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投資信託のトレンドが分かる!

2019年3月 投資信託の資金フロー

提供元:三菱アセット・ブレインズ

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投資信託は個人の資産形成における中心的な金融商品として多くの人が利用している。投資信託の資金流出入などの動向は、資産形成を考えるうえで重要な情報だろう。

そこで、毎年1000ファンド以上の投資信託を評価・分析する三菱アセット・ブレインズより、以下で2019年3月における投信市場の動向(注)についてご紹介する。

(注)ETF、DC専用、SMA専用、公社債投信等を除いた公募投信

1.投信市場における資金の流出入動向

「2ヵ月連続の資金流出超」

3月の資金流出入動向は約490億円の流出超と、2ヵ月連続の資金流出超となった。国内株式と不動産投信が2ヵ月振りに流入超に転じたことで、流出規模は前月(約2,660億円)から大幅に縮小した。

資金流入では、国内株式(約612億円)、複合資産(約380億円)、エマージング債券(約120億円)、国内債券(約120億円)、不動産投信(約88億円)に資金が流入した。継続的に流出超ないし横ばいとなっていた国内債券が、約1年半ぶりに100億円を超える資金流入となった。

昨年末の株価の大幅下落以降、不安定な相場環境が継続していることから、低リスクの国内債券で運用するファンドに相応の資金が流入したと考えられる。また、好調な不動産市況に加えて低金利環境が続いていることで、国内REITへの注目度が高まっている。

資金流出では、外国株式(約670億円)、エマージング株式(約404億円)、外国債券(約404億円)、ハイイールド債券(約362億円)で資金が流出した。世界経済の先行き不透明感が意識される中、外国株式を中心に先月に引き続き大きく資金流出しているほか、エマージング株式、ハイイールド債券も流出幅を広げた。

個別ファンドの資金流入では当月の新規設定ファンド「(早期償還条項付)野村ハイベータ日本株1903」(野村)(約750億円)が2位と大差をつけて1位となり流入額をけん引した。また2位にランクインした「ピクテ・グローバル・インカム株式F(毎月分配型) 」(ピクテ)(約248億円)が純資産残高上位に迫る勢いで、着実に資金を集めている。

(図表1)主要資産の資金流出入動向(過去3ヵ月と直近月)

※合計には、グラフ表示していない、その他資産も含む
※合計には、グラフ表示していない、その他資産も含む

 

2.投信市場のパフォーマンス動向

「好調な不動産市況や金利低下を受け不動産投信(REIT)が上位に」

3月の金融市場は、米雇用統計の発表で非農業部門雇用者数の伸びが低調であったことや、主要経済指標の悪化を受けてFRB(米連邦準備理事会)が利上げの年内見送りを示唆するなど緩和姿勢に転じたことで、世界的な長期金利の低下が目立った。

株式市場は、軟調な経済指標の発表が相次いだことや、米国の長短金利差が一時マイナスとなったことから、月中には大きく不安定化する局面がみられた。世界経済の先行き不透明感が意識されたが、日米欧の中央銀行が緩和的な金融政策スタンスを維持していることや米中貿易協議の動向を巡る期待感が相場を下支えし、月中の下落は一時的なものにとどまった。

債券市場は、世界的に長期金利が低下し、債券価格は上昇した。米国を始めとする世界の中央銀行が緩和的な姿勢を強めるとの観測から、月半ばから後半にかけて、急速に金利の低下幅が拡大した。

為替市場は、米ドル・円が横ばい、ユーロ・円は円高となった。ECB(欧州中央銀行)が年内利上げを見送ることに言及し、利上げ観測が大きく遠のいたことからユーロは対ドル、対円ともに下落した。

これらを背景に、3月の投信市場では、不動産投信、国内債券、外国債券のリターンが上位となった。米国を中心に金利が急低下したことから堅調に推移した。特に不動産投信は金利に対する感応度が高く、市場予想を大きく上回る金利低下が追い風となった。

他方で、国内株式、外国株式のリターンはほぼ横ばいだった。世界経済への警戒感や米中合意への期待などの思惑が交錯し、一進一退の株式相場となった。

直近1年間でみると、不動産投信のリターンが堅調に推移している。不動産市況が好調だったことから、株式を上回るリターンを示している。個別ファンドの1ヵ月リターンでは、インド軍のパキスタン空爆によるモディ政権の支持率回復から、インド株式ファンドが上位を占める結果となった。

(図表2)パフォーマンス上位5資産のランキングと実績

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3.新規設定ファンドの動向

「設定本数・設定額ともに大幅に増加」

当月の新規設定は31本と前月(10本)から大幅に増加し、設定額も約1,240億円と前月(約170億円)から大幅に増加した。設定額をけん引したのは「(早期償還条項付)野村ハイベータ日本株1903」(野村)である。

当月の資金流入上位ファンドにランクインした、新規設定4ファンドが設定額の約9割を占める結果となった。

(図表3)新規設定金額、設定本数の推移

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最後に、3月の資金流入上位15ファンドを掲載しておく。

(図表4)資金流入上位15ファンド一覧

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(三菱アセット・ブレインズ)

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