速習!インデックスの基礎

市場を測定する方法は一つではない

【第7章】代表的なインデックス:S&P500指数とダウ平均

提供元:S&Pダウ・ジョーンズ・インデックス

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東証マネ部!では全7回の「速習!インデックスの基礎」と題した特集コーナーとして、以下の各トピックのエッセンスをご紹介しており、今回は第7章「代表的なインデックス、S&P500®とダウ平均®」になります。また各回の記事の最後には簡単なミニテストをご用意しています。

詳細な解説や答えを確認したい方はぜひS&Pダウ・ジョーンズ・インデックス社の「インデックス・リテラシー」という特設サイトまでぜひお越しください!

<インデックス・リテラシーのトピック>
【第1章】インデックスの定義
インデックスとは何か?どのように機能するのか?

【第2章】インデックス・プロバイダー
インデックスに命を吹き込むインデックス・プロバイダーとは?

【第3章】投資商品を通じてインデックスにアクセス
インデックス連動型商品は市場へのパスポート

【第4章】条件の不均衡の解消
パッシブ投資によって市場へのアクセス機会が公平に

【第5章】メソドロジーは重要
メソドロジー(構築手法)がインデックスの特性を決定する

【第6章】目的に合ったインデックスが見つかる
インデックスは多種多様

【第7章】代表的なインデックス、S&P500®とダウ平均®:
市場を測定する方法は一つではない

それでは、「【第7章】代表的なインデックス、S&P500®とダウ平均®」を始めましょう。

2つのベンチマークは類似しているものの、幾つかの点で大きく異なります

インデックスの構築という点では、ダウ平均もS&P500も米国の大型株の動きを追っています。

ダウ平均の採用企業は有名大企業で「ブルーチップ」と呼ばれることも多々あります。S&P500も大型株である主要セクターのトップ企業を網羅しています。ダウ平均の構成銘柄は、通常S&P500に組み入れられており、S&P500の時価総額の25%から30%を占めています。

一目で分かる:ダウ平均とS&P500の比較

指数構築の違い

両インデックスともに、どの銘柄を追加するかの最終判断はS&Pダウ・ジョーンズ・インデックスの指数委員会が行い、ダウ平均は株価平均委員会が、S&P500は米国指数委員会が担当しています。

ダウ平均の銘柄選択は厳格なルールに基づくものではありませんが、委員会は適格企業の名声、持続的な成長の長期実績、投資家の関心度、セクターを代表する企業かどうかなどに注目します。

例えば、過去15年間には、米国株式市場におけるテクノロジーセクターの成長を反映し、多くのテクノロジー関連企業が指数に採用されました。

S&P500の選択プロセスは、財務の健全性、浮動株数、十分な流動性、企業タイプといった組入条件を定めた定量的な基準に従って管理されています。その一例として、インデックスの組入対象企業には最低61億ドルの時価総額が求められています。こうした条件を満たした株式の中から、セクターを代表する企業かどうかを検討しつつ、構成銘柄を選択するのが委員会の役割です。

パフォーマンス

長期的に見て、ダウ平均とS&P500指数のパフォーマンスには高い連動性があり、同じ市場の要因に反応して上昇したり、低下します。両インデックスはボラティリティも、完全ではないものの、同様の水準になる傾向があります。

しかし、構成銘柄とスタイルの差異を反映して、パフォーマンスには重要な違いがあります。

S&P500は、ダウ平均に比べて構成銘柄が分散化しており、ダウ平均より変動が大きくなる傾向があります。

その主な要因として、S&P500には超大型企業だけでなく、それよりも規模が小さく、超大型企業に比べて株価が大幅かつ頻繁に変動する傾向のある企業が多数含まれているからです。

S&P500が2001年や2009年などの株価下落局面で大きく低下する一方、2013年や2014年といった力強い相場上昇局面で大幅上昇する一因は、こうしたボラティリティの高さにあります。

<ダウ平均とS&P500のパフォーマンス比較>

ダウ平均とS&P500には幾つかの点で違いがあるのは確かです。

しかし、それよりもはるかに重要な共通点があります。それは、完全性と信頼性を備えていること、加えて、株式市場のパフォーマンスの指標として、有益な情報を長期にわたり提供してきたことです。

 

第7章は以上となります。この章で学んだことの復習として、簡単なミニテストを用意しました。

こちらのサイトより回答をご入力いただければ正解を確認できますので、ぜひチャレンジしてみてください!

<第7章 ミニテスト>

質問1: ダウ平均の構成銘柄はどのように加重されていますか?
• 時価総額
• 株価
• 均等加重
• 指数委員会の裁量

質問2: ダウ平均とS&P500指数に共通する特徴はどれですか?
• 多くの投資商品の基盤となっていること
• 銘柄選択が完全に定量的ルールに基づいて行われること
• 米国の大型株を対象にしていること
• AとC

質問3: ダウ平均とS&P500指数の長期的な相対パフォーマンスの説明として、最も的確なのはどれですか?
• ダウ平均がS&P500指数をほぼアウトパフォーム
• S&P500指数がダウ平均をほぼアウトパフォーム
• 両インデックスのパフォーマンスはほとんど同じ
• 両インデックスの相関性は高いものの、どちらがアウトパフォームするかは市場の状況次第

質問4: S&P500への株式の追加・除外のプロセスの説明として、最も的確なものはどれですか?
• 株式の追加・除外は定期の年次レビューの時のみ実施
• 株式は事前に定められている時価総額の基準を下回ると直ちに除外
• 株式の追加・除外はいつでも実施可能で、変更は通常、企業の合併・買収を受けて実施
• インデックスの継続性を保つために株式の入れ替えはほとんど実施されません

質問5: ダウ平均とS&P500指数の主な相違点はどれですか?
• 分散化の度合い
• 長期パフォーマンス
• 構成銘柄の信用力
• 市場測定における信頼性

※ミニテストにはこの記事内ではご紹介できなかった内容に関する質問も含まれています。この記事は「インデックス・リテラシー」サイトの第7章「代表的なインデックス、S&P500®とダウ平均®」の内容を抜粋したものですので、「インデックス・リテラシー」サイトの全文をご覧いただくと、すべての質問に関する説明をご確認できます。

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