カードの申請から発効まで、2カ月もかかる!?
最大5000円分の「マイナポイント」取得のため、マイナンバーカード申請は今すぐが吉!
9月から始まる「マイナポイント」。マイナンバーカードをキャッシュレス決済と連携すると、利用額の25%(上限5000円)が還元されるという制度。交通系電子マネーのチャージも対象となっているため、かなり使い勝手のいい制度といえそうだ。
利用するために必要なマイナンバーカードは、申請から交付までに1カ月程度かかるというが、「マイナポイント」の期限は2021年3月末まで。まだ、焦らなくてもいいだろう。
「実は、もう既に焦るべきタイミングなんです。まだマイナンバーカードを持っていない人は、今すぐに申請した方が賢明ですよ」
そう教えてくれたのは、ファイナンシャルプランナーで社会保険労務士の川部紀子さん。そもそも制度のスタートもまだ先の話。なぜ、申請を急ぐ必要があるのだろうか?
「マイナポイント」の予約手続きは8月末まで!?
「『マイナポイント』を取得するためには、8月末までに3つの手続きを済ませる必要があるから。その手続きとは、(1)マイナンバーカードの取得、(2)マイナポイントの予約、(3)キャッシュレス決済の登録です」(川部さん・以下同)
「マイナポイント」の付与期間である2020年9月1日から2021年3月31日までの間に動いたのでは、遅いというのだ。
「以前まで、『マイナポイント』の公式サイトに『8月末までの登録が必要』と記載されていたのですが、現在はその文言が削除されています。もしかしたら登録期限の延長を検討しているのかもしれませんが、公的に発表されていない以上、8月末がリミットだと思って動いた方がいいでしょう」
マイナンバーカード申請から交付までは「2カ月」
ただ、マイナンバーカードは申請から交付まで1カ月程度のはず。まだ焦らなくてもいいのでは?
「特別定額給付金のオンライン申請で注目を集め、さらに今回の『マイナポイント』の影響もあり、マイナンバーカードの申請が混み合っているため、申請から1カ月以上はかかると考えましょう。カードができると交付通知書が自宅に届き、それを持って役所に取りに行かなければいけませんが、すぐに行けない人も多いでしょう。その期間も含めて、2カ月程度かかることもあるんです」
8月末までに手続きを終えなくてはいけないことから考えると、マイナンバーカードの申請は今が駆け込みギリギリのタイミングといえる。とはいえ、まだの人は急いで申請するにこしたことはない。…そもそも、どのように申請すればいいのだろうか。
「数年前に役所から届いた『個人番号カード交付申請書』を準備しましょう。そこに書かれている23桁の申請IDとQRコードを使って、パソコンやスマートフォンから申請できます。申請自体は1~2分で完了できますよ」
「個人番号カード交付申請書」が届いた記憶はあるものの、どこに保管してしまったか思い出せないという人もいるかもしれないが、心配はいらないそう。
「『個人番号カード交付申請書』を失くしたとしても、住んでいる自治体の役所に電話すれば、無料で再発行してもらえます。自治体にもよりますが、大抵はすぐに郵送で送ってくれるので、待たされることもないでしょう」
申請時に必要なものは、「個人番号カード交付申請書」以外にもあるという。券面に載る顔写真だ。
「スマホでの自撮りでもOKですが、最近6カ月以内に撮影したもので、正面、無帽、無背景で、顔周りに余白を作ることがポイントです。これらの不備で再申請を求められるケースは多いので、規定通りに撮ることが重要。街中の証明写真機には、撮影と申請の両方ができるものもありますよ」
カードが交付されたら、すぐ「マイキーID」を取得
マイナンバーカードが手に入っただけでは、手続きは完了していない。(2)マイナポイントの予約を、すぐに行うべきだという。
「既にマイナンバーカードを持っている人も、マイナポイントの予約を把握していない人は多いです。この予約とは、『マイキーID』というアカウントの取得を意味していて、パソコンやスマホですぐに行えます」
スマホの場合は、「マイナポイントアプリ」をダウンロードし、アプリを立ち上げた状態でマイナンバーカードの上にスマホの上部を乗せて設定すると、「マイキーID」が取得できる。ただし、カードの読み取りに対応していない機種もあるので要注意。
パソコンの場合は、「マイキープラットフォーム」というサイトにアクセスし、マイナンバーカードを読み取ると「マイキーID」が取得できる。カードの読み取りには、IDカードリーダライタが必要。
もし、スマホでもパソコンでもマイナンバーカードが読み取れない場合は、自治体ごとにマイナポイント手続きスポットを準備している。専用サイトで検索してみよう。
マイナポイント手続きスポット検索
https://mynumbercard.point.soumu.go.jp/reserve_search/
「『マイキーID』を取得していないと『マイナポイント』は受け取れないので、忘れずに登録しましょう。その次のステップ(3)キャッシュレス決済の登録は、7月以降にスタートするので、改めてご紹介しますね」
最大5000円分も還元される「マイナポイント」。利用しない手はないだろう。まだマイナンバーカードを持っていない人は、できるだけ早く申請しよう。
(有竹亮介/verb)
<合わせて読みたい!>
「マイナポイント」が付与されるキャッシュレス決済サービスはコレ
関連リンク
川部紀子
FP・社労士事務所川部商店代表、ファイナンシャルプランナー、社会保険労務士。日本生命保険相互会社に8年間勤務し、営業の現場で約1000人の相談・プランニングに携わる。2004年、30歳の時に起業。個人レクチャー・講演の受講者は3万人を超えた。著書に『まだ間に合う 老後資金4000万円をつくる! お金の貯め方・増やし方』など。