米国大統領選挙後、値上がりしている貴金属とは?
提供元:三菱UFJ信託銀行
「この1年間で大きく値上がりしている貴金属は何?」と質問されたら、どのような貴金属を想像しますか?
最近では、北朝鮮のミサイル発射等の地政学的リスクの観点から、「有事の金」という言葉が新聞や雑誌等で紹介されていますので、金を想像する方が多いのではないでしょうか。あるいは、金よりも安くなっているプラチナ、さらには、金よりも大きく値動きすることが多いとされる銀を想像される方もいるかもしれません。意外に思われるかもしれませんが、正解はパラジウムです。
おそらく多くの方が「パラジウムって、どんな貴金属?」と思われたのではないでしょうか。
しかし、意外にもパラジウムは、我々の生活に密着した貴金属なのです。日本では多くの自動車が道路を走っており、その多くはガソリン自動車です。パラジウムはそのガソリン自動車の有毒な排気ガスを無害なガスに変える触媒として多く利用されています。全世界におけるパラジウムの需要の実に70%以上がこのガソリン自動車の触媒需要です。
そして、ガソリン自動車は日本以外にも、中国、北米、などで数多く使われています。そのため、パラジウム価格の動向をみるうえで、このような地域でのガソリン自動車の販売状況が注目されます。
さて、話は戻りますが、何故、パラジウムは大きく値上がりしているのでしょうか?
それは、需要面と供給面の両面で原因があるようです。
需要面でいえば、上述の通り、需要の70%以上を占めるガソリン自動車の売れ行きが世界的に堅調ですので、自動車触媒で使用されるパラジウム需要も底堅い状況のようです。
一方で供給面に目を向けると、パラジウムは2012年以降、供給不足が指摘されています。つまり、需要が堅調に推移する一方、供給不足のため、価格が上がりやすい土壌が形成されていたためと考えられています。
なお、パラジウムの供給は、鉱山生産が約7割以上を占めています。そして、その約8割、つまり供給量全体の半分以上をロシアと南アフリカの2か国が占めています。まだ記憶に新しいことですが、ロシアがウクライナに侵攻した2014年には、パラジウムが急騰しました。このことからも、現在は当時ほどニュースになっていないウクライナ情勢は気になるところです。
では、パラジウムに投資するとしたら、どのような方法があるでしょうか。
同じ貴金属の金やプラチナであれば、地金、硬貨、積立、ETF等、多くの投資方法がありますが、パラジウムの投資方法はかなり限定的のようです。地金にしても、取り扱われている意金属店は金やプラチナほど多くはありません。
そこで、手軽に投資が可能な選択肢としてパラジウムETFがあります。ETFですので、すでに証券口座をお持ちの方であれば、証券コードと口数を指定するのみ。
ただし、お取引に際して、気になるのはパラジウムの動向。あいにくパラジウムについての情報は、金やプラチナと比較して少ないのが現状です。
しかしながら、弊社では、パラジウムはもちろんのこと、貴金属投資の王道と呼べる金、アクセサリーとして女性に人気のプラチナ、「貧者の金」と言われる銀の情報を、貴金属の専門家によるブログやコラムを通じて、専用ウェブサイトにて発信しています。今まで縁遠いと思っていたパラジウムなどの貴金属が身近なものに変わると思いますので、ぜひご覧ください。
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