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“テーマ投資”との賢い付き合い方~その利点と注意点~

提供元:SBI証券

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(1)テーマ投資と株式市場の歴史

“投資のテーマ”として歴史的にも有名だった事と言えば、1980年代後半の平成バブルを飾る単語でもあった「含み資産」や「ウォーターフロント」などがあげられます。いずれも1985年の出来事で、5月の首都改造計画や、9月のプラザ合意が契機になりました。

こうしたテーマは世界的な潮流変化や、国の重要政策が背景になっていることが多く、その流れに乗ることで株式投資のパフォーマンスを上げることが期待できます。ここではまず、株式相場には過去、どのような投資のテーマが存在していたのか、実例をみていきましょう。

1980年代の米国では、国内外での貿易収支が赤字となった「双子の赤字」問題を解決すべく、円高・ドル安政策が行われ、輸出主導による経済拡大路線は放棄されることになりました。この結果、円高不況が懸念され、それを金融緩和と内需の拡大で乗り切ろうとしたところ、極端なカネ余りが発生。株式のみならず、土地や絵画なども高騰する「資産バブル」になりました。

一方日本では、新たな開発区域として東京湾岸地区など、沿岸部の再開発が注目される投資テーマとなり、「ウォーターフロント」がブームに。湾岸部に土地を持つ造船や鉄鋼、トリプルメリットが評価された電力・ガス、資産バブルの恩恵を受けた銀行・証券など内需関連の幅広い銘柄が大きく上昇しました。投資指標ではバブル期に株価を正当化するための指標として、純資産に含み益を加味して計算される「Qレシオ」などが登場しました。

なお、平成バブルの最後に付けた1989/12/29の日経平均株価38,915円87銭は今も抜けない史上最高値になっており、相場の規模がいかに大きかったのかが伺えます。

また、ある意味では平成バブル以上の衝撃を形成したのが1990年代前半から2000年にかけて起きたインターネット・バブルです。投資のテーマとしては、「インターネット革命」や「デジタル革命」などの名称で表現されました。

日本経済は1997年4月に消費税率を引き上げた直後、アジア通貨危機や国内金融危機という大きな嵐に巻き込まれ、金融緩和を余儀なくされる状況となりました。そうした中、米マイクロソフトのWindows95の登場などを機に普及し始めたインターネットが、産業構造を大きく変えるであろうことが予想され、文字通り「インターネット革命」を織り込む相場になりました。

折しも1998年10年に上場したNTTドコモ(現在は上場廃止)が1999年1月に発表したiモードがヒットし、携帯電話を使ったインターネットの普及も重要なテーマになりました。

このようにテーマ投資は、時代の転換期にぶつかり、金融緩和とタイミングが重なると、株式相場の大きな上昇につながることがあります。

図表1 過去のおもな「投資テーマ」と株式市場(例)

(2)テーマ投資と株式投資。メリットと注意点とは。

最近の投資のテーマは情報通信分野に派生しつつある技術革新を背景に、「DX」や「AI」、「半導体」、「5G」、「IoT」などいくつもの投資テーマが併存しています。さらに、米国のバイデン大統領が環境政策を重視していることもあり、環境保全に関連する「再生可能エネルギー」や「電気自動車」、「水素」なども注目される傾向にあります。

株式投資で銘柄を選択する場合、その方向性は大きく2つに分けられます。1つは「ボトムアップ」で考えるやり方で、個別企業の業績や成長性、財務内容を分析し、他の銘柄と比較しながら考えていく方法です。もう1つは「トップダウン」的な考え方で、時代や産業構造の変化など、世の中の大きな変化から考えていく方法です。もちろん、これらを総合して考えていくことも十分大切です。

前者の「ボトムアップ」は、投資対象の銘柄について個別に調査し、それらを積み上げて構築するため、リスクを抑えた投資ができる傾向にあることがメリットとされています。ただ、個別銘柄をひとつひとつ分析していかなければならず、非常に手間がかかることから、時間や手段に制約のある個人投資家には困難な点が多いとされます。

後者の「トップダウン」は、経済動向など投資環境の見通しを基に、資産配分を決め、該当する銘柄を決めて行くことから少ない手間で投資パフォーマンスの獲得が期待できるメリットがあります。

なお、今回ご紹介するテーマ投資はトップダウンにより、投資するテーマを選んでいく投資手法の1つです。

テーマ投資を行うにあたってはインターネット上から幅広く情報収集を行うことが可能ですが、株価が過熱し過ぎていることに気づかず、大きな痛手をこうむる場合もあるため、それ相応の注意が必要です。

(3)「テーマ投資」と投資の実際

テーマ投資を行うにあたって、往々にして難しいのは「どのような銘柄に投資するのか」絞り込みの過程であると考えられます。

かつて、株式の最低の売買単位(=単元株)が1,000株であった時は特に、個人投資家の投資許容金額には限界があり、銘柄の絞り込みは重要な作業の1つでした。繰り返しになりますが、この絞り込みが難しいのです。

また、価格変動リスクを低減させることが期待できる投資手法の1つとして、分散投資を心がけることも重要です。

あるテーマへの投資を決めれば、関連銘柄を複数選び出すことはそれほど難しい作業ではありません。原則、通常の株式取引で売買される売買単位は100株ですので、まとまった投資金額を準備できれば、選び出した数銘柄に分散投資することが可能です。

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なお、少額から投資をはじめてみたいというお客さまは、「単元未満株(S株)」で少額のお取引も可能です。単元未満株(S株)取引は、単元株数に関わらず、1株から取引できるため、株式投資初心者のお客さまにおすすめの商品です。

図表2 テーマキラー!のアクセスランキング、急上昇ランキングトップ3

図表3 例:「全固体電池」を選択した場合のポートフォリオと関連銘柄

※図表2・3 SBI証券のテーマ投資ツール「テーマキラー!」をもとにSBI証券が作成。データは2021/3/22(月)時点。

(提供元:SBI証券)

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