不安な老後資金どうする?
退職金運用のプランニングのススメ
提供元:三菱UFJモルガン・スタンレー証券
勤め先を定年退職して退職金が支給される場合、退職金は老後資金のベースとなります。しかし、ある程度まとまった額であるため、どのように運用していけばいいのか迷ってしまいがちです。
退職金運用の基本的な考え方については、以前『退職金運用の考え方と3つの注意点』でご紹介しましたが、今回は、実際に退職金を運用する上で知っておきたい、目的の整理の仕方やプランニングの考え方についてご紹介できればと思います。
老後に必要になる資金を具体的に考える
どのような資金であっても、運用を始める際には、資金が必要になる時期や目的を具体的にイメージしておくことが大切です。退職金を運用する場合も同じことがいえます。
今回は、老後に必要になる資金を、短期的に必要になる資金、中期的に必要になる資金、長期的に必要になる資金の3つに整理して見ていきたいと思います。
■ 短期的に必要になる資金
短期的に必要になる資金としては、例えば、冠婚葬祭などの交際費のほか、医療費や介護費、旅行のための資金などがあります。
主に1年以内に使う予定や可能性がある資金をイメージするとよいでしょう。
■ 中期的に必要になる資金
中期的に必要になる資金としては、数年以内に自宅をリフォームする予定である、家電の買替えが必要になりそう、子供の結婚資金や住宅購入を援助する可能性があるといった場合に必要となる資金などがあります。また、年金で不足する生活費についても考えておく必要があります。
すぐには使う予定はないものの、数年以内に使う予定や可能性がある資金をイメージするとよいでしょう。
■ 長期的に必要になる資金
長期的に必要になる資金としては、孫への援助など、使う時期が数年以上先となる資金が挙げられます。また、中期的に必要になる資金と同様に、年金で不足する生活費についても考えておく必要があります。
老後資金をプランニングしてみる
老後にどのような資金が必要になるのかが具体的にイメージできたところで、老後資金の具体的なプランニング方法について見ていきましょう。
退職金で投資を行う際には、退職金を含む資産の中から、どの程度の額を投資に回せるかを考えることが重要となります。
1. 自分の資産について把握する
まずは、自分の資産がどのくらいあり、どのように使う予定があるのかを整理します。退職金だけでなく、別に保有している金融資産を確認し、合計額を計算しましょう。
2. これから得る収入を把握する
最近では、60歳で定年退職を迎えて退職金を受け取り、その後、65歳、70歳頃まで雇用延長や再雇用で働くというケースが多くなっています。仕事を続ける方は、今後の収入を予想してみましょう。
また、公的年金や企業年金などの年金も、老後資金の柱になるものです。それぞれ支給される年金について、受け取れる期間や金額を把握します。
3. 年金で不足する金額を計算する
定年から年金が支給されるまでの期間と、年金の支給が開始された後と、それぞれの期間で資産をどの程度取り崩すことになるかも考えてみましょう。
5年以内に資産を取り崩す額、10年以内に取り崩す額など、期間を区切って必要な額を整理すると、どの程度の額を投資に利用できるのか、イメージしやすくなります。
月々の生活費だけでなく、自宅のリフォーム資金やまとまった額の医療費や介護資金など、臨時の支出についても予算を立てておくと安心です。
4. 投資に使える金額を把握する
投資は、中長期で運用できる資金で行うことが重要です。今ある資産、年金などの収入、そして資産を取り崩す時期などから、5年以上は運用できる資金を計算し、その中から投資する金額を検討しましょう。投資する額が多ければ、リターン(収益または損失)は大きくなりますが、リスク(収益と損失の振れ幅)も大きくなります。
投資で資産の一部が損なわれた場合、現役時代のように収入でリカバリーするのは難しくなりますので、慎重に検討したいところです。
金融商品の選び方を考える
老後を支える退職金を投資に利用するにあたっては、大きな損失が出ないように安全性重視で投資を行っていくことが大切です。
投資できる金額を把握して実際に運用する場合に、留意すべきポイントについてまとめました。
■ 金融商品の特性を知っておく
元本保証のない金融商品は、リターンが損失として出てしまう可能性があります。また、リスクが大きい金融商品は、大きな収益が期待できる分、大きな損失につながる可能性もあります。
それぞれの金融商品の特性を知り、大きなリスクをとりたくない場合や、投資経験がなくて損失が怖いといった場合には、安全性が高い金融商品を選ぶようにしましょう。
投資期間が長ければ、一時的に値下がりしても回復を待てる期間が長く持てることから、投資する期間を長期的に考えられる場合、つまり年齢が若いうちは、期待できるリターンが大きい金融商品を中心に投資し、年齢を重ねるにしたがって比較的リスクが小さい金融商品を多めにしていくという考え方があります。
退職金を利用するということは、回復を待つ期間を長く持つことが難しいと考えられます。金融商品によってリスクの大きさは異なりますので、選ぶ際には留意するようにしましょう。
■ 資産分散を重視して投資する
退職金でリスクを抑えて運用する際には、資産分散を重視してバランスよく投資を行っていくのがよいでしょう。
資産分散を行う場合にも、金融商品の組み合わせによって、収益性重視、安全性重視、中立などの傾向を持たせることができます。
60代のうちは収益性重視で運用し、年齢を重ねたら安全性重視にシフトしていくということも可能です。
退職金運用には専門家のアドバイスを
退職金は、老後を豊かに暮らすための大切な資金です。個々の状況に応じて、適切に運用することが望まれます。
投資の経験がほとんどない方は、退職金をどう運用するといいか、信用できる金融機関に意見を求めてみてはいかがでしょうか。
投資経験が豊富な方も、これまでどおりの運用を続けるか、リスクのコントロールが必要かなど、専門家のアドバイスが参考になるかもしれません。
(提供元:三菱UFJモルガン・スタンレー証券)