インデックスは多種多様
【第6章】目的に合ったインデックスが見つかる
提供元:S&Pダウ・ジョーンズ・インデックス
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東証マネ部!では全7回の「速習!インデックスの基礎」と題した特集コーナーとして、以下の各トピックのエッセンスをご紹介しており、今回は第6章「目的に合ったインデックスが見つかる」になります。また各回の記事の最後には簡単なミニテストをご用意しています。
詳細な解説や答えを確認したい方はぜひS&Pダウ・ジョーンズ・インデックス社の「インデックス・リテラシー」という特設サイトまでぜひお越しください!
<インデックス・リテラシーのトピック>
【第1章】インデックスの定義:
インデックスとは何か?どのように機能するのか?
【第2章】インデックス・プロバイダー:
インデックスに命を吹き込むインデックス・プロバイダーとは?
【第3章】投資商品を通じてインデックスにアクセス:
インデックス連動型商品は市場へのパスポート
【第4章】条件の不均衡の解消:
パッシブ投資によって市場へのアクセス機会が公平に
【第5章】メソドロジーは重要:
メソドロジー(構築手法)がインデックスの特性を決定する
【第6章】目的に合ったインデックスが見つかる:
インデックスは多種多様
【第7章】代表的なインデックス、S&P500とダウ平均®:
市場を測定する方法は一つではない
それでは、「【第6章】目的に合ったインデックスが見つかる」を始めましょう。
インデックスは多種多様
インデックスのリストを作成するとしたら、どんなインデックスが思い浮かびますか?
日本市場だとTOPIXや日経平均株価、米国市場でしたらS&P500やダウ平均は当然リストに入るでしょう。他にも、欧州やアジア市場の主要インデックス、人気セクターや高配当インデックスなどが思いつくかもしれません。
ところが、それ以外にも、数百万ものインデックスが毎日算出されています。なぜ、それほど多くのインデックスが必要なのかと疑問に思うかもしれません。
インデックスが増えれば違った市場の評価や動きを追うことができます。
例えば、アナリストはグローバル市場を動かしている要因を判断するために国別、セクター別のインデックスを利用できます。また、インデックスが増えれば、運用会社が関心の対象が異なる、様々な投資家に役立つETFやその他のツールを設定する機会が拡大します。
インデックスの種類
大半のインデックスは次のカテゴリーのいずれかに分類できます。
• 株式インデックス
• 債券インデックス
• コモディティ・インデックス
• 戦略インデックス
• 経済インデックス
それでは、それぞれのインデックスを詳しく見てみましょう。
株式インデックス
ほとんどの投資家は「インデックス」と聞くと、株式インデックスを思い浮かぶのではないでしょうか。
株式インデックスは 最も多く参照され、利用しやすい市場関連の指標です。目的は、動向を知りたい市場の変化を正確に反映するということです。
その中で最も範囲が広いのは、グローバル株式市場の測定するインデックスです。例えば、 S&Pグローバル総合指数 は、25の先進国市場と22の新興国市場の株式約1万銘柄を対象としています。
その他、特定の市場セグメントにピンポイントで照準を合わせることができます。
例えば、国別、地域別のインデックスや、エネルギー、ヘルスケア、公益企業などの動きを再現するセクター別、産業別のインデックスがあります。また、株式市場を企業規模で分類した大型株、中型株、小型株の各インデックスもあります。
債券インデックス
債券には、国債、地方債などの政府債や社債があります。
債券の価格および利回りの動きを追うインデックスは、株式インデックスに比べると存在感が薄いかもしれませんが、債券インデックスを合計すると、連動対象となる証券のユニバースは、米国と世界の市場における銘柄数、時価総額のいずれにおいても、株式インデックスをはるかに上回っています。
コモディティ・インデックス
コモディティ・インデックスは、原油から貴金属に至る様々な対象先物契約の価格の変化を概ね反映します。そして、個々の先物契約の価格は、対象となるコモディティの需給要因を含む各種要因の影響を受けて変動します。
戦略別インデックス
戦略別インデックスはいずれも「個性的」です。単純にマーケットを測定するのではなく、配当収入の提供、リスクの管理、その他の市場要因を考慮した多様な戦略を模倣します。一般的に、スマートベータ・インデックスとも呼ばれています。
経済インデックス
上記のインデックスに加えて、特殊な分野を測定する数多くのインデックスがあります。
例えば、株式市場のボラティリティ見通しの変化を追う CBOEボラティリティ指数®(VIX®)が挙げられます。実際の市場パフォーマンスの水準を反映する伝統的なインデックスと異なり、VIXは株価が短期的にどう動くと予想されているかを反映することを目指しています。(VIXについて詳しく知りたい方はこちらをご参照下さい)
また、米国の一戸建て住宅価格のベンチマークである S&Pコアロジック・ケース・シラー住宅価格指数もこのカテゴリーに入ります。米国経済にとって住宅市場は重要であることから、同指数は代表的な不動産価値の変化に関する重要なデータを提供していることになります。
第6章は以上となります。この章で学んだことの復習として、簡単なミニテストを用意しました。
こちらのサイトより回答をご入力いただければ正解を確認できますので、ぜひチャレンジしてみてください!
<第6章 ミニテスト>
質問1: 高利回りや定期的なインカム、またはその両方を重視しているのはどのインデックスですか?
• 配当インデックス
• コモディティ・インデックス
• リスク・コントロール指数
• アセット・アロケーション指数
質問2: S&P GSCIとダウ・ジョーンズ・コモディティ・インデックスに関する記述で正しいのはどれですか?
• 幅広い範囲を対象とするコモディティ・インデックス
• 対象範囲を絞り、特定の投資目標の複製を目指す
• ベンチマークとして、または投資商品の基盤として使用できる
• AとC
質問3: 次の説明の中で間違っているのはどれですか?
• 債券の価格と利回りの動きを追うインデックスのユニバースは、株式インデックスのユニバースに比べてかなり小さい
• 対象を絞ったインデックスによって、投資家は特定の国やセクターに正確に照準を合わせることができる
• 社会的責任を重視する企業のみに投資する機関投資家もいる
• 特定の選別基準や戦略を持たないインデックスは、「伝統的ベータ」インデックスまたは「プレーンバニラ」インデックスと呼ばれることがある
質問4: 様々な組み合わせにおいて、株式と債券を対象とするインデックスはどれですか?
• 配当インデックス
• ファクター・インデックス
• リスク・コントロール指数
• アセット・アロケーション指数
質問5: 複数のファクターを組み合わせたマルチ・ファクター戦略インデックスはどれですか?
• S&P 500指数
• S&P GIVIグローバル
• S&P 500リスク・コントロール指数
• ダウ平均
※ミニテストにはこの記事内ではご紹介できなかった内容に関する質問も含まれています。この記事は「インデックス・リテラシー」サイトの第6章「目的に合ったインデックスが見つかる」の内容を抜粋したものですので、「インデックス・リテラシー」サイトの全文をご覧いただくと、すべての質問に関する説明をご確認できます。