投資を学びながらポイント運用。「StockPoint for CHEER証券」が作る新しい投資の入り口
最近、「Learn to Earn(L2E:学びながら稼ぐ)」や「Play to Earn(P2E:遊びながら稼ぐ)」といったビジネスモデルが増えている。学ぶ(遊ぶ)ことで稼げるため、それ自体が目的になり、ユーザーの学習意欲が湧きやすいのがメリットだ。
投資でもそんなサービスが出ている。昨年10月に提供開始された「StockPoint for CHEER証券」だ。投資を学びながらポイントをため、いずれは実際の株式に交換できる。
このサービスを開発したのは、ポイント運用サービスを提供するSTOCK POINTと、東海東京フィナンシャル・ホールディングスの子会社であるCHEER証券。「投資の入口」として作られた本サービスは、どんな経緯で生まれ、どういった形で学びながら資産を増やすのか。STOCK POINT 広報 マネージャーの藤江千津氏と、CHEER証券 ビジネス企画部長の沖田吉孝氏に聞いた。
ほかのSTOCK POINTが提供するポイント運用サービスにはない、大きな特徴とは
まずは「StockPoint for CHEER証券」の誕生経緯から触れていきたい。CHEER証券は2022年3月に開業した新しい証券会社。同じグループの東海東京証券は対面取引を軸にしているが、CHEER証券はオンライン専門でサービスを展開。「若い方やこれから投資を始める方に向けた証券会社」だと沖田氏は話す。
CHEER証券では、投資初心者のハードルである「難しそう」「損をしたくない」「何をしたらいいかわからない」といった不安に向き合い、ワンコイン(500円)から投資できるサービスを展開。米国株や米国ETFを原則24時間取引できる形にした。
とはいえ、それでも投資をやったことのない人に対して一足飛びに「投資をしましょう」といっても限界はある。そこで注目したのがポイント運用だった。
「ポイント×投資のサービスを提供する企業は多数あるが、なかでもSTOCK POINTはポイントで投資を疑似体験でき、さらにそのポイントを実際の株式に変えられるという、投資の世界に踏み出すための素晴らしい技術を持っています。その技術とCHEER証券のサービスを融合して、投資を始める皆さまを応援したいという考えから今回のサービスが生まれました」
そうして誕生したStockPoint for CHEER証券とは、一体どんなサービスなのか。今回と同様、「StockPoint for ○○」と名のついたサービスはいくつかあり、いずれも個別企業株やETFなどに連動して自身の保有するポイントを運用できる。個別企業株とポイントを連動させる技術はSTOCK POINTの特許であり、もちろん今回のサービスにも含まれている。
ただし、StockPoint for CHEER証券には、いままでにない大きな特徴がある。「元手となるポイントが不要」という点だ。藤江氏が説明する。
「STOCK POINTが提供しているポイント運用サービスは、お客さま自身が保有している共通ポイントを元手に、株式やETF、その他金融商品を選択してポイント運用を行っています。しかしStockPoint for CHEER証券は、共通ポイントを持っていなくても、定期的に行われるキャンペーンに参加し、クイズに正解するとクイズの内容に沿った銘柄に連動したポイントがもらえます。そしてそのポイントを運用して頂くことが可能です」
「学びながら資産を増やす」につながる、1日1回の2択クイズ
具体的な仕組みを説明したい。StockPoint for CHEER証券では、これまで定期的にキャンペーンが行われてきた。そのキャンペーン中は2択クイズを1日1問出題。正解するとポイントが得られる仕組みとなっている。そして、この「クイズでポイントをためる」という点が、冒頭で記した「Learn to Earn」につながっている。
「2択クイズでは株の銘柄や投資にちなんだ問題が含まれていて、自然と投資を学べるようになっています。さらに時事ネタと絡めて問題を作るなど、参加者に関心を抱いてもらい、楽しみながら使ってもらえるように心がけていますね」(沖田氏)
一例として、2022年のサッカーワールドカップ開催時には、長友佑都選手(日本代表)のスパイクのメーカーに関するクイズを出題。日常の出来事や興味に通じる内容となっている。
言うまでもなく、勉強や学びは“押し付けられる”と意欲が湧かないもの。そこでポイント獲得を動機に、あるいは単純な日々の楽しみとしてクイズを行い、投資を学んでもらうのが狙いだ。
さらにはクイズをきっかけに「そういえばナイキの株価ってどのくらいなんだろう」と見る流れが生まれれば理想的。
「問題の難易度も幅広く、正解率100%に近いやさしい問題もあれば、やや難しいものも。たとえばアメリカの株式は、銘柄ごとに『ティッカー』と呼ばれる、アルファベットの略称がついています。アップル社なら『AAPL』というように。ティッカーに関する問題は、正解と微妙に似せたアルファベットの2択となり、投資初心者の方は少し考えるかもしれません。きっとその場で調べて答える方もいると思いますが、それも学びのひとつです」(藤江氏)
クイズに正解すると、いったんクイズにちなんだ米国株・米国ETFの銘柄に連動したポイントが進呈される。ただし、連動する銘柄はいつでも変更が可能。今回のサービスでは、40銘柄以上の米国株・米国ETFから選択できる。
なお、ポイントを“何かの銘柄に連動した状態”で進呈する仕組みにも、投資初心者への計らいがある。
「投資初心者にとって『最初の銘柄選び』は大きなハードルですよね。ポイントだけもらっても、どの銘柄を選べば良いか迷いますし、迷っているうちに選べなくなってしまう方が多い。それならば、最初から特定の銘柄に連動するポイントでお渡しし、途中で変えられる形が良いと考えました」(藤江氏)
加えて、正解を重ねると多様な銘柄のポイントが自動的にたまるので、各種銘柄の値動きを比較できる。「銘柄ごとに値動きが異なることを知ってもらえれば」と藤江氏は続ける。
クイズでもらえる「3000円分のポイント」が実際の株式に
こうしてたまったポイントは、1ポイント1円として実際の米国株・米国ETFに交換できる(※StockPoint for CHEER証券以外から口座開設している場合や、2回目以降に参加したキャンペーンでポイントを受け取る場合は、ポイント数の計算方法が変更される)。2023年2月に実施された第3弾「米株もらえるキャンペーン」では、クイズに全問正解すると3,000円分のポイントが手に入ることになる。
交換する際にはCHEER証券の口座開設が必要だが、こういった形で投資の一歩目を後押しするのがStockPoint for CHEER証券なのだ。
「このサービスを使って、楽しみながら投資を学んでもらえたらうれしいですね。最初の動機は気軽でいいんです。『クイズをやってみよう』でも、『3,000円欲しい』でも構いません。そうやってクイズを解き、ポイント運用を行う中で、一つひとつの銘柄の動きが気になったり、その理由を調べ始めたり。そんなきっかけになればいいですね」(沖田氏)
「元手のポイントなく始められるのはこのサービスの大きな特徴ですし、米国株でポイント運用をした後、実際の株式に交換できるのは、当社が提供しているポイント運用サービスの中ではStockPoint for CHEER証券だけ。そういった点も魅力だと思います」(藤江氏)
学びながらポイントを増やし、実際の投資につなげる。数年前から「投資の入り口」として活用されているポイント運用サービスだが、ここに来てさらに進化しているようだ。
(取材・文/有井太郎 撮影/森カズシゲ)
※記事の内容は2023年3月現在の情報です