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2018年8月 投資信託の資金フロー

提供元:三菱アセット・ブレインズ

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投資信託は個人の資産形成における中心的な金融商品として多くの人が利用している。投資信託の資金流出入などの動向は、資産形成を考えるうえで重要な情報だろう。

そこで、毎年1000ファンド以上の投資信託を評価・分析する三菱アセット・ブレインズより、以下で2018年8月における投信市場の動向(注)についてご紹介する。

(注)ETF、DC専用、SMA専用、公社債投信等を除いた公募投信

1.投信市場における資金の流出入動向

「前月の流出超から2ヵ月振りの水準を回復、外国株式への流入が拡大」

8月の資金流出入動向は約1,240億円の流入超と、前月の流出超から2ヵ月振りの水準を取り戻した。新規設定や株価の上昇を背景に外国株式への流入額が拡大した一方、不動産投信(REIT)や債券関連ファンドから資金が流出した。

資金流入では、外国株式(約2,700億円)、複合資産(約1,030億円)、国内株式(約430億円)への流入が継続した。月後半に貿易摩擦懸念がやや後退したことで投資家のリスク回避姿勢が弱まり株価が上昇したことや、外国株式の新規設定ファンドが多額の資金を集めたことがプラスに働いた。

資金流出では、前月に続き不動産投信(約950億円)、外国債券(約890億円)、ハイイールド債券(約680億円)から流出した。国内債券(約53億円)についても、日銀による長期金利誘導目標の柔軟化を受けて長期金利が上昇基調となったことが影響し、前月比で流出額が拡大した。米国中心に金利上昇を懸念する見方が根強く、2018年1月以降全ての債券カテゴリーにおいて資金流出が継続している。

個別ファンドでは、当月新規設定の「グローバル・ハイクオリティ成長株式ファンド(年2回・ヘッジなし) 」(AM-One)(約1,020億円)が1,000億円超の資金を集め1位となった。2位は6月設定の「フューチャー・バイオテック」(三井住友) (約380億円)、3位は同じく6月設定の「ブル3倍日本株ポートフォリオⅤ」(大和)(約330億円)がランクインした。

また、6位に入った「次世代通信関連世界株式戦略ファンド」(約220億円)(三井住友トラスト)は、世界の通信技術の発展によって業績面で恩恵を受けることが期待される企業の株式に投資を行うファンドであり、昨年12月の設定後も安定的に資金を集め、純資産残高は2,000億円に達した。

8月の資金流入上位5ファンドのうち4ファンド、上位10ファンドのうち6ファンドは外国株式関連ファンドが占めている。

(図表1)主要資産の資金流出入動向(過去3ヵ月と直近月)

1※合計には、グラフ表示していない、その他資産も含む

2.投信市場のパフォーマンス動向

「外国株式、REITがプラスのリターンを確保」

8月の金融市場は、月前半は米中貿易摩擦懸念や米国トルコ間の関係悪化によるトルコリラ急落を発端とした新興国不安などからリスク回避の動きが広がったが、月後半は米国メキシコ間の貿易交渉の大筋合意などを受け貿易摩擦懸念がやや後退したことから投資家のリスク回避姿勢が弱まった。

株式市場は、貿易摩擦懸念がやや後退したことや堅調な企業決算などが好感され、米国を中心に株価は上昇した。一方、イギリスのEU離脱交渉やイタリアのポピュリズム台頭といった政治リスクを抱える欧州や、トルコ発の通貨安による不安が広がった新興国では株価は軟調な推移となった。

債券市場は、各国において長期金利は低下傾向となった。貿易摩擦懸念や新興国不安によりリスク回避の動きが強まったことから、債券が買われ金利は低下した。

為替市場は、米ドル・円は前月末比で横ばいとなった一方、不安定要素の多いユーロでは小幅な円高で取引を終えた。

これらを背景に、8月の投信市場では外国株式がリターン上位となった。月後半に米中貿易摩擦の改善期待が高まったことやメキシコとの貿易交渉が大筋合意したことを受けて投資家のリスク回避姿勢が弱まり米国を中心に株価が上昇した。良好な米不動産市況を背景に不動産投信(REIT)もプラスのリターンを維持した。

他方で、エマージング資産のリターンは下位となった。トルコ発の通貨安懸念や、政治経済の両面において不安定要素の多いブラジルがマイナスに影響した。

個別ファンドのリターンでは、米国中心に外国株式関連ファンドが上位を席巻した。上位15ファンドの約半数は、AI関連や情報技術関連、医療関連といったテーマ型ファンドなどが占めている。

6ヵ月のリターンでも、外国株式、不動産投信関連ファンドが上位となった。両カテゴリーでは2018年4月以降プラスのリターンが継続している。

(図表2)パフォーマンス上位5資産のランキングと実績

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3.新規設定ファンドの動向

「設定本数、設定額ともに微減」

8月の新規設定は26本と前月(29本)から減少し、設定額も約760億円と前月(約820億円)から小幅に減少した。資産別では、外国株式型が本数で全体の半分、設定額で全体の9割超を占めた。

設定額をけん引したのは、8月1日設定の「グローバル・ハイクオリティ成長株式ファンド(年2回・ヘッジなし)」(AM-One)で、同ファンドの限定為替ヘッジ型と合わせて約700億円の資金を集めた。次いで月末(8月31日)に設定された「人生100年時代・世界分散ファンド」(三井住友)がシリーズ合計で約30億円の資金を集めた。同ファンドは決算頻度、資金払い出し割合の違いにより、「資産成長型」「3%目標受取型」「6%目標受取型」の3つのコースで構成されている。

(図表3)新規設定金額、設定本数の推移

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最後に、8月の資金流入上位15ファンドを掲載しておく。

(図表4)資金流入上位15ファンド一覧

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(三菱アセット・ブレインズ)

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