確定するけど使わない?

資産運用で大きな利益が出たらどうする?

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2020年に新型コロナで落ち込んだ株価は回復を見せ、2021年9月には日経平均株価が31年ぶりの高値を付けた。もし、こうした波に上手く乗れて大きな運用益が出たとしたら会社員はどうするのだろうか? 運用益を目指した資産運用を行っている全国の20〜50代の会社員203人を対象に調査した。

Q. もし運用している投資商品が急騰して倍になったらどうしますか?

全部を売却して利益を確定する 29.1%
一部だけ売却する 40.4%
そのまま保有し続ける 18.6%
さらに買い増す 2.0%
わからない 9.9%

一部だけ売却する人が多く、40.4%を占めた。全部を売却して利益を確定する人も29.1%と多く、合わせるとほぼ7割の人が大きく運用益が出た時点で利益を確保したいと考えている。他方で、一部もしくは全部を保有し続ける人が6割近いとも言える。さらに買い増すという人は2.0%にとどまった。

世代別に見ると、一部もしくは全部を売却する人の割合は20代で80.3%を占めたのに対し50代では70.2%であった。しかし、「全部を売却する」人に限定すると、20代で23.2%に対し50代では37.8%と多くなった。世代が上がると手仕舞いを考える人が多く、若い世代ではある程度は利益を享受しつつ長期保有を続けたいという人が多そうだ。

一部もしくは全部を売却すると回答した人に、売却益の使い道を尋ねた。

Q. 売却益を主にどう使いますか?最もあてはまるものをお選びください。

別の投資に回す 46.1%
預金として貯めておく 44.7%
生活費などに充てる 5.0%
欲しかったものなどを買う 3.5%
わからない 0.7%

別の投資に回すという人が最も多く、46.1%を占めた。預金する人の44.7%と合わせると9割以上となり、生活費や消費に回す人はわずか8.5%にとどまった。資産運用のお金は大きく増えても引き続き資産として保有しておきたい人が多いようだ。

生活費や消費に回すと答えた人を世代別に見ると、20代で2.2%、30代で20.0%、40代で8.6%、50代で3.9%であった。30代で顕著に多くなっており、30代から40代にかけてはお金がかかる年代であることをうかがわせる。

最後に、逆に大きな損失が出てしまった場合のことも訊いてみた。

Q. もし運用している投資商品が暴落して半分になったらどうしますか?

全部を売却してそれ以上の損失を避ける 3.4%
一部だけ売却する 14.1%
そのまま保有し続ける 51.8%
さらに買い増す 9.4%
わからない 21.3%

そのまま保有し続けるという人が51.8%で過半数を占めた。一部もしくは全部を売却する人は17.5%にとどまる。「わからない」とした人も21.3%と多く、利益が出た時の倍以上となった。損失が出た時のことはあまり考えたくないのかもしれない。

資産運用で大きな利益が出たら7割近くの人が利益を確保する一方で、大きな損失が出た時に損切りをする人は2割に満たないという結果であった。投資である以上、個々の銘柄は大きく上がることも下がることもあるが、多数の対象にバランスよく投資しておけばトータルではより安定して運用益を見込むことができる。利益確定をしても消費には回さない人が多いので、それであればバランスよく投資しておき一喜一憂しないで保有を続けていくことをお勧めしたい。

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「あなたご自身に関するアンケート」
調査方法:インターネットによる調査
調査時期:2021年9月
調査対象:全国20〜50代の会社員
有効回答数:203件

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