投資で得た利益には「所得税」&「住民税」が課される

知っておきたい「投資と税金」の基礎知識 Part.1

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投資は、元本を下回るリスクがあるが、大きく上回る可能性も秘めている。しかし、その利益がすべて手元に入ってくるわけではないことを、注意しておきたい。

投資で発生した利益には、税金が課される。つまり、税金を除いた金額が、手元に残るというわけだ。では、具体的にどのくらいの税金がかかるのだろうか。

株式投資に詳しい公認会計士・税理士の足立武志さんに、投資にかかる税金について教えてもらった。

債券や株式の売買そのものには「消費税」はかからない

「もっとも身近な税金といえば消費税ですが、債券や株式などの売買そのものには消費税はかかりません」(足立さん・以下同)

法令でも「国債や株券などの有価証券、登録国債、合名会社などの社員の持分、抵当証券、金銭債権などの譲渡」は「非課税取引」に当たると、記載されている。

「ただし、株式などを売買する際に、証券会社に支払う手数料には消費税10%がかかります。とはいっても、近年、手数料は安くなってきているので、日に何度も売り買いするデイトレーダーでなければ、負担に感じるほどではないでしょう」

利益に課される税金は20%以上

では、利益が出た場合には、どの程度の税金がかかってくるのだろうか。

「投資を通じて利益が出たり、上場株式の配当金が支払われたりする際には、その利益や配当金に所得税と住民税が課されます」

それぞれの税率は、所得税及び復興特別所得税が15.315%、住民税が5%。合計20.315%の税金が課される。例えば、30万円の利益が出たとすると、6万945円の税金が課されるため、手元に残る金額は23万9055円。

「給与以外に所得がないサラリーマンの場合、投資の利益(源泉徴収されたものは除く)が年間20万円以下であれば、所得税の確定申告は必要ありません。もし20万円を超えた場合は、所得税の確定申告が必要となります」

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非課税の「特別分配金」は“利益”ではない

投資信託の決算時に支払われる分配金も、課税の対象となる場合がある。

「分配金は、税金が課される『普通分配金』と非課税扱いの『特別分配金(元本払戻金)』の2種類があります」

分配金が支払われた後の投資信託の基準価額が、個別元本(購入時の価格)と同額または上回る場合、分配金はすべて「普通分配金」となり、所得税・住民税合わせて20.315%が課される。

分配金が支払われた後の基準価額が、個別元本を下回る場合、個別元本と分配後の基準価額の差額が「特別分配金」となり、この分は非課税。分配金の「特別分配金」以外の残余部分は「普通分配金」となり、課税対象となる。

「投資信託の取引報告書を見なければ、『普通分配金』か『特別分配金』はわかりません。分配金に税金がかからずラッキーかと思いきや、実際は元本が取り崩されて戻ってきていただけということもあるので、報告書はしっかりチェックしましょう」

投資で得た利益も所得の一部となるため、給与と同様に所得税や住民税が課される。利益が20万円を超えそうな大きな投資を考えている場合は、税金の取り扱いについて確認しておきたい。
(有竹亮介/verb)

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