「ドローン」「宇宙開発」「ソーシャルゲーム」に投資!?
好きなものを応援できる“テーマ投資”サービス「FOLIO」
金融(ファイナンス)と技術(テクノロジー)の融合を意味する「フィンテック」。未来を担う市場として急激に拡大を続けており、例えばいくつかの質問を通して、個々のニーズに沿ったポートフォリオを提案するサービス「ロボアドバイザー(通称ロボアド)」など様々なサービスが続々と登場している。そしてそんななかで新たな形態のオンライン証券サービスが誕生しようとしている。
テーマ投資型プラットフォーム「FOLIO(フォリオ)」について、同サービスを運営しているFOLIOの代表取締役CEO・甲斐真一郎さんに聞いた。
好きなものに投資できる“テーマ投資”
「FOLIO」は、特定のテーマに沿った銘柄に分散して投資する“テーマ投資”が簡単かつスムーズに行えるサービス。例えば「自動運転」というテーマであれば、自動車メーカー1社の株を買うのではなく、複数の自動車メーカーに加え、モニターやセンサーのメーカー、道路情報システム会社など複数の関連銘柄に分散させて投資するということ。現在はβ版が公開されている。
「日本では初心者が投資に踏み出せる環境が、まだまだ整っていないと思っています。いかに投資を一般的な生活圏に持ってくるかが課題だと考え、長く投資に携わってきた私達とネットサービスやゲームアプリの知見が豊富なエンジニアが一緒になって生み出したものが『FOLIO』です」(甲斐さん・以下同)
テーマ投資といっても「建設」「農林水産」といわれると、興味が湧きづらい。しかし「FOLIO」では、投資や経済の知識がなくても想像しやすいテーマが用意されている。「ドローン」「自動運転車」という最新技術から「ソーシャルゲーム」「マンガ」など生活に根付いたもの、「がんばれ東北」「くいだおれの街「大阪」」などの地域まで。関心のあるテーマが見つかるはずだ。
1つのテーマは、そのテーマに関連する10社の有望企業の銘柄で構成されている。運用金額は10万円前後から可能。少額から分散投資できるのだ。ちなみに1テーマにつき、売買時の取引手数料は0.54%(税込)。振込手数料(リアルタイム入金・出金に限る)、運用手数料、口座管理手数料が発生しないところも大きな魅力だ。
アクティブ運用で投資への関心もUP
テーマ投資を採用したのは、投資初心者に届きやすくするためだという。
「投資においてはリスクやリターンも大切ですが、同時に“ワクワク”も必要だと考えています。自分が好きなものに投資すると考えたら、値動きをチェックするのが楽しくなると思うんです。投資のリテラシーが低くても、まずは興味で始められるのがテーマ投資です。ワクワクドキドキが人を動かすんですよね」
また、「一般的なロボアドとは違い、積極的で自主的な投資が行えるところもテーマ投資のよさ」と甲斐さんは話す。
「ロボアドはいわゆるパッシブ運用(市場平均と同程度の運用成績を目標とする運用)なのに対して、テーマ投資はアクティブ運用(市場平均を上回る成績を目標とする運用)です。また、運用を完全に任せてもらうのではなく、お客様自身にも関心を持ってもらい進めていくことになります。(投資信託ではないため)リバランス(銘柄・保有比率の見直し)はお客様に判断していただくので、その分お客様の投資リテラシーが上がっていくと考えています」
ユーザー自身の判断が必要になるからこそ、興味のあるもの、好きなものに投資することで関心を持って運用していけるのだ。運用開始後は、専用のマイページにリバランスや売却タイミングの提案が届くため、そのお知らせを参考にしながら判断していくことになる。
年内に正式リリース予定
今年7月7日にβ版がリリースされたばかりの「FOLIO」。当初予定していた10倍の申し込みがあったそうで、現在は登録順に招待待ちという状況。SNSやソーシャルゲームの利用率が高い20~30代からの申し込みが多いそう。
「年内には正式リリースする予定です。リリースに当たってスマートフォン用アプリも展開する予定なので、日常生活のなかでより便利に投資が楽しめると考えています」
「FOLIO」では、ユーザーがテーマを提案できる「フォリオ総選挙」というイベントも検討しているそう。自分の好きなものをテーマにするチャンスになるかもしれない。
自分の興味・関心に投資できる「FOLIO」。好きなものであれば、多少値が動いても焦らず、信じて保有できるというメリットもあるだろう。まずは、興味のあるテーマを探してみよう。
(有竹亮介/verb)
【FOLIOのデータ】(2017年7月現在)
・サービス開始 :2017年7月
・利用者層 :20~30代中心
・投資対象 :株式
・売買時手数料 :0.54%(税込)
※記事の内容は2017年7月31日現在の情報です