インタビュアー小島瑠璃子、お金の話聞いてきます!「なぜ、女性エンジニアって少ないんでしょう?」

こじるり&「Zaim」代表が語る“女性のキャリアの築き方”

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前回、オンライン家計簿サービスを提供している「Zaim」に伺い、代表取締役の閑歳孝子さんにアプリ開発のきっかけや家計簿の活用方法について聞いた小島瑠璃子さん。

話はさらに盛り上がり、閑歳さんのキャリアに関する話題に広がっていった。事業を通じてお金を生み出すだけでなく、社員やユーザーに幸せを届けていく秘訣はどこにあるのか、2人の女性の理想の形を聞いていこう。

「エンジニア」は女性も男性も関係ない仕事

小島「前回、オンライン家計簿サービス『Zaim』は、もともと閑歳さんが1人で開発されたと伺いましたが、女性エンジニアってなかなかいないですよね」

閑歳「そうですね。当社は役員のおよそ半分が女性、マネジメント層も女性が多い会社ではあるのですが、現時点ではエンジニアは男性の方が多いんです。いまでも男性が多い職種ではあると思います」

小島「私、NHKの『学生ロボコン』という大会で司会をやらせてもらっていて、会場に行くと出場者のほとんどが男の子なんです。そのなかに、たまに熱い女の子エンジニアがいるんですよね。その姿を見ると胸キュンで、すごく応援したくなっちゃいます」

閑歳「『学生ロボコン』大好きです! 女の子もどんどん出場してほしいですよね。あくまで私の感覚ですが、エンジニアという職種において、性別による能力の差はないんじゃないかと思います。男性だから優秀、女性だからダメとは感じたことがないんです」

小島「私もテック系の話題が大好きで、いろんな方にお話を聞くんですけど、同じように思います」

閑歳「では、なぜ女性が少ないかというと、長らく男性の仕事という印象があり、実際に男性が大半なので入り込みづらいんだと思うんです。ただ、最近は女性エンジニアのコミュニティができたり、女性専用のテックキャンプが開催されたりしていて、以前よりはエンジニアを目指しやすくなっているように感じます。実は、エンジニアって働く環境としては女性にやさしい職業なんですよ。業界を選べばリモートワークしやすい仕事なので、産後の職場復帰がしやすいし、エンジニア不足はずっと言われているので、スキルが一定以上備われば職に困りにくいと思います」

小島「なるほど、そういう目線で考えたことはなかったですが、確かに働く時間や場所を選ばない仕事は、女性に合っていそうですね。私は一度プログラミングを覚えようとして挫折した過去があるんですけど、もし娘ができたら、コードを覚えさせようと思います!」

閑歳「素敵ですね。実はプログラミングって、編み物など、女性に人気のある趣味とやっていることの世界観は似てるんです。私からすると、なんで世の女性たちはエンジニアにならないのかしらって思うくらい、楽しくてやりがいのある仕事ですよ」

小島「そもそも、なぜ閑歳さんはエンジニアの道に進もうと思ったんですか?」

閑歳「20代後半にITベンチャーでエンジニアと営業をつなぐディレクションの業務をしていたときに、いまきちんとスキルを手に入れないと、中途半端になっちゃうと思ったんですよね。あと、つくりたいものが出てきたときに、人にお願いしないといけない状況がストレスで」

小島「つくりたいもののイメージを、人に伝えることが難しいということですか?」

閑歳「伝えることというよりも、私はつくって壊してを繰り返すのが好きなタイプだからです。エンジニアの方につくってもらって、『やっぱり違う』って覆すことになると、相手を振り回してしまうので、だったら自分でつくりながら試行錯誤できる方がいいかなって」

小島「つくりたいものを実現するために、プログラミングの勉強を進めていったんですね」

経営者になって「感じたことのない気持ち」を経験したい


小島「閑歳さんはエンジニアである一方で経営者でもありますが、創業ストーリーを聞いていくと、目指す先が明確で素敵ですよね。私も会社経営に興味があるんです」

閑歳「なぜ、経営に興味が?」

小島「私はまだ具体的にやりたいことがあるわけではないんですが、自分の能力でどこまでできるか、試してみたいんです。どんなに大変でも、苦労が2000個あってもいいので、死ぬときに『自分のマックスはここだったな』って思いたくて。単純にそういう知識欲なんですけど」

閑歳「経験を積むというか、経営者になるとこんな気持ちになるのかって知りたいんでしょうか」

小島「まさに、それを知りたいんです。あと、かつて誰かが言っていた『たくさんの人に届き、たくさんの人を幸せにしたものが、お金を生み出すもの』というような言葉がすごく残ってて、自分の会社を大きくする過程でいろんな人が自然に幸せになっていくとしたら、すごく素敵だな、経験してみたいなって思ったんですよね。だから、閑歳さんのお話を聞いて疑似体験できた気がして、すごくうれしいんです」

閑歳「小島さんの感覚は、私にも似てるところがあるかもしれません。『Zaim』を法人化して、社員を雇用して、規模を広げていくなかでいろいろな経験をしましたが、その自分を客観的に見てる自分もいるんですよね。こういう状況に直面すると、人ってこういう気持ちになるのか、みたいに思うことがあります。私も知的欲求が強くて、経営を通じて社会の仕組みや感じたことのない気持ちを知るのが面白いんですよね。自分だけでなく社員やユーザーさんも見ながら、人間ってこういう生き物なんだって知っていっているというか」

小島「同じじゃないですか。『家計簿から人の人生やそれぞれの景色を見ていくのが面白い』とおっしゃっていた意味が、わかってきた気がします。でも、会社を経営するって、大変なことも多いですよね?」

閑歳「大変なことはたくさんありますけど、すごく意味のあることだと思っているから、続けられているんでしょうね。進めているプロジェクトが達成したら、きっと幸せになれるし、周りの人にもいい影響を与えられるって信じているので、これからも続けていくんだろうと思います」

小島「そう考えると、将来に対してワクワクしますよね」

「ユーザーや社員のためになること」を考えるのが楽しい


小島「1人で開発していたところから会社を興して、規模を広げてきていますが、どのタイミングが一番楽しいですか?」

閑歳「楽しいと思うポイントは、そのときどきで変わりますね。もともとは自分の手を動かすのが好きなので、プロダクトをリリースするまで、何もないところからユーザーさんに届けるまでの開発の段階がすごく楽しいんですよ。ただ、組織を築いていくと、メンバーが成長して自分の手を離れていくことに、まったく違う喜びを感じるようになりました。人の成長を見る面白さって、経験してみないとわからないんです」

小島「きっと、1人で黙々と開発していた頃には見えなかった景色ですよね」

閑歳「チームでやっているからこそ、わかることですね。いま、楽しさを感じるのは、次のことを考えているときです。こういう風にしたら、もっとユーザーさんのためになるんじゃないかって。ユーザーさんが『Zaimでこんなことを実現できた』って書いてくれた評価をたまたま見かけると、このサービスが誰かの役に立っているのかもしれないなって、喜びを感じますね」

小島「ユーザーさんの言葉って大きいですよね。いままさに考えている次のことは、どんなイメージですか?」

閑歳「自分自身について記録していくことの面白さをもっと広げていきたいんです。お金ってすごく人生を表していて、掘りがいがありますよね。例えば、いかに食材を安く買うかに重きを置いている人は、そこに日々が楽しくなるゲーム性を見出せる。コロナ禍後、いままで飲み会に使っていたお金が浮いたのがわかったら、気になっていたインドアの趣味を始めてみようと新しい行動につなげられます。蓄積したデータは自分がしてきた行動の結果なので、そこから何か発見があれば、人生を変えていけるということをもっと知ってほしいんです」

小島「すごく貴重な気付きになりますよね」

閑歳「そうなんです。『Zaim』が、ユーザーさん自身の発見につながって、その人の行動を変えて、人生がちょっとでもいい方向に進むきっかけになってくれたら、言うことはないなって思います」

小島「閑歳さんが思いを込めて生み出したサービスだからこそ、少し触れただけでも楽しさを感じますし、続けていくことでさらなる面白みを感じるんでしょうね。『Zaim』を続けるとともに、閑歳さんの生き方も参考にして、私も頑張ります!」

資産形成を行ううえで、お金を稼ぐことは重要なポイントの1つ。そして、稼ぐ手段や道のりを考えていくと、人生がより豊かになっていきそうだ。そんな思いがけない気付きにもつながるインタビューとなった。

(取材・文:有竹亮介/verb 撮影:森カズシゲ)

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