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2017年10月 投資信託の資金フロー

提供元:三菱アセット・ブレインズ

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投資信託は個人の資産形成における中心的な金融商品として多くの人が利用している。投資信託の資金流出入などの動向は、資産形成を考えるうえで重要な情報だろう。

そこで、毎年1000ファンド以上の投資信託を評価・分析する三菱アセット・ブレインズより、以下で2017年10月における投信市場の動向(注)についてご紹介する。

(注)ETF、DC専用、SMA専用、公社債投信等を除いた公募投信

1.投信市場における資金の流出入動向

「2ヵ月連続の資金流出超、流出額も拡大」
10月の資金流出入動向は、約1,630 億円の流出超と2ヵ月連続の資金流出超となり、流出額は前月から拡大した。国内株式、不動産投信(REIT)から多額の資金が流出したことが主な要因である。

資金流入では、外国株式、エマージング株式、エマージング債券、複合資産、外国債券の順に流入が多かった。外国株式、エマージング株式といった世界経済の成長を享受できる資産が多額の資金を集めた一方で、安定運用を謳った複合資産、外国債券も一定の資金を集めている。

資金流出では、前月と同様に国内株式、不動産投信(REIT)を中心に資金が流出した。当月は日経平均株価が2万2,000円を突破するなど国内株式市場が活況だったことを受けて利益確定売りの動きが強まった。

一方、不動産投信(REIT)は欧米において金融緩和政策の縮小観測が高まっていることで将来的な金利上昇が懸念され、資金流出額が拡大した。また、同様の理由からハイイールド債券も2ヵ月連続で資金流出となった。

個別ファンドをみると、資金流入が大きい順に、「野村PIMCO・世界インカム戦略ファンド A」(約410億円)が前月に引き続き1位となり、以降は新規設定ファンドである「ダイワ/ジャナス米国中型グロース株F(ヘッジなし)」(約310億円)、「野村インド株投資」(約240億円)と続いている。

3位の「野村インド株投資」は着実に純資産残高を積み上げており、10月末時点で約5,200億円と公販ファンド全体において9位にランクインした。また、資金流出が続く国内株式ファンド全体の動きに反して多額の資金流入が継続している「ひふみプラス」の純資産残高は、さわかみファンドを上回り国内株式の2位に浮上した。

(図表1)主要資産の資金流出入動向(過去3ヵ月と直近月)

※合計には、グラフ表示していない、その他資産も含む

2.投信市場のパフォーマンス動向

「国内株式が好調なパフォーマンス」
10月の金融市場は、北朝鮮に対する警戒感の後退や世界的な景気・企業業績の回復期待の高まりなどから、リスクオンの相場展開となり、株式市場は国内株式を中心に大幅に上昇した。

世界的にリスクオンの動きが強まったことや、衆院選において与党が大勝し、安倍政権の安定化および金融緩和政策の維持が確認されたことを受けて買い安心感が広がった。日経平均株価は16営業日連続で上昇し、約21年ぶりの水準となる2万2,000円台を回復する展開となった。

一方、債券や不動産投信(REIT)は小幅に下落した。リスクオンの動きから金利上昇圧力が強まったことに加え、米国FRB(米連邦準備理事会)の新議長に金融引き締め派(タカ派)が就任するのではとの警戒感から、債券金利が上昇したことが影響した。

個別ファンドでも、世界的にみて活況であった国内株式市場を反映して、国内株式型や国内株式ブル型のファンドが大幅なリターンを獲得した。

(図表2)パフォーマンス上位5資産のランキングと実績
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3.新規設定ファンドの動向

「設定本数、設定額ともに低調な状態が続く」
10月の新規設定は32本、設定額は約560億円となった。設定本数は前月とほぼ同数、設定額はやや増加したが、直近数ヵ月の新規設定は本数、金額ともに低調な状態が続いている。

個別ファンドでは、「ダイワ/ジャナス米国中型グロース株F(ヘッジなし)」が約250億円、「ニッポン創業経営者ファンド」が約80億円となった。1位のファンドは、運用を外部委託しているジャナス・キャピタル・マネジメント・エルエルシー社のアナリストによる綿密な調査分析を付加価値の源泉とした米国株式ファンドである。為替ヘッジありのコースも含めると、300億円超の資金を集めた。低調な新規設定において、外国株式型は直近1年間で約6,000億円を集める主役となっている。

また、2位の「ニッポン創業経営者ファンド」は「リーダーシップ」「洞察力」「社会性」の観点から、企業成長の源泉となる創業経営者の能力に着目したファンドである。国内株式型の新規設定ファンドが50億円以上を集めたのは、7月以来、3ヵ月ぶりである。

(図表3) 新規設定金額、設定本数の推移
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最後に、10月の資金流入上位15ファンドを掲載しておく。

(図表4) 資金流入上位15ファンド一覧
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(三菱アセット・ブレインズ)

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