株主優待目的で株式投資するとき、初心者が気をつけたい5つの注意点

提供元:たあんと

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飲食品、食事券、金券、チケット、オリジナルグッズなど、株主優待を提供する企業は1000社以上もあるとされています。魅力的な優待があれば、ついついその銘柄を買いたくなるものですが、時にはそれで失敗することも……。

今回は、株主優待を目的とする株式投資で、初心者が損しないために気をつけたい5つの注意点を解説します。

(1)株主優待がもらえる条件を確認する

株主優待をもらうためには、決算月の決められた日までに株式を保有していること、つまり株主になっている必要があります。

例えば、株主優待をもらうために3月末決算の銘柄を購入する場合、3月末日を1日目として逆算し、4営業日前の「権利付き最終日」に株式を購入しておかなければなりません。

この時、株式数の条件も確認しましょう。銘柄によって、株主優待がもらえるのが100株なのか、300株なのか、1000株なのかは異なってきます。また、株式の保有期間に応じて優待内容を変えている銘柄もありますので、企業のホームページなどで確認しておきましょう。

(2)「権利付き最終日の株価上昇」と「配当・優待落ちの株価下落」に注意

権利付き最終日に株式を保有さえしていれば、株主優待や配当金をもらうことができます。ということは、権利付き最終日の次の日に株式を売っても株主優待や配当金はもらえます。

このようなルールのため、権利付き最終日の1か月くらい前から株価が上昇し、権利落ち日(権利付き最終日の翌日)には株価が下落する動きを見せることが多いです。優待利回り(=株主優待の価値÷株主優待の取得にかかった投資金額×100)や配当利回り(=年間の配当金÷配当の取得にかかった投資金額×100)が高い銘柄はこの動きが顕著なので、注意しておく必要があります。

株主優待が目的で銘柄を選んでしまうと、権利付き最終日の直前に慌てて購入し、株価の下落により株式をずっと売ることができないという事態になることもありますので、購入のタイミングには注意が必要です。

(3)成長性・将来性がある企業かどうかを調べて、銘柄を選ぶ

株主優待を目的に株式投資をする人に多いのが、企業がどんな事業を展開しているのか、財務内容や業績はどんな状況かを確認しないで投資する傾向があることです。

「企業理念・将来ビジョン・行動計画はどうなのか」「実績は着実に積み上げてきて、売上や利益は右肩上がりか」「財務の健全性はあるか」「提携先・取引先はどんな企業か」「その企業のお客様の声」など、確認するようにしましょう。

株式投資は、これから成長していくと信じることができ、じっくりと付き合える企業にお金を投じて応援するのが基本です。

たとえ株主優待が魅力的なものだとしても、経営状態が良くない企業や赤字が続く企業の株式は購入しない方が良いです。企業の財務内容や業績はしっかり見ておくことをオススメします。

(4)株主優待が改悪・終了になるリスクもあるので注意

業績の低迷や経費削減など、企業の事情によって、株主優待を改悪したり、株主優待自体が終了したりすることがあります。その場合、株主が株式を売却して、株価が大きく下落するケースが多いです。

Webや雑誌などで「株主優待人気ランキング」が紹介されることがありますが、ランキング上位の銘柄がいつまでも魅力的な株主優待を提供できるとは限りません。株主優待の改悪・終了のリスクには十分注意しておきたいところです。

また、優待利回りが高い、つまり株価と比べて過剰な株主優待を提供している銘柄も、改悪・終了のリスクに注意して投資するようにしましょう。

(5)分散投資を忘れないこと

株主優待というのは、保有している株式数が多い株主、つまり投資資金の多い株主に対して、より魅力的な優待を提供するしくみになっています。ただし、1つの銘柄に資金を集中して投資すると、値下がりリスクは大きくなりますし、1つの銘柄ではないにしても同じ業種ばかりに投資していると、業界全体の相場が下落した際に大きな損失を被ることになります。

効率よく資産を形成していくためには、分散投資が基本です。値動きの異なる資産を組み合わせることで、値下がりリスクを抑えることができます。株主優待が目的で投資を行うにしても、分散投資は徹底しておきましょう。

著者:頼藤太希(マネーコンサルタント)

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