“ログインパスワード忘れ”だけが原因ではなかった!?

「マイナンバーカード」でオンライン申請できない理由

TAGS.

特別定額給付金のオンライン申請で、一躍注目を集めた「マイナンバーカード」。9月から始まる「マイナポイント」の申請にも必要なため、これから申請しようと考えている人もいるだろう。

<合わせて読みたい!>
「マイナポイント」が付与されるキャッシュレス決済サービスはコレ

特別定額給付金申請の際には、ログインパスワードを忘れてしまったためにログインできず、オンライン申請できないというケースが多く見られた。カード発行時に設定するパスワードは、必ず控えておくという教訓になったことだろう。

実は、マイナンバーカードには、ログインパスワードとは別にもう1つ重要なパスワードがあるようだ。ファイナンシャルプランナーで社会保険労務士の川部紀子さんに、マイナンバーカードを使った電子申請における注意点を教えてもらった。

「署名用電子証明書が失効しています」という案内に注意

「私の友人の話なのですが、特別定額給付金のオンライン申請を行おうとした際、マイナンバーカードを持っていてログインパスワードも合っているのに、申請できなかったそうなのです」(川部さん・以下同)

オンライン申請のために「マイナポータル」というサイトにログインし、振込先などをすべて入力したにもかかわらず、「署名用電子証明書が失効しています。市区町村の窓口で電子証明書の発行手続きを行ってください。」という案内が出て、申請できなかったのだとか。

「別の地域に住む友人からも、同様の話を聞いたので、一部の役所に問題があるわけではないようです。案内に出ていた『署名用電子証明書』というものが、ポイントだと考えらえます」

「署名用電子証明書」失効の理由は“住所変更”かも!?

マイナンバーカードは、ICチップの中に電子証明書(パスワード)が搭載されているため、オンライン申請などにも利用できる。そして、その電子証明書は2種類存在するそう。

「1つは、『マイナポータル』などにログインするために必要なパスワード『利用者証明用電子証明書』。もう1つのパスワードが、『署名用電子証明書』です。マイナンバーカード発行の際に、2つのパスワードを設定します」

●利用者証明用電子証明書
数字4桁のパスワード。サイトログインだけでなく、コンビニで住民票や印鑑証明書を発行する際に必要。

●署名用電子証明書
英数字6~16桁のパスワード。オンライン申請やe-Taxなど、書類送付や情報送信を行う際に必要。

「『署名用電子証明書』は、氏名、住所、生年月日、性別の情報が記載されています。口座番号などの個人情報を送信する際に必要なパスワードで、本人であることを証明するハンコのようなもの。実は、住所変更などで、マイナンバーカードの登録内容を書き換えると、『署名用電子証明書』は失効してしまうのです」

特別定額給付金のオンライン申請ができなかった川部さんの友人は2人とも、過去に引っ越しをして、マイナンバーカードの住所変更を行っていたそう。

「これまで『署名用電子証明書』はe-Taxくらいでしか使われていなかったので、役所もあまり把握していなかったのか、マイナンバーカードの登録変更の際に『失効します』といったアナウンスはなかったようです。しかし、実際には失効した状態だったため、オンライン申請で『署名用電子証明書』が無効とされてしまったのです」

登録内容変更の際は「再発行」を忘れずに

マイナンバーカードを作ってから住所変更や氏名変更が発生した場合、「署名用電子証明書」の再発行もしなければいけないというわけだ。

「昨年からマイナンバーカードに旧姓も併記できるようになったのですが、この変更でも『署名用電子証明書』は失効します。何かした変更事項があったら、必ず役所の窓口で『署名用電子証明書』再発行の希望を申し出ましょう」

どのような内容であっても、登録内容を変更すると「署名用電子証明書」は失効してしまう。また、役所で自分から聞かなければ、そのままになってしまう可能性も高いといえそうだ。

「再発行とはいっても、パスワードを変える必要はなさそうです。ただし、役所に出向かなければいけません。もし、オンライン申請時に『署名用電子証明書が失効しています』という案内が出たら、面倒ではありますが、役所で再発行の手続きをしてくださいね」

今後、特別定額給付金に限らずマイナンバーカードを活用したオンライン申請が増えていく可能性は高いため、その手続きに必要な「署名用電子証明書」は重要になってくるだろう。パスワードはきちんと保管し、登録内容変更時は再発行を忘れずに。
(有竹亮介/verb)

注目キーワード