平たんな道のりを辿ってきた訳ではない?(2016年のTOPIX・日足)

望んではいないものの、起こる可能性のあるいくつかのシナリオ

国内の株式市場に参加し、「バイ・アンド・ホールド」という戦術で対応している「一般的な投資家」にとり、望んではいないものの、起こり得るシナリオというものもあると思います。

例えば、トランプ大統領の政策です。海外から米国への輸入に関税を課すことにより、米国の製造業を保護する政策をもっと前面に出してくるかもしれません。また、為替政策についてもドル安を指向して輸出を促進しようとしてくるかもしれません。この場合、米国の製造業は恩恵を受けて米国株は堅調さを維持するかもしれませんが、外為市場では円高・ドル安が進み、日本や中国など米国への輸出が多い国で株価が下がるかもしれません。

欧州ではEU(欧州連合)が動揺する可能性があります。オランダ議会選挙やフランス大統領選挙の結果によっては、EU離脱への動きが英国以外でも強まるかもしれません。世界的な格差の拡大に対する人々の不満が高まる中で、移民問題がからみ、統合や平和を尊重する動きが逆回転してしまう懸念があります。欧州株の下落にとどまらず、リスク回避の円高が進み、日本株が強い逆風を受ける可能性もあります。

2017年は春以降、先を読みにくい事象が多くあり、我が国でも企業経営者のスタンスが慎重になる可能性があります。その場合、企業の業績予想までもが慎重になったり、設備投資が抑制されたりする可能性もあります。

前置きが長くなりましたが、今回ここで強調したいのが、ETFを投資戦略に取り入れることにより、こうした難しい投資環境に備え、逆に利益をあげるチャンスを拡大させることができるという点です。

ETFは取引所に上場している株式と同様に売買できますので、指数連動型のETFを売り建てるというのもひとつの方法です。また、インバース型のETFでより積極的に下落相場を活かす手もあります。しかし今回特にご紹介したいのが、ETFには国内株式に関連した商品のみならず、債券や海外指標、商品相場等に絡んだ商品も幅広くあり、より広範囲な相場観を投資戦略に反映することができるという点です。

多種多様な相場観を反映できる幅広い「品揃え」がETFの強み

SBI証券国内上場取扱ETF銘柄数 : 国内上場ETF全206銘柄!(※2017/3/10現在)
SBI証券国内上場取扱ETF銘柄数 : 国内上場ETF全206銘柄!(※2017/3/10現在)

多くの投資家の方は主に国内、資産としては株式を中心に投資対象にしていると考えられます。しかし我々が投資できる対象は国内にとどまらず海外もありますし、株式にとどまらず債券や商品もあります。そして幅広い投資対象が存在することを理解し、ETFを使うことでそれらに容易にアクセスできることを理解しておくことで、何が起こるかわからない時代にも十分対応することができます。

SBI証券ではETF(ETNを含む)の取扱銘柄を一覧にしてご紹介しています。国内指標はおもに株式が中心ですが、単純にTOPIXや日経平均株価に連動するETFにとどまらず、実質的に特定の業種やテーマに投資したいというニーズにも応えられる商品が含まれています。レバレッジ・インバースについては国内外の株価指数をおもな連動対象とし、指数等の変動率以上に上昇したり下落したりするETFが取り扱われています。

外国指標では、地域別では日本以外の先進国、新興国を対象とし、資産別では株式も債券も対象となっています。前述したように今後、米国株は堅調を維持しながらも、日本株は軟調という投資環境が来るかもしれません。そうした時に、海外の株式に連動するETFにも分散投資しておけば、備えになると考えられます。S&P500やNYダウなどの主要指標にとどまらず、中国やブラジルなど新興国の指数に連動する商品も含まれています。

なお、欧州の混乱等を背景に世界的に株価が波乱となり、質への投資から主要国の債券が選好される局面もあるかもしれません。その時は先進国の債券に関連した指数に連動するETFに投資するという選択肢があります。逆に主要国の低金利が続き、世界的に経済が堅調と予想するならば新興国の債券に連動するETFを投資対象とすることも可能です。

この他、商品・その他では各種商品相場等に連動した運用を実現することができます。米国経済は労働市場を見る限り順調であり、そこでさらに雇用拡大、投資拡大を打ち出すとインフレ率が高まるかもしれません。世界的にも好景気が続き、インフレ率が高まると予想するならば、原油など商品相場に関連した指標に連動するETFに投資し、インフレヘッジを図ることが可能です。また米国によるドル安政策の採用や、欧州のEU混乱等から世界的な通貨不安が生じると予想する場合は金価格に連動したETFを投資対象とすることも選択肢です。

このように幅広いETFの品揃えは、現在のように「何が起こるかわからない」時代には、投資家にとって大きな武器になると考えられます。

用語解説

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