国際分散投資を推進する
欧州株式への投資
提供元:UBS ETF
2021年、投資リターンの高い欧州株式投資
UBS ETFは2015年3月に世界の先進国、先進国地域を投資対象とする株式ETFを10銘柄、東京証券取引所(東証)に上場させていますが、2021年に入り、年初来で欧州株式ETFが高いトータルリターンを示しています(2021年5月末時点。尚、過去の実績は将来の運用成績を保証していません)。
2020年、新型コロナウイルスのパンデミックにより、大きな痛手を受けた欧州経済ですが、2021年2月以降、欧州各国で新型コロナウイルスのワクチン接種が進み、欧州経済の先行きに対する楽観的見方が台頭。IMF(国際通貨基金)は2021年4月の世界経済見通しで、前回の2021年1月の世界経済見通しから欧州を含む、世界の経済成長率予測を引き上げました。
英国経済に関しては、実質GDPの成長率予測が2021年は+5.34%、2022年は+5.07%と、先進国の中でも高い経済成長が予測されています。また、スイス経済に関しては2021年が+3.49%、2022年が+2.80%。ユーロ圏経済に関しては2021年が+4.43%、2022年が+3.82%と、日本経済の2021年の+3.25%及び2022年の+2.53%より高い経済成長が予測されています。
主要欧州株式コア指数の特徴
現在、東証には7銘柄の欧州株式ETFが上場していますが、そのベンチマークとなる欧州の株式コア指数、すなわち英国株式を投資対象とするMSCI 英国指数、スイス株式を投資対象とするMSCI スイス 20/35指数、ユーロ圏株式を投資対象とするMSCI EMU指数、そして欧州株式を投資対象とするMSCI ヨーロッパ指数の主要データを比較してみます。
●MSCI 英国指数(出所: MSCI。データは英ポンドで2021年5月末時点)
保有銘柄数は86。保有上位10銘柄にはBPやロイヤル・ダッチ・シェルといった石油関連企業が含まれ、欧州株式指数の中では相対的にエネルギー・セクターのウエイトが高い。また、金融セクター及び素材セクターのウエイトも高い。配当利回りは3.16%と欧州株式指数の中では高い。予想PERは13.09倍と欧州株式指数の中では低い水準(尚、過去の実績は将来の運用成績を保証していません)。
●MSCI スイス 20/35指数(出所: MSCI。データはスイスフランで2021年5月末時点)
保有銘柄数は40。保有上位10銘柄にはロシュ・ホールディングやノバルティスといった医薬品関連企業が含まれ、欧州株式指数の中では相対的にヘルスケア・セクターのウエイトが高い。また、食品関連企業であるネスレが保有比率の最上位となっており、生活必需品セクターのウエイトも高い。直近3年の年率リターンが12.60%、年率標準偏差が12.27%と、欧州株式指数の中ではリスク・リターン・プロファイルが良いのが特徴(尚、過去の実績は将来の運用成績をを保証していません)。
●MSCI EMU指数(出所: MSCI。データはユーロベースで2021年5月末時点)
EMU(Economic and Monetary Union)の先進国10か国(オーストリア、ベルギー、フィンランド、フランス、ドイツ、アイルランド、イタリア、オランダ、ポルトガル及びスペイン)を投資対象とする株式指数で、保有銘柄数は237。保有上位10銘柄にはASMLホールディング(オランダ)やSAP(ドイツ)といったIT関連企業が含まれ、欧州株式指数の中では相対的に情報技術セクターのウエイトが高い。また、LVMHモエヘネシー・ルイヴィトン(フランス)が保有上位第2位となっているように、一般消費財セクターのウエイトも高い。国別のウエイト上位国は、フランス34.64%、ドイツ28.19%、オランダ12.75%、スペイン7.64%、イタリア7.53%となっている。
●MSCI ヨーロッパ指数(出所: MSCI。データはユーロベースで2021年5月末時点)
欧州の先進国15か国(オーストリア、ベルギー、デンマーク、フィンランド、フランス、ドイツ、アイルランド、イタリア、オランダ、ノルウェー、ポルトガル、スペイン、スウェーデン、スイス及び英国)を投資対象とする株式指数で、保有銘柄数は434。保有上位10銘柄は、MSCI EMU指数やMSCI スイス 20/35指数、MSCI 英国指数の保有上位銘柄と重複している。そして、保有上位10銘柄のうち7銘柄が非ユーロ圏企業で構成されている(英国企業やスイス企業などで構成されている)。
MSCI EMU指数との比較においては、国別構成比率において、MSCI EMU指数が英国、スイス、スウェーデン、デンマーク、ノルウェーの株式エクスポージャーを持たないのに対し、MSCI ヨーロッパ指数は英国に22.58%、スイスに14.69%、スウェーデンに5.90%、デンマークに3.89%、そしてノルウェーに0.98%の株式エクスポージャーを持っている。また、セクター構成比率においては、MSCI ヨーロッパ指数はヘルスケア・セクターや生活必需品セクターのウエイトが高い。一方で、MSCI EMU指数は一般消費財セクターや情報技術セクターのウエイトが高い。
また、MSCI EMU指数とMSCI ヨーロッパ指数との比較においては、MSCI EMU指数の投資対象国は共通通貨をユーロとし、ECB(欧州中央銀行)が中央銀行として金融政策を担っている国々です。他方、MSCI ヨーロッパ指数の投資対象国である、英国、スイス、スウェーデン、ノルウェー、デンマークはそれぞれ独自の通貨を持ち、それぞれの国の中央銀行が金融政策を担っているという違いがあります。
国際分散投資は為替動向も重要
日本円をベースに国際分散投資する際、日本円と投資対象先の通貨との為替動向は、投資パフォーマンスに影響を与えます。直近、日本円は欧州の主要通貨であるユーロ、英ポンド及びスイスフランに対して「円安」基調ですので、投資パフォーマンスにおいてはプラス要因の状況にあります(為替ヘッジを行っていない場合。円高基調の時には投資パフォーマンスのマイナス要因となります)。
主要欧州株式コア指数のESGスコア及びカーボン測定スコア
2019年10月15日(火)付けの東証マネ部!の記事「サステナブル投資の投資パフォーマンス~サステナビリティ・プレミアムの存在~」の中で触れさせていただいていますが、欧州は世界の中でも先行してサステナブル投資が拡大してきています。2000年以降、欧州の投資家と欧州の上場企業は「ESG」に対する取り組みを進めてきています。その結果として、先進国を投資対象とした主要株式コア指数のESG評価の比較において、相対的に欧州株式指数のESGスコア及びカーボン測定スコアは良好な結果を示しています。
国際分散投資を推進する上で見逃せないのが欧州株式投資ですが、東証には7銘柄の欧州株式ETFが上場していますので、東証に上場している欧州株式ETFのベンチマークの特性や欧州の投資対象国・地域の状況を理解し、変化する世界の情勢や経済動向を捉えながら、東証上場の欧州株式ETFのご活用を是非、ご検討ください。
●ユーロ圏株式を投資対象とする東証上場ETF
1387 UBS ETF ユーロ圏株(MSCI EMU)
●ユーロ圏大型優良株を投資対象とする東証上場ETF
1385 UBS ETF ユーロ圏大型株 50(ユーロ・ストックス 50)
●ユーロ圏小型株を投資対象とする東証上場ETF
1388 UBS ETF ユーロ圏小型株(MSCI EMU 小型)
●欧州株式(含む英国株式、スイス株式など)を投資対象とする東証上場ETF
1386 UBS ETF 欧州株(MSCI ヨーロッパ)
●英国株式を投資対象とする東証上場ETF
1392 UBS ETF 英国株(MSCI 英国)
●英国大型優良株を投資対象とする東証上場ETF
1389 UBS ETF 英国大型株 100(FTSE 100)
●スイス株式を投資対象とする東証上場ETF
1391 UBS ETF スイス株(MSCI スイス 20/35)
(提供元:UBS ETF)