「投資INSIDE‐OUT」
時間差での波及が期待される円安の好影響 ~マクロ経済データを読み解く(18)~
提供元:三井住友トラスト・アセットマネジメント
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「投資INSIDE-OUT」~マクロ経済データを読み解く~では、マクロ経済に関するデータを用いて、現在および将来の経済情勢について考察します。
円安のメリットが実感しにくいのはなぜか?
2022年に入って、資源価格の高騰による貿易赤字拡大や米国の金融引き締めを背景に円安が進行し、7月14-15日に米ドル/円は一時約24年ぶりの139円台を付けました。急速な円安も一因となり輸入物価が上昇しています。家計はガソリン価格や電気代だけでなく、食料品や家具・家電など幅広い商品価格の上昇を実感し、円安によるマイナスの影響に対して不満の声も大きくなっています。
一方で、円安が進展すると家計の外貨建て資産に為替差益が発生しますが、今年に入って世界的に株式や債券の価格が下落していることから、資産価格全体としては上がりくい状況です。また、海外での売上がある企業にも為替差益をもたらしますが、輸入物価の上昇と比較して、企業の決算が改善して賃金に波及するのは遅れるため、家計にとって円安のメリットは実感しにくいと考えられます。円安が定着することの中長期的な影響として、円建ての輸出採算の改善や、海外での人件費上昇によって製造拠点の国内回帰が進む可能性も期待されます。
実際に2012年以降の円安進行を伴う景気拡大局面では、一部で「新4大工業地帯(東北、北関東、中国・北陸、北九州)」と呼ばれる地域を中心に製造拠点の新設が見られ、大都市圏以外の地域で経済成長率が高くなりました。2021年以降の円安局面では九州などで半導体関連企業の進出が増加しているようですが、今後も国内で製造拠点が増えていくのか注目されます。
円安の進行・定着が日本経済に与える影響を考える上では、短期目線だけでなく、中長期的な視点での議論も求められそうです。
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