【日経記事でマネートレーニング37】資産形成編(4)始めてみよう外国株投資~保険の効果を享受

提供元:日本経済新聞社

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このコーナーでは、日経電子版や日本経済新聞の記事を題材に、投資のリテラシーや資産形成力の基礎知識を身につけることを目的にしています。これまでは株式相場や金融市場に関するテーマが中心でしたが、2023年からは資産形成全体にジャンルを広げて解説します。

毎回できるだけ異なるテーマを取り上げ、読み続けるうちにぐるりと資産形成の話題を一巡して網羅的体系的に基礎リテラシーが身につくように配信していく予定です。

5月は「初めての外国株」です。「日本株さえ知らないのにとてもとても…」と退かないでください。身近な存在ですし、何よりしっかりとした資産形成を目指すには避けて通れないテーマです。

いくつ知ってますか?~日本株より身近な外国

サンプル記事をご覧ください、と言いたいところですが、今回は趣向を変えて1問クイズをやってみましょう。読者のみなさんが米国企業をどれだけ知っているか、というクイズです。アンケートに近いかもしれませんが、どうでしょうか。20社の企業。1問5点で4分の3以上、75点なら合格点。外国株投資の資質はじゅうぶんにあり、といえるでしょう。

結論から申し上げると株のことがあまり詳しくない方でもクリアできるはずです。私の山カンでは小学生でも8割は回答可能ではないかと考えます。

答えは日常生活にあります。
ちなみに私の1日を明かすと、朝起きるとまず(1)アイフォンでメールと(2)ツイッターをチェックします。(3)スターバックスのコーヒーで目を覚まし、(4)マイクロソフトのTeamsと(5)グーグルmeet、あるいは外部顧客とは(6)ズームでリモート会議に臨みます。パソコンは国内製ですが、チップは(7)インテル製です。休憩時に(8)コカ・コーラを飲み、仕事が終わったあとは(9)アマゾンで買い物をして(10)ビザで決済しました。寝る前に先週の旅行写真を(11)フェイスブックにアップしました。

これが小学生でも回答できると思われる理由です。米国企業はむしろ日本企業よりも深く広く、そして身近な存在として日常生活に入り込んでいるのです。

個別株投資はその企業の事業への投資ですから事業内容さえわかっていればじゅうぶん可能です。国民の生活が米国製サービスに依存しているということは逆にいうとみなさんは外国株投資への知識のインフラがある程度備わっているということだからです。

適正な金融ポートフォリオ形成に欠かせぬ「保険効果」

肩の力がずいぶん抜けたのではありませんか。実際、企業価値を表す株式時価総額のランキングをみると世界ナンバーワンは米国のアップル社です。日本最大のトヨタ自動車は日米比較では30位前後にランクインします。より安全でブランド力の高い企業を買う、という視点でも外国株は有力な投資対象といえるわけです。

もっとも、外国企業にいきなり飛びつくのはやっぱり冒険と思う方は多いでしょう。右の日経電子版記事をご覧ください。個人マネーが海外に流出し、外国株インデックス連動型の投資信託などが人気になっているというニュースですが、このたぐいの記事が2022年以降数多く報じられています。

理由は簡単ですね。ドル高・円安でドル建て金融資産への投資が有利だからです。円安の影響で日本では物価上昇が進み生活コストが切り上がっていますが、ドル建て資産は対円で増えていき、生活収支の悪化を補ってくれます。

短期的なメリットだけではありません。ここ数カ月、日本の少子高齢化と人口減に関するニュースがかなりの危機感をもって伝えられています。しかし、世界の人口はなお増加基調ですし、途上国を中心とした生活水準の向上で世界経済は成長しています。海外株は世界全体の景気に連動しますから、人口減・高齢化などで潜在成長性の乏しい日本のリスクを受けにくくなります。

そして、運用理論からは一定の外国株を持つことが推奨されているのです。理論上は金融資産全体の4分の1を保有することが推奨されています。投信・ETFでも個別株でもかまいませんが、外国株を一定量保有することは、金融資産全体の価格(価値)変動を抑える保険の効果をもたらすからです。外国株を敬遠するのではなく、積極的に金融資産に組み入れなければならない大きな理由の一つです。

資産形成ならインデックスを、個別株はメガ企業を

では、最後にまとめましょう。まず、ネット証券などに口座を開設しているならだれでも外国株投資は可能です。前回、掲載した少額投資非課税制度(NISA)もぜひ利用しましょう。

初心者や投資の未経験者で、ひとまず資産形成のためだけに外国株を考えたいという場合は世界株に連動するETFや投資信託を購入対象にしましょう。世界株といっても米国企業のウエイトが圧倒的に大きいので北米株、米国市場の株価インデックスに連動する商品などでもOKです。

インデックス型投信は商品の本質上、つみたて投資が向いています。長期コツコツ時間をかけて世界経済成長の恩恵を享受しましょう。ただし、「考えない運用」を実践しますから、金融リテラシーの向上は望めません。

個人的には経験の有無にかかわらず、興味さえあれば個別株をどんどんやってよいと思います。経済と実業の両面で大きな学びを得られるからです。専門的なリテラシーはたしかに必要ですが、座学でわかったつもりになってもあまり意味がありません。外国株を購入したあと、投資指標や決算、材料の読み解き方などを学んでいけばよいと思います。

ただし、事業のわかる銘柄に絞ることが大切です。日経電子版でもニュースは出ますが、時価総額の大きいメガ企業が中心になり、細かな個別ニュースまではなかなか入ってきません。保有銘柄の情報管理や材料判断をするうえでは先ほどクイズにあげたようなビッグな企業を投資対象とするのがおすすめです。

「わたし、iPhoneの持ち主です」ではなく「わたし、アップル社の株主です」って言ってみたくはありませんか?

(日本経済新聞社コンテンツプロデューサー兼日経CNBC解説委員 田中彰一)

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