医療費控除の対象になる費用|家族の範囲や期間、金額の計算式まとめ

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医療費控除の対象になる金額の計算式

医療費控除の適用を受けられる場合には、所得税や住民税の税額を計算するときの基となる金額(課税所得)から控除額を差し引けます。
ここでは医療費控除を適用する際の控除額の計算式を紹介するので、実際に自分が払った医療費をもとに控除額を計算してみましょう。

総所得金額等が200万円以上の場合

総所得金額等が200万円以上の場合、次の式で求めた額が医療費控除の金額になります。年間の医療費が10万円を超えると医療費控除を適用でき、200万円が控除額の上限です。

●その年に実際に支払った医療費の合計額 ー 保険金等で補填される金額 ー 10万円

なお、保険金等で補填される金額は、その給付の目的となった医療費の金額を限度に差し引きます。引き切れない金額が生じても他の医療費からは差し引けない点に注意しましょう。

例えば、足のけがで入院したときに生命保険契約に基づいて入院給付金を受け取った場合、もし入院にかかる医療費の額より入院給付金の額が多かったとしても、余った給付金額を足のけが以外のけがや病気にかかった医療費からは差し引けません。

総所得金額等が200万円未満の場合

総所得金額等が200万円未満の場合、次の式で求めた額が医療費控除の金額になります。控除額の上限は200万円です。

●その年に実際に支払った医療費の合計額 ー 保険金等で補填される金額 ー 総所得金額等の5%

給与所得をはじめとした各種所得額などを基に求められる総所得金額等の5%を超える額の医療費がかかると、医療費控除の適用を受けられます。

例えば、その年の総所得金額等が120万円であれば、医療費控除の適用を受けられる基準となる医療費の額は120万円の5%にあたる6万円です。

一般的に「医療費が10万円を超えると医療費控除を受けられる」と言われることがありますが、これはあくまで総所得金額等が200万円以上の人の場合であり、総所得金額等が200万円未満であれば、基準となる医療費の額は10万円より低くなります。

「医療費の額が10万円に達していないと医療費控除を受けられない」と思い込んで医療費控除の適用申請をし忘れると、本来できたはずの節税ができなくなってしまうため、医療費控除の対象となる費用や計算方法を正しく理解しておくことが大切です。

医療費控除を適用するには確定申告が必要

医療費控除の適用を受けるには確定申告をする必要があります。申告期間は原則として2/16から3/15までの1カ月間です。確定申告の方法には窓口申請・郵送申請・e-TAXによる申請の3つあり、確定申告書に必要書類を添付して税務署に提出します。

医療費控除の適用を受けるために初めて確定申告をする場合は、申告書の作成方法や必要書類がよくわからず準備に時間がかかることもあるため、医療費控除の対象になる費用の集計や書類の準備は早めに始めるようにしましょう。

医療費を支払う度に記録を付けることが大切

確定申告で医療費控除の適用を受ける際、医療費控除の明細書を作成して提出する必要があります。医療費控除の明細書は支払った医療費の区分や金額などを記載する書類です。

出典:確定申告特集

確定申告の時期が近付いてから医療費の集計を始めると、医療費をいつどこで支払ったのか思い出さなければならず手間や時間がかかることがあります。

申告期限の直前に慌てないためにも、医療費を支払う度に金額などをしっかりと記録しておきましょう。また、医療費がかかったときにレシートや領収書を保存する癖を付けておけば、紛失して金額が分からなくなり確定申告の際に困ることもなくなります。

なお、以下の国税庁サイトではエクセルの医療費集計フォームが提供されています。医療費を支払う度に当フォームに入力して管理するようにしてもよいでしょう。

医療費集計フォーム(確定申告特集)

医療費控除を申告できる期間は5年

医療費控除の適用を受けるためには医療費がかかった年の翌年に確定申告をします。ただし、医療費控除は翌年1/1から5年間であれば申請できるため、仮に翌年の確定申告期間に申告をし忘れた場合でも、5年が経過するまでであれば申告が可能です。

過去分の医療費で控除の適用を受け忘れているものがある場合には、5年が経過する前に申告手続きを行って税金の払戻しを受けましょう。

医療費控除の対象を理解して適切に申告を

今回は医療費控除の対象について解説しました。診察代や薬の購入代、入院費用などの医療費がかかった場合には、医療費控除の対象になる費用なのかどうかをまずは確認するようにしましょう。

控除の対象になる費用とならない費用の違いを正しく理解して、適切な申告内容で確定申告をすることが大切です。

 

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