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おトクに隠れたメーカーの戦略!

定額制サービスのビジネスモデル

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音楽、動画など、一定額を支払えば、見放題・聴き放題になるサブスクリプション(定額制)サービス。ひと昔前はパッケージで購入しないと1作品も味わえなかっただけにお得な気分になる。しかし、なぜこれほど安く、大量に提供できるのだろう? そこにはメーカー側の戦略が隠れている。サブスクリプションサービスのビジネスモデルの構造をみていこう。
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サブスクリプション(定額制)サービスが普及した背景には、大きく3つの要素が考えられる。まずは定額制サービスの代表格とも言えるコンテンツの視聴環境が劇的に変化したことだ。それまで専用デバイスを必要としていたが、スマートフォン・パソコンの普及によりデータ配信が一般化し、プロダクトによるパッケージ販売の必要性が薄れた。

さらに、これに拍車をかけたのが、シェアリングエコノミーの波とともに広まった「モノ消費」から「コト消費」へのユーザー意識への変化である。90年代以前の大量消費の反動からか、 所有欲が低くなっている。

また、景気不況と意識変化も相まって、モノが売れにくくなったことから、メーカー側はより安定的な収益を求めるようになり、定額制サービスへと参入するようになった。
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上記のように、定額制サービスはプロダクト販売型と比較して、コスト面・収益面ともに音楽メーカーのメリットは大きい。2000年代にはすでに、デジタル配信は実施されていたが、ユーザー心理として「プロダクト(CD)として所有できない」ことへの不満が大きく、日本の市場では下火であったことは否めず、メーカーもプロダクト販売に頼らざるを得なかった。

そんななか、定額制サービスでは1楽曲の購入ではなく、聴き放題というユーザーへのメリットが功を奏して普及。さらに楽曲販売開始から時間が経っても、収益化ができることから音楽メーカーは本格参入することになった。これは今まで「売り切り型」に近かった楽曲が、「資産化」されることを意味しており、音楽メーカーが多様な楽曲の提供に前向きになる要素となったことも意味する。

なお、内実としては定額サービス型に完全移行したわけではなく、大きく収益を狙える「販売型」と「定額制」を両軸として収益化を図っている場合が多いと考えられる。
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音楽や動画などのコンテンツ配信系サービスが爆発的に増えたため、「サブスクリプションサービス」という言葉が一気に認知された。しかし、業態や提供するサービスによって、その提供構造や裏側にある企業のビジネス的な狙いは様々だ。とくにプロダクトレンタル系や店舗サービス系は、従来から利用されてきたサービスと大差がないことも多い。

現在は多様なプロダクトやサービスに安価に触れられる選択肢が増えたが、安易に飛びつかず、そのサービスによりどんなメリット・デメリットがあるかを吟味して利用するかどうかを判断しよう。

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