プロが語る!資産形成のすゝめ

ETF大全~体系的にETFを学ぶ~

<第3回>ETFの仕組み(後編)

提供元:野村アセットマネジメント

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野村アセットマネジメントでは、日本初のETFの上場25周年を記念して、「ETF大全(日本経済新聞出版)」を発刊しました。本書では、ETFの商品性や魅力、使い方に加え、ETFの主要なプレイヤーが、普段投資家が接することが少ない裏側で具体的に何を行っているのかまで、網羅的に解説しています。本シリーズは、マネ部読者の皆様にもETFの本質をご理解頂くために、本書の内容を抜粋しながらETFについて体系的にご案内していきます。

今回は、ETFの価格形成を中心にETFの仕組みについて解説します。

<ETF大全表紙>

ETFの3つの価格

<第2回>ETFの仕組み(前編)でETFのエコシステム(生態系)についてお伝えしましたが、「流通市場」と「発行市場」の2つの市場を有することにより、ETFには流通市場での取引価格となる「市場価格」と発行市場での取引価格となる「基準価額」という2つの異なる価格が存在します。

市場価格は、一般の株式と同様に、投資家が取引所で売買する際の価格のことで、その時の需給を反映し、リアルタイムで変化します。そして、取引終了時に「終値」としてその日の価格が確定します。

基準価額は、ETFに組み入れられている有価証券の時価評価に株式の配当金や債券の利息などの収入を加えた資産総額から、ETFの運用に必要な費用などを差し引いた純資産総額を発行済口数で割って求められる1口あたりの値段です。基準価額は、1日に1回、保有する資産等の市場の終値をもとに算出され、20時頃に公表されます。

さらに、ETFには取引時間中に開示される「インディカティブNAV(推定一口あたり純資産価格)」、通称「iNAV」と呼ばれる第3の価格が存在します。前日の終値で算出される基準価額には当日の株価変動が反映されないため、iNAVは、投資家が取引中のETFの純資産価値を把握できるよう、取引時間中の投資対象の有価証券等の時価変動に基づいて、東京証券取引所ホームページ上で15秒毎に公表されています。

ETFの3つの価格「取引所価格」「基準価額」「インディカティブNAV」の比較表

プレミアムとディスカウント

ETFの市場価格は市場の需給で決定されることから、基準価額やiNAVから乖離が生じることがあります。ETFの市場価格がファンドの理論価格よりも割高に乖離する場合を「プレミアム」状態、逆に市場価格が理論価格に対して割安に乖離する場合は「ディスカウント」状態と呼ばれます

極端なプレミアムやディスカウント状態が発生した場合、発行市場を活用した裁定取引が可能となります。例えば、ディスカウント状態であれば、割安なETFを流通市場で購入し、発行市場で交換(解約)を行なうことで利益が得られることになります。ETFの市場価格は、こうした裁定取引によって、プレミアム・ディスカウント状態の解消が期待できるのです。

2つの市場をまたいだ裁定取引は、主に指定参加者である証券会社やマーケットメイカーなどの流動性供給業者により行われています。ETFが幅広い投資家に普及するためには、ETFの流通市場における「市場価格」が理論価格と乖離することなく価格付けされることが不可欠です。ETFの独自のエコシステムは、こうしたETFの合理的な価格形成を促すために重要な役割を果たしています。

※日本株等国内資産を組み入れたETFの基準価額は、ファンドが組み入れた各銘柄のその日の終値を基に算出されるため、市場での終値とその日の基準価額を対比することによってプレミアムかディスカウントかを判断することで問題ありませんが、海外資産を組み入れたETFでは、基準価額は前日の海外市場での終値と当日の為替レートを用いて算出されるため、ETFの市場価格と基準価額の比較を行う際には注意が必要です。

(再掲)ETFのエコシステムの概略図

(出所)野村アセットマネジメント作成

(提供元:野村アセットマネジメント)

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