オプション取引とはどんな取引?先物取引との違いも解説

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オプション取引とは、将来の決められた期日にあらかじめ決められた価格で、対象商品を「買う権利」や「売る権利」を売買することです。主な特徴に、買い手は損失が限定される一方、売り手は損失の上限がないため、証拠金が必要になる点が挙げられます。

本記事で先物取引との違いも学び、オプション取引とは何か理解しましょう。

オプション取引とは何かわかりやすく説明

もともとオプション(option)は、選択する権利を意味します。オプション取引とは、対象商品をあらかじめ定められた期日(または期間内)にあらかじめ決められた価格で、「買う権利」や「売る権利」を売買する取引のことです。

オプション取引を買い手の立場で例に挙げると、「10月1日に、特定の商品を1万円で買う(売る)権利をください」という契約を締結することを指します。

具体例や混同しやすい先物取引との違いを把握し、オプション取引についてより深く理解していきましょう。

オプション取引の例

オプション取引では、「買う権利」を売買するケースと「売る権利」を売買するケースがあります。また、取引の対象も、株価指数や国債先物、個別株などさまざまです。

具体的な取引をイメージするため、オプション取引で、「買う権利」が売買されたケースで、対象の株価が値上がりした場合と、値下がりした場合に分けて具体的にどうなるのかを確認していきましょう。

株価が値上がりした場合

「買う権利」を得て、あらかじめ決めていた株価より値上がりした場合、権利を行使して株式を購入すれば、株式市場を通じて購入するよりも安く調達できます。たとえば、株式を1万円で「買う権利」を有していれば、株式市場で株価が1万2,000円にまで上昇した場合に、権利を行使することで2,000円安く調達できるでしょう。

ただし、「買う権利」を購入する際にコストがかかるため、実質的な利益は2,000円よりも小さい金額です。

一方、「買う権利」の売り手は、買い手が権利を購入する際に支払ったコストが利益で、値上がりした分が損失となります。今回の例では、2,000円が損失です。

株価が値下がりした場合

たとえば、株式を1万円で「買う権利」を得るも、株価が値下がりして8,000円になった場合、権利を行使すると株式市場を通じて購入するよりも2,000円高く購入することになります。そこで、「買う権利」を行使しないということができます。

今回の例では「買う権利」を行使しないことで2,000円の損失は防げますが、権利購入にあたって別途コストがかかっていますので、結果的には損失となります。この際、買い手が支払ったコスト金額分が売り手の利益です。

今回の例では、買い手が権利を行使しない限り、売り手は2,000円(値下がりした分)を手にすることはできません。

先物取引との違い

オプション取引が将来売買できる「権利」の取引であるのに対し、先物取引は将来の売買を約束する取引という点が主な違いです。それぞれ1万円で株式を購入する契約を結んだと仮定すると、株価が下がった際にオプション取引は「買う権利」を放棄して損失を軽減できるのに対し、先物取引は予定どおり期日に1万円で購入しなければなりません。

先物取引の詳しい内容については、以下の記事を参考にしてください。

先物取引とはどんな取引?特徴やメリットから理解しよう

オプション取引の4つの特徴

オプション取引の主な特徴は、以下のとおりです。

1.レバレッジを効かせられる
2.損失が限定される(買い手の場合)
3.証拠金が必要(売り手の場合)
4.期限があるため塩漬けにならない

4つの特徴をそれぞれ確認していきましょう。

1.レバレッジを効かせられる

オプション取引の「買う権利」や「売る権利」の購入代金のことをプレミアムといいます。実際の現物価格より少額のプレミアムを支払うことで、より大きなリターンを期待できるため、オプション取引によりレバレッジを効かせられます。

本来、「てこの作用」を意味するレバレッジは、金融のシーンにおいて少額の資金で大きなリターンを狙うことです。

2.損失が限定される(買い手の場合)

オプション取引で「買う権利」を購入するも価格が下落したり、「売る権利」を購入するも価格が上昇したりしても、権利を放棄すればあらかじめ決めた金額で売買する必要がありません。

つまり、オプション取引における買い手の場合、相場が自分の予想とは反対に動いたとしても、損失がプレミアム分に限定される点が特徴です。

3.証拠金が必要(売り手の場合)

オプション取引の買い手の損失が限定されるのに対し、売り手は権利が行使されると必ず応じなければならないので、「買う権利」を行使された場合は損失が無限大で、「売る権利」を行使された場合も対象資産の価値がゼロになるまでの損失を抱える可能性があります。損失が拡大したとしても決済を確実に履行できるようにするため、売り手は証拠金が必要です。

証拠金は、オプション取引が成立した際に証券会社等に差し入れます。また、オプション取引の評価損などにより必要な証拠金が不足した場合、売り手は追加証拠金(追証)を差し入れなければなりません。

4.期限があるため塩漬けにならない

投資の世界では、現在価格が購入時よりも下がっており、売却すると損が出るためやむをえず長期にわたって保有している状態を「塩漬け」と呼びます。オプション取引の場合、権利行使に期日が定められているため、一般的に塩漬けにはならない点も特徴です。

塩漬けの状態を避けることで、投資資金を有効に活用できない事態を防げます。

オプション取引にまつわる用語を整理

オプション取引には、さまざまな用語が存在します。取引の仕組みを十分に理解できるように、用語を整理しておきましょう。

今回は、原資産、権利行使期日、権利行使価格、コールオプション、プットオプションについて解説します。

原資産・権利行使期日・権利行使価格

原資産はオプション取引や先物取引などで対象となる資産のことです。具体例として、株価指数、債券、為替、商品、金利、個別株などが挙げられます。

権利行使期日(権利行使日)とは、オプションの権利を行使できる特定の日(満期日)のことです。権利行使できるタイミングによって、満期日までの間であればいつでも権利を行使できるアメリカンタイプと、満期日を迎えないと権利を行使できないヨーロピアンタイプに分類されます。

権利行使価格とは、原資産を売買できる価格のことです。権利行使価格と原資産価格を比較し、オプションを行使しても利益が得られない状態を「アウト・オブ・ザ・マネー」、利益が受け取れる状態を「イン・ザ・マネー」、権利行使価格=原資産の状態を「アット・ザ・マネー」と表現することがあります。

コールオプション・プットオプション

オプション取引において、あらかじめ決めた権利行使価格で「買う権利」をコールオプションと呼びます。一方、あらかじめ決めた権利行使価格で「売る権利」がプットオプションです。

通常、対象商品の価格が上昇することが見込まれる場合、コールオプションを買います。予想どおりに価格が上昇すれば、コールオプションを行使することで市場より安い価格で商品を入手可能です。

また、対象商品の価格が下落することが見込まれる場合、プットオプションを買います。予想どおりに価格が下落すれば、プットオプションを行使することで市場より高い価格で売却可能です。

なお、コールオプションもプットオプションも、買うだけでなく売ることもできます。

オプション取引とは権利を売買する取引のこと

オプション取引とは、将来の決められた期日(権利行使期日)にあらかじめ決められた価格(権利行使価格)で、対象商品(原資産)を「買う権利」や「売る権利」を売買することです。主な特徴として、レバレッジを効かせられる、買い手は損失を限定できる、売り手は証拠金差し入れが必要などの点が挙げられます。

また、オプション取引では、基本的に塩漬けの状態になることがありません。仕組みを理解した上で、オプション取引に挑戦してみましょう。

参考:日本取引所グループ「オプション取引について」
参考:知るぽると(金融広報中央委員会)「オプション取引」

ライター:Editor HB
監修者:鈴木 靖子(ファイナンシャルプランナー、AFP認定者)
監修者の経歴:
銀行の財務企画や金融機関向けサービスに10年以上従事。企業のお金に関する業務に携わる中、その経験を人々の生活に活かすためにFP資格を取得。現在は金融商品を売らない独立系FPとして執筆や相談業務を中心に活動中。フリーランスがお金の知識を持つことの大切さを実感しており、フリーランス向けマネーブログを運営している。

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