最近注目を集める米ドル建て債券
提供元:JTG証券
魅力が高まる米ドル建て債券
2015年12月から開始された米連邦準備理事会(FRB)による段階的な政策金利の引き上げにより、米国長期金利は上昇してきました。
今年の10月には10年物国債利回りが約7年3か月ぶりに3%を超える水準に達したことが話題となるなど、現在、主要先進国の中で米国の金利が最も高くなっており、相対的に米ドル建て債券の魅力が高まってきています。
米ドル建て債券の種類
米ドル建て債券の代表格は米国国債です。世界一の経済大国である米国が発行する債券ですので、元本の支払いや利払いについては高い信頼感があり、安定性の高い資産といえます。
それに加えて、欧州の先進国や日本などが発行する国債より利回りが高いことから、投資対象として米国国債に注目が集まってきています。
また、米ドルは基軸通貨ですので、さまざまな種類の債券が米ドル建てで発行されています。
たとえば、新興国は信用力が十分でないため自国通貨建ての国債を発行できない国もありますし、発行できる国でも自国通貨の信用力の弱さを補うため、信用力の高い米ドル建てで国債を発行することがあります。
新興国の米ドル建て国債は、自国通貨建ての国債と比べると、米国債利回りが基準となるため利回りが低くなります。ただし、米ドル建て債券としては、米国との信用力の違いが利回りの差に反映するため、利回りが米国国債より高くなることが多くなっています。
企業活動のグローバル化の進展に伴い、日本企業による米ドル建て社債の発行も増加しています。
これは、企業の外貨需要の増加とともに、近年では米国の金利上昇による米ドルの調達コストの上昇を見込んで、早めに米ドルを調達しようとする動きによるものです。
投資家の立場から見ると、円建てで発行される社債と比べ、米ドル建て社債は日米の金利差を反映した高い利回りとなるため、日本企業が発行する社債の中でもより魅力的な投資対象となっています。
米ドル建て債券と為替リスク
米ドル建て債券への投資では、当然為替の影響を考慮しなければなりません。為替が対ドルで円安になれば米ドル資産の価値は上がり為替差益が生じますが、一方で円高になれば米ドル資産の価値は下がり為替差損が生じます。
ただし、外貨建MMFを活用することで、柔軟な資産運用が可能になります。
米ドル建て債券の利金や償還金を米ドルで受け取りそのまま外貨MMFを購入し、タイミングを見て他のドル建て金融商品の買付に充当したり、円安になった時に円貨に戻したりすることで、その都度の為替手数料の負担もなく、投資の選択の幅を広げることができます。
米ドルに関する情報量の豊富さ
外国債券の投資にあたっては、投資対象の通貨に関する情報が重要となりますが、米ドル建て債券の投資ではその点はとても恵まれています。
米国の政治・経済の情報は、世界のどの国の情報よりも報道されており、トランプ大統領の動向がトップニュースで取り上げられることも少なくありません。
また、ドル円の為替レートは1日のニュースの中で何度も伝えられ、その日の為替相場が円高・円安のどちらに動いているか日常的に把握できます。
国際分散投資の第一歩は米ドル建債券で
資産運用においては分散投資によりリスク分散を図ることが重要だといわれます。株式、債券、投資信託といった商品を分散させる方法とともに、投資対象とする国や通貨を分散させることもその方法の一つです。
これを国際分散投資といいます。現在では経済成長率の低い日本だけに投資対象を限定することは、資産運用としては逆にリスクを抱えることになるとも考えられます。
まずは、魅力の高まっている米ドル建て債券を運用資産に組み入れることにより、国際分散投資の第一歩を検討されてみてはいかがでしょうか。
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