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投資信託のトレンドが分かる!

2018年9月 投資信託の資金フロー

提供元:三菱アセット・ブレインズ

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投資信託は個人の資産形成における中心的な金融商品として多くの人が利用している。投資信託の資金流出入などの動向は、資産形成を考えるうえで重要な情報だろう。

そこで、毎年1000ファンド以上の投資信託を評価・分析する三菱アセット・ブレインズより、以下で2018年9月における投信市場の動向(注)についてご紹介する。

(注)ETF、DC専用、SMA専用、公社債投信等を除いた公募投信

1.投信市場における資金の流出入動向

「僅かながら資金流出超」

9月の資金流出入動向は約600億円の流出超と、2ヵ月振りに再び流出超に転じた。国内株式において相場の上昇局面を捉えた利益確定売りの動きが強まったことが影響した。

資金流入では、外国株式(約1,700億円)、複合資産(約720億円)、外国債券(約10億円)に資金が流入した。

外国債券は2017年12月以来9ヵ月振りに資金流入超に転じたが、当月に新規設定された「GS社債/国際分散投資戦略ファンド2018-09」(AM-One)が800億円を超える資金を集めたことが大きく寄与した。

資金流出では、国内株式(約1,000億円)、不動産投信(約700億円)、ハイイールド債券(約570億円)の順に資金が流出した。

国内株式では日経平均株価がバブル期以来の高値を付け、利益確定売りの動きが強まったことにより、2017年10月以来11ヵ月振りに流出超となった。特に、インデックス(パッシブ)ファンドの流出額の増加が顕著だった。

また、米国の金利上昇や保護主義政策による影響から資金流入が縮小傾向となっていたエマージング株式も2017年3月以来となる資金流出超に転じた。

個別ファンドでは、既掲の新規設定「GS社債/国際分散投資戦略ファンド2018-09」(AM-One)(約840億円)が1位となった。2位は1999年11月設定の「GS・ネットウィン B」(GS) (約310億円)、3位は前月2位であった「フューチャー・バイオテック」(三井住友)(約310億円)がランクインした。

また、純資産残高上位の顔ぶれにおいて、「ひふみプラス」(レオス)が新光US-REITオープンを上回って3位となった。

(図表1)主要資産の資金流出入動向(過去3ヵ月と直近月)

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※合計には、グラフ表示していない、その他資産も含む

 

2.投信市場のパフォーマンス動向

「国内株式がリターン上位に」

9月の金融市場は、トルコ中央銀行による利上げをきっかけに新興国の通貨に対する懸念が和らいだことや、米中二国間の貿易協議再開の可能性が取り沙汰されたことで、相場は上昇基調で推移した。

株式市場は、日米ともに株高が進行した。日本では日経平均株価がバブル期以来の高値水準に到達し、米国でもニューヨーク・ダウを始めとする株価指数は最高値を更新した。

一方、イタリアの財政懸念や英国のEU離脱問題を抱える欧州では株価が横ばいで推移した。新興国では、トルコ中央銀行の大幅利上げを好感し、月末にかけて下げ幅を縮小した。

債券市場は、世界経済の先行き懸念が和らいだことから各国において長期金利が上昇した。日本では、日銀が国債買入オペの減額を通知したことを受け金利が上昇した。

為替市場は、米ドル・円、ユーロ・円ともに円安となった。米トランプ大統領の発言から円高が進行する局面があったものの、その後は、投資家のリスク回避姿勢が弱まり円を売る動きが強まった。

これらを背景に、9月の投信市場では国内株式がリターン上位となった。米中貿易摩擦や新興国に対する懸念が和らいだことや、自民党総裁選で安倍首相の続投が決まったことを好感した。

一方で国内債券のリターンは下位となった。日銀が国債買入オペの減額を通知したことなどを受けて金利が上昇し、リターンはマイナスとなった。

個別ファンドの1ヵ月リターンでは、堅調な国内株式市場を反映し国内株式ブル型が上位となったことに加えて、トルコリラ建ての債券ファンドが上位となった。トルコ情勢が落ち着きを取り戻したことで、トルコリラが上昇に転じたことが寄与した。

もう少し長い期間の6ヵ月リターンに目を向けると、上位には外国株式における医療関連ファンドが並んでいる。

(図表2)パフォーマンス上位5資産のランキングと実績

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3.新規設定ファンドの動向

「外国債券ファンドが800億円超の大型設定」

9月の新規設定は29本と前月(26本)から増加し、設定額も約1,100億円と前月(約760億円)から増加した。新規設定額が1,000億円を超えたのは2018年1月以来、8ヵ月振りである。

設定額をけん引したのは「GS社債/国際分散投資戦略ファンド2018-09」(AM-One)(約840億円)。同ファンドはゴールドマン・サックスが発行する円建ての仕組債への投資を通じ、満期時の元本確保と運用収益の獲得を目指す。

10年間保有することで元本確保を目指しつつ、さらに収益上積みの機会を提供する点は目新しく、一連の商品スキームについては特許出願がなされている。

(図表3)新規設定金額、設定本数の推移

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最後に、9月の資金流入上位15ファンドを掲載しておく。

(図表4)資金流入上位15ファンド一覧

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(三菱アセット・ブレインズ)

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