投資信託のトレンドが分かる!
2018年1月 投資信託の資金フロー
提供元:三菱アセット・ブレインズ
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投資信託は個人の資産形成における中心的な金融商品として多くの人が利用している。投資信託の資金流出入などの動向は、資産形成を考えるうえで重要な情報だろう。
そこで、毎年1000ファンド以上の投資信託を評価・分析する三菱アセット・ブレインズより、以下で2018年1月における投信市場の動向(注)についてご紹介する。
(注)ETF、DC専用、SMA専用、公社債投信等を除いた公募投信
1.投信市場における資金の流出入動向
「3ヵ月連続の資金流入、流入額も拡大」
1月の資金流出入動向は7,930億円の流入超と、3ヵ月連続の純流入となり、流入額は前月から大幅に増加した。特に、外国株式が大幅に流入額を伸ばしたことが全体を押し上げた。
資金流入では、外国株式、国内株式、複合資産を中心に流入超となった。外国株式では、新規設定ファンドを始めとするテーマ型ファンドの人気が継続している。
国内株式では、堅調にパフォーマンスが推移する中小型関連ファンドが資金を集めたことに加え、インデックス型ファンドにも相応の流入がみられた。複合資産では、リスクコントロール型とも呼ばれるバランス型ファンドが安定的に支持されている。
資金流出では、米国の長期金利が上昇基調で推移したことを嫌気し、不動産投信(REIT)や外国債券、ハイイールド債券などから資金が流出した。
個別ファンドをみると、新規設定ファンドの「モビリティ・イノベーション・ファンド」(BNYメロン)(約1,800億円)が1位、「グローバル・ロボティクス株式F(年2回)」(日興)(約980億円)が2位となった。なお、2位の同ファンドはコース累計では純資産額が1兆円を突破した。
また、堅調な資金流入が続く「ひふみプラス」は1月も700億円超の資金を集め、純資産額は5,000億円を超え投信全体で8位となった。「三井住友・げんきシニアライフ」「SBI中小型割安成長株ファンド(年2回決算)」といった、長期の運用実績を有する国内株式ファンドへの流入も急増している。パフォーマンスが良好に推移していることが再評価された模様。
資金流出では、引き続き不動産投信型(REIT)から多額の資金が流出した。特に11月に分配金を引き下げた「フィデリティ・USリート・ファンドB」からの流出額が拡大している。
(図表1)主要資産の資金流出入動向(過去3ヵ月と直近月)
2.投信市場のパフォーマンス動向
「株式関連と債券関連で対照的なパフォーマンス」
1月の金融市場は、米国の大型減税による景気刺激への期待から株式市場は世界的に上昇したが、インフレ見通しが強まったことや日欧中央銀行による緩和政策の早期縮小観測から長期金利が上昇したことを受け、月末にかけては下落に転じた。国内株式は、米財務長官のドル安容認発言による円高もネガティブに働いた。
当月の資産別パフォーマンスでは、エマージング株式が大きく上昇した。BRICs地域を中心に株式市場は活況を呈しており、資産全体の平均を押し上げた。
次点には、国内株式、先進国株式と続いている。月次でプラスのリターンとなったのは株式関連資産のみであり、金利上昇が懸念される債券関連とは対照的な動きとなった。
個別ファンドでは、引き続き、国内中小型株式ファンドが好調を示し、株価が堅調な中国やブラジル、ベトナム関連ファンドも上位に位置した。
(図表2)パフォーマンス上位5資産のランキングと実績
3.新規設定ファンドの動向
「自動車業界の新技術に着目した株式ファンドが設定される」
1月の新規設定は51本、設定額は約1,600億円となった。設定本数は前月(40本)から増加したが、設定額はほぼ同水準となった。
なお、設定日以降に多くの資金を集めたファンドがあったことで、月末の新規設定ファンドの純資産額は合計で約3,700億円にまで膨らんだ。
当月は、自動運転や電気自動車など自動車業界の新技術に注目したテーマ型株式ファンドが目立った。
当初設定額ベースで「グローバルEV関連株ファンド」(大和住銀)が為替ヘッジ有無の2コース累計で約900億円と最も資金を集め、月末純資産額ベースでは、「モビリティ・イノベーション・ファンド」(BNYメロン)が約1,800億円で1位となっている。
また、設定額3位で300億円近い資金を集めた複合資産型の「野村ターゲットインカムファンド」は、世界の債券および株式等に投資を行い、年率3%程度の利回り確保を目指すファンドであり、安定的な分配期待と、公的年金の受給がない月(隔月)に配当金を支払う商品設計がリタイア層中心に支持された模様。
(図表3) 新規設定金額、設定本数の推移
最後に、1月の資金流入上位15ファンドを掲載しておく。
(図表4) 資金流入上位15ファンド一覧
(三菱アセット・ブレインズ)