2019年度「気候変動Aリスト」発表!日本企業は38社が選出され、初めて世界トップに!
「ESG」
今や、新聞などで、このワードを見ない日がないほど、日本でも浸透してきており、企業の持続的な成長は、E(環境)、S(社会)、G(ガバナンス)の観点こそが重要だ、といわれているが、この程、「E(環境)」にフォーカスしたレーティングである「気候変動レポート(2019年版)」が公表された。
「気候変動レポート」は、環境情報開示に取り組む国際的な非営利団体のCDPが発表するレポートで、その活動は、世界中の機関投資家が賛同しており、近年の「ESG」の浸透とも相まって、世界で大きな注目を浴びている。
CDPの気候変動に関する調査は、企業の温室効果ガス排出量と気候変動緩和対策、情報開示等の取組みを調査するもので、CDPの質問状に対する企業の回答内容に基づき、「A」から「Dマイナス」まで8段階で評価され、公表される。気候変動に関する戦略や対応、情報開示が特に優れ、グローバルリーダーとして最高評価された企業が「A」として選定される。
さて、今回発表された2019年度報告書の結果は、日本にとって、大変意義深いものとなった。それは「気候変動Aリスト」を獲得した国別の企業数で、日本が環境先進国の欧米諸国を上回り、初めて世界トップに躍り出たのである。
「気候変動Aリスト」は、調査回答企業約8,400社のうち179社、率にして僅か2%相当という比率のとおり、極めて厳しい選定基準を満たした評価の高い企業のみが選定される。
今回の報告書において、日本は、米国35社、フランス22社、英国10社を上回る、38社もの企業が獲得する結果となり、日本企業が環境問題をいかに重要視し、真剣に取組んでいるのかを世界にPRすることができたといえる。
「気候変動Aリスト」に選定された、日本企業のセクター別一覧を以下に示しておく。
CDPは2019年現在、運用資産規模で96兆ドルに達する525強の機関投資家と、購買力規模で3.6兆ドルに達する125の購買企業が賛同しており、世界の時価総額50%強となる8,400強の企業がCDPを通じて環境問題対策に関する情報開示するなど、その重要性は年々高まっている。
このCDPを強く意識しながら投資をしているのが欧米の機関投資家であり、多くが、気候変動をポートフォリオの重要なリスク要因に位置づけ、投資で優先すべき事項の一つに掲げている。こうした観点を気にしながら投資を実践している機関投資家が存在しており、この流れが急速に世界に拡大している点についても注目してみたい。
CDP 気候変動レポート2019日本版の詳細はこちらから。
(東証マネ部!編集部)