先物取引とはどんな取引?特徴やメリットから理解しよう

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先物取引とは、将来の決められた期日に、取引時に決めた価格で、特定の商品を売買することです。

取引時点で将来価格が上がりそうだなと思えば「買い」を行い、期日に売ります。また、将来価格が下がりそうだなと思えば「売り」を行い、期日に買い戻します。このようにして利益を狙える取引ですが、証拠金の差し入れが必要という点も特徴です。

本記事では、先物取引とは何か知りたい方や、取引してみたいという方向けにメリットや流れも解説します。

先物取引とは?3つの特徴を紹介

先物取引とは、あらかじめ定められた期日に、特定の商品を、取引時点に決めた価格で売買することです。先物取引には、農産物や鉱工業材料などを対象とした商品先物や、国債や外国為替などを対象とした金融先物といった種類があります。

先物取引と似た仕組みにオプション取引があり混同しやすいため、以下の記事もあわせて参考にしてください。

オプション取引とはどんな取引?先物取引との違いも解説

ここからは、より詳しく先物取引を理解できるように先物取引がもつ3つの特徴を紹介します。

1.「売り」から取引可能

株式の現物取引では、対象商品を「買い」、それから「売り」に入るケースが一般的です。一方、先物取引では、今後相場が下落しそうだなと思ったら、まず「売り」から入り、それから買い戻す取引もできます。

「売り」から取引を始めて、予想どおりに相場が下落すれば、「売り」の価格より安い価格で買い戻すことにより利益を得られます。ただし、予想に反して相場が上昇すれば「売り」の価格より高い金額で購入することになり、損失が発生する点に注意が必要です。

2.取引には証拠金が必要

株式の現物取引では、基本的に株式金額の全額を取引時に用意しなければなりません。一方、先物取引では、取引時点で全額を用意する必要はなく、代わりに「証拠金」と呼ばれる担保を差し入れて取引を行います。

証拠金の金額は、対象商品の想定上の元本(想定元本)の数分の1から数十分の1程度の水準であることが一般的です。

3.差金の受け渡しで決済

株式の現物取引では、取引の都度、株券や代金の受け渡しが行われます。一方、先物取引では、基本的に差金の受け渡しで決済されます(差金決済)。

差金決済とは、「買付けや売付けを約束した時点の先物価格」と「決済時点での先物価格」で相殺することです。つまり、先物取引では、最終的に売買で生じた損益の受け渡しのみで完結します。

先物取引のメリットと注意点

現物取引とは異なる特徴を持つため、先物取引を行うことでさまざまなメリットを期待できます。主なメリットは以下の2点です。

1.価格変動リスクを軽減できる
2.短期間で利益を生み出せる

一方で、証拠金以上の損失を抱えかねない点に注意しておかなければなりません。先物取引を始める前に、あらかじめメリットや注意点を確認しておきましょう。

メリット1 価格変動リスクを軽減できる

価格変動リスクとは、決済時点の価格が取引開始時点の価格と比べて上昇しているか下落しているか定かでないことです。先物取引では、あらかじめ将来の取引価格を決めておくため、価格変動リスクを軽減できます。

たとえば、先物取引で対象商品を期日に10万円で購入することを決めておけば、相場が変動して商品価格が上昇しようと下落しようと、支払う金額は10万円です。

メリット2短期間で利益を生み出せる

先物取引は、必要金額をすべて用意せずに想定元本の数分の1から数十分の1程度の証拠金を差し入れる取引のため、少ない資金で大きな利益を狙うレバレッジ取引ができます。そのため資金効率が良く、自分が予想したとおりに相場が変動すれば、短期間でも利益を生み出せる点がメリットです。

また、売りから入ることが可能であるため、下落が予想される局面でも利益を期待できます。

注意点証拠金以上の損失を抱えかねない

レバレッジ取引には、少ない資金から大きな利益を狙えるメリットだけでなく、大きな損失につながるリスクも抱えています。そのため、相場が予想した動きと異ってしまった場合、大きな損失を招きかねない点に注意が必要です。

相場の変動次第では、大きな損失が発生したことにより、差し入れた証拠金以上の金額を追加して支払わなければならないことがあります。

先物取引による3つの手法

どのような目的で先物取引を行うかによって、用いる手法も異なります。先物取引による代表的な手法は以下の3つです。

1.リスクヘッジ
2.スペキュレーション
3.アービトラージ

各手法の概要を確認しておきましょう。

1.リスクヘッジ

リスクヘッジとは、リスクを予測してあらかじめ備えておくことです。保有している資産の価格が下落して損失が発生することや、取得を予定していた資産の価格が将来的に上昇して取得機会の損失を回避する目的で、先物取引を行うことがあります。

例えば、まだしばらく保有しておきたいと思っている商品の価格が今後下落するおそれがある場合に、該当商品の先物を売りにかけておけば、万が一株価が下落しても損失を抑えることが可能です。

2.スペキュレーション

単純取引とも呼ばれるスペキュレーションは、相場の動きを予想して売買し、予想どおりに動いた際に反対売買することで利益を出すという基本的な取引手法です。

例えば、相場が上昇する(下落する)と予想して対象商品の先物を購入(売却)し、そのとおりに動けば売却(購入)する反対売買で決済すれば、利益を確定できます。

3.アービトラージ

裁定取引とも呼ばれるアービトラージは、値動きの関係や影響(相関性)が高い2つの商品の価格差を利用して利益を出す手法です。

同じ対象であっても現資産と先物の価格は異なるため、両者のうち割安な方の購入と、割高な方の売却という2つの取引を同時に行い、割安な方が高くなった際に売却、割高な方が下落した際に買い戻すという反対売買で利益を確定します。両者は最終的にはほぼ同じ価格になるため、市場の歪みをとらえた手法とも言えるでしょう。

先物取引の流れ

先物取引の契約から満期までの流れは以下のとおりです。

1.買い手側と売り手側で先物取引の契約成立(金銭の受け渡しなし)
2.満期前に決済する場合は、反対売買による転売や買戻しが可能
3.期間中に転売や買戻しを行わない場合、満期日に自動的に反対売買されて損益確定

ここから、先物取引開始にあたって準備することや、先物取引の発注方法について確認しておきましょう。

先物取引開始にあたって準備すること

先物取引の契約締結前に、あらかじめいくつか準備しなければならないことがあります。例えば、大阪取引所で先物取引を開始する場合、証券会社を通じて以下の準備が必要です。

1.先物・オプション取引口座開設の申込み
2.証券会社から送付された書類に記入して返送
3.証券会社の審査を経て先物・オプション口座開設
4.必要な証拠金の預け入れ

上記のほかに、各証券会社によって別途手続きが必要なケースもあります。

先物取引の発注方法

先物取引を発注するにあたって、銘柄・売りか買いか・数量・注文種類・注文条件を証券会社に伝えます。発注した後の決済方法は、反対売買により決済するケースと、取引最終日までに反対売買を行わずに満期日に自動決済するケースの主に2種類です。

反対売買は、先に「買い」から入っている場合は「転売」、「売り」から入っている場合は「買戻し」により決済を行います。

先物取引とは何か理解した上で取引しよう

先物取引とは、将来の決められた期日に、取引時に決めた価格で、特定の商品を売買することです。主な特徴として、「売り」から取引可能、取引には証拠金が必要、差金の受け渡しで決済という点が挙げられます。

価格変動リスクの軽減や、レバレッジ取引により短期間でも利益を期待できるというメリットがある一方で、証拠金以上の損失を抱えかねない点に注意が必要です。

先物取引とは何かを十分に理解した上で、取引するようにしましょう。

参考:日本取引所グループ「先物取引について」

ライター:Editor HB
監修者:高橋 尚
監修者の経歴:
都市銀行に約30年間勤務。後半15年間は、課長以上のマネジメント職として、法人営業推進、支店運営、内部管理等を経験。個人向けの投資信託、各種保険商品や、法人向けのデリバティブ商品等の金融商品関連業務の経験も長い。2012年3月ファイナンシャルプランナー1級取得。2016年2月日商簿記2級取得。現在は公益社団法人管理職。

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