素人でもできるプロ的銘柄探し

プロ的銘柄探し⑧

「新しい家族」を投資テーマにしてみよう!

提供元:One Tap BUY

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著者:三好 美佐子(One Tap BUY)

銘柄を選ぶためのテーマは、確実なデータに基づいて、自然のシナリオが描けるものがよいのではないかと思われます。しかも、身近な分かりやすいテーマとして、今回は、新しい家族「犬・猫」にフォーカスしてみます。

街を歩くときに気を付けていると、六本木界隈でも東京郊外でも、犬を連れて散歩している人が意外に多いように思います。

ペットは「かわいい」というプラスの感情をもたらしますが、人形や絵とは違い、「一緒に生きていく、一緒に生活するもの」です。

日本は、確実に少子高齢化が進んでいますが、ペットは孤独なお年寄りの話し相手になったり、家族の少ない家庭の心を支えたりする役割を担うことができます。また、社団法人ペットフード協会の越村会長によると、ドイツやオーストラリアではペットと暮らすことで高齢者医療費の抑制効果があることが報告されたとのことです。

人間の心身の健康を保つことにも一役買うことができるペットは、人口統計から見る今後の日本でも大いに活躍してくれそうな気がします。特に犬は、毎日散歩に連れ出さなければならないため、いやが上にも人間の運動不足を解消することにもなります。

さて、近年の犬・猫の飼育頭数の推移を見ると、両方合わせるとやや減少傾向ではあるものの、猫は増加しています。概ね、犬よりも猫の方が食べる量も少なく飼育費が低いと考えられるために、飼育頭数が伸びているとの説もありますので、景気が回復すれば、犬を飼える人も増えてくるのかもしれません。

また、日本の15歳未満の子どもの数は36年連続で減少していますが、今や、犬&猫の数の方が多く、一部の子ども産業にも匹敵する経済規模を期待できるともいえそうです。

社団法人ペットフード協会「平成29年全国犬猫飼育実態調査結果」、総務省統計局「平成29年5月4日我が国のこどもの数」を基に作成

そこで、ペット産業の市場規模を確認してみます。飼育頭数は上記に見た通りですが、ペット産業の市場規模は少しずつ拡大しています。

「月刊事業構想2017年1月号」および社団法人ペットフード協会「全国犬猫飼育実態調査」を基に作成

これは、何を意味しているのでしょうか。

昔、犬や猫といえば、家の外でたくましく飼っていたものでした。ところが、最近では、非常に多くの犬が服を着ています(ご本犬たちはあまり嬉しくないようですが・・・)。そして、月に一度のトリミング(美容院)に通ったり、サプリメントを食べたり・・・、人間の家族同様(またはそれ以上!?)の存在として生活しており、少子高齢化で家族の数が減るなかで、ペットの存在感はますます大きくなっていることを意味しています。

また、日本の住宅事情も反映して、家のなかで飼いやすい猫や小型犬がブームです。

ヘアカット、耳掃除、爪切りなど、人間が面倒を見ることを前提に愛玩犬として作られた犬種もあり、消費の源となっています。言葉の話せない彼/彼女の具合が悪くなれば、心配ですぐに病院に連れていく飼い主も少なくありません。

日々のペットフードにしても、安い商品よりも、彼らの健康のために、少しぐらい高くても品質の良いものを与えるのが飼い主の人情のようです。そうなると彼らも舌が肥え、安いものは食べてくれなくなっていきます…。

夏の熱いアスファルトの上や寒い冬に素足では可哀そうだと靴を履かせたり、肉球が肌荒れすれば、肌荒れ用のクリームも売っています。その薬用クリームを舐めてしまう彼らのためにオーガニックで無添加の商品を購入する…値段の高さもやむを得ません(笑)。

ペット関連産業には、主に次のようなものがあります。

● ペットそのものの販売
● ペットフード(ペットの年齢別に売っています!)、サプリメント
● ペット用品(トイレシートなどは生活必需な消費財)
● 動物病院、ワクチンなどの医薬品(狂犬病、フィラリア予防など必須)
● ドッグラン(犬が自由に走れる公園)、同伴旅行(一般の宿泊より値段が高い)
● トリミング(種類によっては必要不可欠)
● ペットホテル、ペットシッター
● ペット飼育世帯向け賃貸住宅/共同住宅、ペット可タクシー
● しつけや訓練のスクール
● 情報誌(雑誌など)
● ペットの医療保険
● ペットの老齢介護用品
● ペットの葬儀や墓地

例えば、犬を家族として迎えて、最低限の出費だけ並べても、役所に登録する費用(約3,000円)のほかに、狂犬病予防注射(約3,500円)、健康診断(約5,000~20,000円)、ワクチン接種(約15,000~30,000円)、その他生活用具(大きさにより約20,000~90,000円)がかかります。

生活のシーンでは、食費はもちろん、トイレのシートが1回に1枚、お散歩のときのフン尿始末用グッズなどの消費財のほか、フィラリア、ノミ・ダニ予防薬もほぼ毎月、旅行中のお留守番にはホテル・シッター費用、旅行に連れていく場合はペット可の高めの宿泊施設などなど…。

さらに、人間の家族よりも先に年を取るペットの老齢介護の分野でも需要は大きいようです。

先にみたように、ペット産業の経済規模は1兆5,000億円に迫っていますが、この規模は、2016年の国内オンラインゲーム(約1兆3,800億円)や健食サプリメント(約1兆5,600億円)に匹敵する市場規模となっています。

今後も、日本の少子高齢化は進む見込みであり、ペットが人間を癒し、家族となったペットを大事に思う気持ちは変わらず、むしろ、ますます深まっていくばかり。投資の神様といわれるウォーレン・バフェットが挙げる投資判断基準「10年、20年経ってもみんなが欲しいと思うものを作っているかどうか…」に当てはめれば、ペット業界はYESといえる産業ではないでしょうか。

ペット関連に注力している企業は沢山ありますが、ここではユニ・チャームを例に挙げてみます。

ユニ・チャームは、「持続可能な成長ストーリー」として五大戦略の一つに「ペットケア」を掲げています。犬や猫のフードのほか、人間用の衛生用品やオムツで培った技術を活用してトイレシートなどを提供しています。

2017年の決算では、売上高が全体の12.5%、このセグメントのコア営業利益は、前年度比31.9%増となっています。同社は、日本ではペットの高齢化が進むことで高付加価値商品を投入して安定的な成長を実現するほか、中国その他アジア地域や南米などでも所得の増加や高齢化が進むことで、世界的にも市場の拡大が続くとしています。

※デ-タ期間:2010年9月1日~2018年5月21日、デ-タは、2010年9月1日を100として指数化
※データ:Bloombergからのデータをもとに作成

ペットを飼っている投資家も、昔飼っていた投資家も、こんな着眼点で連想して銘柄を探してみるのはいかがでしょうか?