新規上場ETF・ETNの横顔

2023年10月6日上場

2094:東証REITインバースETF

提供元:シンプレクス・アセット・マネジメント

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2023年10月6日に東証REITインバースETF(銘柄コード:2094)が新規上場することから、この新しいETFの特徴、組成や設定のねらいについてご紹介いたします。

基本情報

銘柄名・コード 東証REITインバースETF(2094)
ファンドの特色 東証REITインバースETFは、東証REITインバース(-1倍)指数を対象指標とし、東証REIT指数先物取引を利用することにより、基準価額の変動率を対象指標の変動率に一致させることを目指すETFです。
対象指標 東証REITインバース(-1倍)指数
対象指標の概要 東証REITインバース(-1倍)指数は、原指標である東証REIT指数(配当なし)(以下、「東証REIT指数」といいます。)の前日比変動率に対して一定の負の倍数、すなわち-1倍、を乗じた変動率となるように計算された指数です。
東証REITインバース(-1倍)指数の基準日は2018年12月7日であり、基準値は10,000ポイントです。
東証REITインバース(-1倍)指数は、2018年12月7日の値を10,000ポイントとして基準化したものであるため、原指標である東証REIT指数の値とは異なります。
計算期間 毎年10月13日~翌年10月12日
(※最初の計算期間は2023年10月5日から2024年10月12日まで)
分配金支払基準日 10月12日(年1回)
管理会社 シンプレクス・アセット・マネジメント株式会社
信託受託会社 三井住友信託銀行株式会社
売買単位 1口単位
信託報酬 0.75%(税込0.825%)以内
上場日 2023年10月6日(予定)

新しいETF組成の思い

日本の不動産投資信託(REIT)への投資ニーズは根強いものがあります。一方でREITのポジションをヘッジするための金融商品には限りがあります。特にETFにおいてはこれまで存在しませんでした。

このREITポジションのヘッジニーズに応えるために、当社は「東証REITインバースETF(銘柄コード:2094)」を上場させることとしました。

新しいETFの特徴

「東証REITインバースETF(銘柄コード:2094)」は、東証REITインバース(-1倍)指数を対象指標とし、東証REIT 指数先物取引のデリバティブ取引を利用することにより、基準価額の変動率を対象指標の変動率に一致させることを目指します。

連動する指数の特徴

東証REITインバース(-1倍)指数は、下記の計算式を用いて原指標である東証REIT指数(配当なし)(以下、「東証REIT指数」といいます。)の前日比変動率※に対して一定の負の倍数、すなわち-1倍、を乗じた変動率となるように計算された指数です。

名 称:東証REITインバース(-1倍)指数
英文名称:Tokyo Stock Exchange REIT Inverse (1x) Index

当日の指数値=前日の指数値×(1-1倍×東証REIT指数の前日比変動率)

※ 前日比変動率(%)は、小数第3位四捨五入

東証REITインバース(-1倍)指数の基準日は2018 年12 月7 日であり、基準値は10,000 ポイントです。
東証REITインバース(-1倍)指数は、2018 年12 月7 日の値を10,000 として基準化したものであるため、原指標である東証REIT指数の値とは異なります。

1.インバース型指標の特性及び留意点
インバース型指標は、値動きや想定されるリターンが通常の指標とは異なる特性を有しています。

(1)特性

・東証REITインバース(-1倍)指数は、変動率が東証REIT指数の日々の変動率の逆(-1倍)となるように算出されているため、前営業日と比較するとその変動率は東証REIT指数の-1倍となりますが、2営業日以上離れた期間での比較においては、複利効果により、東証REIT指数の変動率の-1倍以上又は未満となる場合があります。

・特に、東証REIT指数が上昇・下落を相互に繰り返す場合、上記の複利効果により東証REITインバース(-1倍)指数は逓減していくという特性があり、このような場合、投資者は利益を得にくくなりますので留意が必要です。

・東証REITインバース(-1倍)指数は、東証REIT指数が下落トレンドにある場合において上昇する指標であるため、東証REIT指数の下落を見込む場合には有用です。

(2)留意点

<例1.原指標が下落局面にある場合>

図1のように、原指標である東証REIT指数が一方的に下落する局面を考えます。このとき、「東証REITインバース(-1倍)指数」の日々の変動率は、原指標の日々の変動率と逆の変動率(東証REIT指数の日々の変動率の-1倍)を達成しています。

しかしながら、2営業日以上離れた期間の場合(基準日→2日目)を比較してみると、東証REIT指数が14.5%下落(100→85.5)したのに対し、「東証REITインバース(-1倍)指数」は15.5%上昇(100→115.5)しており、その変動率は原指標の変動率の完全な-1倍にはなりません。

このようにインバース型指標は、相場の下落局面でリターンを狙うことが可能ですが、2営業日以上離れた期間で比較した場合は、想定した変動率(原指標の-1倍)とは異なる上昇率となってしまう点(注:例1の15.5%上昇は、14.5%下落の-1倍である+14.5%上昇とは異なります。)、そして、投資期間が長期になればなるほど、原指標の変動率とインバース型指標の変動率の乖離が大きくなる可能性が高まる点に留意が必要となります。

【図1:原指標である東証REIT指数が一方的に下落する局面】

<例2.原指標が上昇局面にある場合>

次に、図2のように原指標である東証REIT指数が一方的に上昇する局面を考えます。このとき、「東証REITインバース(-1倍)指数」の日々の変動率は、やはり原指標の日々の変動率の-1倍を達成しています。

しかしながら例1と同様に、基準日から2日目にかけての変動率を見ると、東証REIT指数が15.5%上昇(100→115.5)したのに対し、「東証REITインバース(-1倍)指数」は14.5%下落(100→85.5)しており、その変動率は原指標の変動率の完全な-1倍にはなりません。

このようにインバース型指標は、相場の上昇局面においては下落していきますが、2営業日以上離れた期間で比較した場合は、想定した変動率(原指標の-1倍)とは異なる下落率となってしまう点(注:例2の14.5%下落は、15.5%上昇の-1倍である-15.5%とは異なります。)、そして、投資期間が長期になればなるほど、原指標の変動率とインバース型指標の変動率の乖離が大きくなる可能性が高まる点に留意が必要となります。

【図2:原指標である東証REIT指数が一方的に上昇する局面】

<例3.原指標が下落・上昇を繰り返す場合>

最後に、図3のように原指標である東証REIT指数が下落・上昇を繰り返す局面を考えます。このときも、「東証REITインバース(-1倍)指数」の日々の変動率は、原指標の日々の変動率の-1倍を達成しています。

しかしながら、東証REIT指数は下落・上昇を繰り返しながらも3日目に基準日と同じ水準(100→100)に戻っているのに対し、「東証REITインバース(-1倍)指数」は複利効果が働くため、100→98.6と基準日と同じ水準に回復していません。

このように、相場の方向感が定まらず、原指標が下落や上昇を相互に繰り返した場合、インバース型指標は複利効果によって、原指標と比較してパフォーマンスが逓減して行くという特性がありますので留意が必要です。

【図3:原指標である東証REIT指数が下落・上昇を繰り返す局面】

2.原指標に連動するETFとの利益・損失の違い
変動率が原指標の変動率の-1倍となるよう算出されるインバース型指標の場合、原指標とは逆の利益・損失となります。

3.留意すべき投資スタイル
・インバース型指標は、中長期にわたって投資をする場合、原指標の変動率とインバース型指標の変動率の乖離が大きくなる可能性があり、留意が必要です。
・原指標の上昇と下落が相互に繰り返されるような相場においては、複利効果により、原指標と比較して指数のパフォーマンスが逓減して行くという特性があり、投資者は利益を得にくくなりますので、留意が必要です。

連動指標のパフォーマンス

<期間>2018年12月7日から2023年9月8日
<出所>株式会社JPX総研
<期間>2018年12月28日から2023年8月31日
<出所>株式会社JPX総研

【参考情報】
● 情報ベンダーコード
(ETFコード)
Quick:2094/T、Bloomberg:2094 JT Equity、Refinitive:2094.T
(対象指標)
Quick:549、Bloomberg:TSEREITI <INDEX>、Refinitive:.TREITINV1

● 対象指標の算出要領
https://www.jpx.co.jp/markets/indices/line-up/files/cal2_15_levinv.pdf

東証REITインバース(-1倍)指数について
(1)「東証REITインバース(-1倍)指数」の指数値及び「東証REITインバース(-1倍)指数」に係る標章又は商標は、株式会社JPX総研又は株式会社JPX総研の関連会社(以下「JPX」といいます。)の知的財産であり、指数の算出、指数値の公表、利用など「東証REITインバース(-1倍)指数」に関するすべての権利・ノウハウ及び「東証REITインバース(-1倍)指数」に係る標章又は商標に関するすべての権利はJPXが有します。JPXは、「東証REITインバース(-1倍)指数」の指数値の算出又は公表の誤謬、遅延又は中断に対し、責任を負いません。
(2)当ファンドは、投資信託委託業者等の責任のもとで運用されるものであり、「JPX」は、その運用及び当ファンドの受益権の取引に関して、一切の責任を負いません。
(3)「JPX」は、「東証REIT指数」の構成銘柄、「東証REITインバース(-1倍)指数」及び「東証REIT指数」の計算方法並びに「東証REITインバース(-1倍)指数」及び「東証REIT指数」の内容を変える権利及び公表を停止する権利を有しています。

用語解説

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