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投資信託のトレンドが分かる!

2018年6月 投資信託の資金フロー

提供元:三菱アセット・ブレインズ

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投資信託は個人の資産形成における中心的な金融商品として多くの人が利用している。投資信託の資金流出入などの動向は、資産形成を考えるうえで重要な情報だろう。

そこで、毎年1000ファンド以上の投資信託を評価・分析する三菱アセット・ブレインズより、以下で2018年6月における投信市場の動向(注)についてご紹介する。

(注)ETF、DC専用、SMA専用、公社債投信等を除いた公募投信

1.投信市場における資金の流出入動向

「株式ファンドへの流入拡大により、低水準ながらも流入額は拡大傾向」

6月の資金流出入動向は約1,110億の流入超と、前月から大幅に増加し、3ヵ月振りに1,000億円を超える水準を回復した。流入額は過去の水準と比べると依然として低位ではあるものの、足元では拡大傾向を示している。不動産投信や債券型ファンドからの資金流出が継続する一方、国内および外国株式ファンドへの流入額が先月から拡大し、資金流入をけん引した。

資金流入では、外国株式、複合資産、国内株式が資金を集めた。国内株式は4ヵ月振り、外国株式は5ヵ月振りに前月比増加となった。月末にかけ株価が軟調となったことで、押し目買いの好機と捉えた投資家による購入の動きが強まった。

資金流出では、前月に続き不動産投信、外国債券、ハイイールド債券から資金が流出した。米国の政策金利上昇への懸念から、依然として資金流出の流れが続いている。ただし、債券ファンドのなかでも欧州債券を投資対象とするファンドは3ヵ月連続の流入超となっている。流入をけん引しているのはバンクローンやABSといった債券種別に投資するファンドではあるが、欧州圏は米国と比べると金利先高感が弱いことなどが資金流入にプラスに働いているものと考えられる

個別ファンドでは、「次世代通信関連世界株式戦略ファンド」(三井住友トラスト)(約460億)が3ヵ月連続で1位となった。2位には6月新規設定の「ワールド・フィンテック革命ファンド(為替ヘッジなし)」(大和)(約370億円)、3位は前月に続き「グローバル・ハイクオリティ成長株式ファンド(為替ヘッジなし) 」(アセットマネジメントOne)(約310億円)がランクインした。また、設定後10年以上が経過しており、良好な長期の運用実績を有する国内株式ファンドを評価する動きも広がっている。

(図表1)主要資産の資金流出入動向(過去3ヵ月と直近月)

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2.投信市場のパフォーマンス動向

「好調な不動産市況や金利低下を受けて不動産投信型が上位に」

6月の株式市場は、米国発の貿易摩擦懸念が意識されたことで上値が重い展開となった。欧州ではイタリアの政局混乱など足並みの揃わないEU諸国の動向が懸念されたことも影響した。新興国では米ドル高による資本流出懸念の高まりに加えて、各国の政治経済の混乱が懸念され軟調に推移した。

債券市場は、日本では日銀の金融政策により低位で安定、米国では貿易摩擦懸念から金利は低下基調で推移した。欧州ではECB(欧州中央銀行)が来年夏まで政策金利の引き上げは行わないと発表したことから金利先高感が弱まった。

為替市場は、米ドル・円、ユーロ・円ともに小幅な円安となった。月前半は良好な経済指標を受けて安全通貨の円が売られる展開となったが、月末にかけて世界経済の下振れリスクが意識されると米ドル・円、ユーロ・円ともに軟調な推移となった。

これらを背景に、6月の投信市場では不動産投信のリターンが上位となった。不動産市況の好調さや米長期金利が3%を下回る水準で推移したことなどを背景に、2ヵ月連続でトップとなった。一方で新興国資産のリターンは低調となっている。政治情勢を巡る不透明感や通貨安の動きが懸念された。

個別ファンドでは、1ヵ月および6ヵ月リターンともに原油先物価格の上昇を受け「WTI原油先物ファンド(ロング・ポジション)」(アストマックス)がトップとなった。次いで、1ヵ月リターンでは不動産投信型が上位を席巻し、6ヵ月リターンでは医療機器やバイオ関連、AIやテクノロジー関連といったテーマ型の株式ファンドが上位に並んだ。

(図表2)パフォーマンス上位5資産のランキングと実績

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3.新規設定ファンドの動向

「設定本数は前月比同水準も、設定額は減少」

6月の新規設定は31本と前月(30本)と同水準であったが、設定額は約390億円と前月(約660億円)から減少した。決算回数別では年1回決算型が目立ち、毎月決算型は前月に続き0本であった。

設定額上位は、「ワールド・フィンテック革命ファンド(為替ヘッジなし)」(大和)が約167億円で最多となり、為替ヘッジあり(約38億円)と合わせ約200億円の資金を集めた。次いで「明治安田クオリティ日本株F(限定追加型・繰上償還条項付)」(明治安田)が約102億円の資金を集めた。同ファンドはTOPIX採用銘柄のうち10年以上にわたり増配している企業等で構成される「S&P/JPX配当貴族指数(トータルリターン)」をベンチマークとし、これを上回る投資成果を目指すファンドである。

(図表3) 新規設定金額、設定本数の推移

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最後に、6月の資金流入上位15ファンドを掲載しておく。

(図表4) 資金流入上位15ファンド一覧

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(三菱アセット・ブレインズ)

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