プロが語る!資産形成のすゝめ

いつでも売買できるETFだけど

ETFが上場廃止になったら、どうする?!

提供元:三菱UFJ国際投信

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取引所で株式と同様に売買できるETF。リアルタイムで売買でき、手軽な分散投資の手段として投資できるのも魅力ですが、実は株式と同じように上場廃止になることもあります。

ETFの場合、運用会社がETFの提供を取りやめる判断をした場合や運用を終了する条件が満たされたなどの場合には、所定の手続きを経て上場廃止となり、ETFの運用を終了することになります。これを、ETFの「償還」といいます。この場合、ETFで保有している資産を現金化したうえで、償還まで保有していた投資家に返金することになります。

ETFの償還はあまり多くはないですが、とびきりレアでもありません。現在、東証に約300本のETFが上場されていますが、これまで償還となったETFは約60本あります。

ETFに投資するとき、自分の買い付けたETFがなくなってしまうかも!?なんてことを想像することはあまりないと思いますが、もしそうなったときに気をつけておくことはあるでしょうか?

ETFを償還まで持っていたら・・・

一般的には、ETFが償還することが決まった後も上場廃止になるまでは1ヵ月程度の期間があり、その間は整理銘柄として取引が可能です。売買可能なうちに取引所で売却するのであれば、特に通常の売却と変わる点はありません。

気をつけておきたいのは、売却しないまま、結果的にETFの運用が終わる日(償還日といいます)まで持ち続けたケースです。

償還日までETFを持っていた場合、お持ちのETFは、償還日の時価にもとづく単価で自動的に換金されることになります。この単価は、運用会社がETFの保有資産の時価に基づいて算出する値(償還価額といいます)で、各投資家は、その単価に保有口数を乗じて計算された金額(償還金といいます)を受け取ることになります。

償還金の取り扱いとは・・・

この償還金の取り扱いについては以下の点で上場中にETFをご自身で売却した場合の売却代金の取り扱いと違いがあります。この違いをみていきましょう。

(1)受け取り方法
(2)価格
(3)受け取りタイミング
(4)NISAや特定口座での取り扱い

(1)受け取り方法

償還金の受け取り方法はETFの売却代金や分配金の受け取り方法と異なる場合があります。償還金は売却代金が入金されるのと同じ証券口座や銀行口座に入金される、とは限らないのです。

特に、売却代金や分配金を証券口座で受け取っている場合、償還金の受け取り方法は変わってきます。

投資家の皆さんは、配当金・分配金の受け取り方法を指定していると思います。ETFの場合、償還金の受け取り方法は分配金の受け取り方法に応じて以下のようになっています。分配金を証券口座で受領されている場合、償還金を証券口座で受け取ることはできませんので注意が必要です。

(2)価格

上場廃止前に、ご自身で取引所で売却する場合、株式と同様にリアルタイムで変化する価格での取引が可能ですので、同じ日に取引したとしても取引ごとに異なる約定価格(売却価格)となります。

一方、上場廃止後、償還まで持ち続けた場合は、償還日に運用会社が算出する償還価額が換金の単価となるため、償還日までお持ちの投資家は、皆さま同じ単価で換金されることになります。

(3)受け取りタイミング

売却代金は、株式と同様に取引の約定日の2営業日後に受け取ることができます。

一方、償還金は償還日から40日以内に支払われるとの規定があり、実際にもほぼ40日後に支払われることになります。このため、売却代金に比べ、受け取るまでの期間が長くなります。

※上記は償還金の取り扱いの概要であり、一般的なケースの説明です。

(4)NISAや特定口座での取り扱い

1.少額投資非課税制度(NISA)の口座でETFを保有されている場合

償還金はNISAの対象外となります。このため、償還金の受け取りの際に譲渡益が生じる場合、その譲渡益については確定申告を行う必要があります。

2.特定口座(源泉徴収あり)で保有されている場合(損益通算するケース)

償還金は特定口座内で受け取ることができません。このため、償還金の受け取り時の譲渡損益について、特定口座内での自動的な損益通算は行われません。損益通算する場合は別途確定申告を行う必要があります。

以上のように償還金で受け取る場合と売却代金で受け取る場合とでは取り扱いが異なりますので注意が必要です。もしも保有しているETFの償還が決まったとしたら、こうした点も踏まえてご自身に適した現金化の方法を選択いただければと思います。

(提供元:三菱UFJ国際投信)
※2023年10月1日より商号を三菱UFJアセットマネジメント株式会社に変更します。

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