令和を勝ち抜くために学ぶべき「平成マーケットの歴史」
提供元:三菱UFJモルガン・スタンレー証券
このところ「令和時代の投資戦略」といった言葉を見かける機会が多い。しかし、未来を知るためには歴史に学ぶことが重要だ。平成の30年間は、マーケットにとってどんな時代だったのだろうか?
平成元年は、国内のマーケットにとって記録に残る年だ。平成元年末に日経平均が記録した3万8,915.87円はいまだに更新されていない史上最高値。高度経済成長期を終えた日本経済だが、年率4%台の安定成長を続けていた。2012年以降持ち直している日本の株価だが、現在の株価はまだその半分程度の水準に過ぎない。
一般家計にとって、それ以上に大きいのが金利の変化ではないだろうか?平成元年の10年国債の利回りは4~5%台。代表的な貯蓄商品であった郵貯の定額貯金に満期の10年間預けた場合、年平均利回りは5%を超えていた。確かに地価の上昇は急だったが、1989年の消費者物価の上昇率は2.3%。「財テク」とは無縁だった人でも、お金は預けておけば勝手に増えていく時代と言える。ちなみに米国債の利回りは当時9%を超えていた。
しかし、平成の間にこの環境は一変した。日本は低成長・デフレに突入。2008年の米金融危機、2010年以降の欧州債務危機を経て、マイナス金利やゼロ金利が常態化。普通預金や個人向け国債などの金利もほぼ下限に貼り付いたまま。日本では、「金利では、お金は増えない」というのが常識になりつつある。一方で、金や原油の米ドル建て価格は、平成の間にほぼ3~4倍となっている。
日本以上に変わった世界
日本以上に大きく変化しているのが世界だ。下の図は名目GDPの国別・地域別シェア(ドル換算)を30年前と比較したもの。変わらないのは米国の1位だけで、様変わりしていると言っていいだろう。
日本の2割強の経済規模でしかなかった中国経済が2位へと躍進したことに代表されるように新興国経済の存在感が大きく増している。つまり、これらの国々は経済が大きく成長し、豊かになったということだ。
30年前には「なかったもの」もたくさんある。例えば世界2位の流通量を誇る通貨であるユーロの流通開始は2002年から。インデックス運用の代表的な商品の一つ、ETF がはじめてカナダのトロント取引所に上場したのは1990年。その残高は4.6兆米ドルに達し、投資信託残高の約1割を占めている。インターネット証券はもちろんない。インターネットの商用開始自体が1990年からだ。
このように平成の30年間で世界の経済・市場は大きく変化してきた。30年間は物事を考えるには長すぎるスパンだと感じる人も多いかもしれないが、いまは人生100年時代。その3分の1にも満たないのだ。例えば、あなたがいま65歳で引退を迎えた方だとしても、30年後にまだ生きている可能性は高まりつつある。
未来を予測することは難しいが、大きな変化やそしてその中での成長を逃さないためには、幅広い分野に目配りをしておくことが重要だろう。投資で言えば、国際分散投資。特に新しい分野を積極的に取り入れる姿勢が重要だ。
その時に「目」や「耳」となる、頼れるパートナーとして、証券会社を活用してみてはどうだろうか。
(提供元:三菱UFJモルガン・スタンレー証券)