2024年に生まれ変わるNISA 本から開く金融入門

【三宅香帆の本から開く金融入門】

「新NISAを始めたいけど、情報がありすぎて混乱する……!」という方におすすめの新NISA解説本『日経マネーと正直FPが考え抜いた! 迷わない新NISA投資術』

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新NISAって聞いたことありますか?

新NISA、という言葉を聞いたことがある人は多いかもしれない。

2024年1月から開始した制度だ。2023年までの「NISA」と比較して、投資可能額と非課税保有期間が広がることになった。

なんとなく新NISAはやったほうがいい、というニュースやネット記事を見かけた人はいるかもしれない。しかし新NISA、いまいちネットで調べてもわかりづらい。結局、どの銘柄を買えばいいの? ていうか現行NISAはどうなるの? いつ始めるのがベストなんだろう? ……など、疑問は尽きない(私もだ)。

そんな疑問を持った方にぜひおすすめしたい一冊がある。

『日経マネーと正直FPが考え抜いた! 迷わない新NISA投資術』だ。本書には、新NISAに関するわかりやすい解説が掲載されている。「とりあえず新NISAに関してプロの見識が知りたい」という方に読んでほしい。

著者は、マネー専門誌『日経マネー』編集者の大口克人、そして「金融・保険商品を一切売らない」ことで信頼を得ているファイナンシャル・プランナーの菱田雅生。ふたりがおすすめする新NISAの銘柄や、投資タイミングについて、本書は丁寧に解説してくれている。

そもそもNISAとは?

そもそもNISAとは何だろう?

NISAとは、国の制度によって、非課税で投資ができる口座のこと。普通、投資の利益には税金がかかる。たとえば会社で所得を得たら所得税が課せられるのと同様に、通常の株式投資には儲かった金額にあわせて税金が課せられる。だがNISA口座の投資であれば、儲かっても非課税なのだ。

いわば、「儲かっても税金を課しませんから、みんな、投資を始めましょうね~」と国が投資を奨励する制度がNISAなのである。

だが2023年までのNISAで運用できる投資額・期間には限度があった。そのため、NISAの額を超えた投資をしたいと思ったら、これまでは税金を払うしかなかったし、NISA口座を開設できる期間も決まっていたので急ぐ必要があった。

しかし2024年から、このNISA口座の限度額も期間もが改正された。これまで40万円と決められていたつみたて投資の年間投資限度額が、「新NISA」では、120万円に変更になったのだ。3倍の限度額。そして期間も無期限となったので焦る必要もない。とても大きい改正なのがわかるのではないだろうか。

さらに、成長投資枠の限度額や保有期間も変更され、さまざまな改善がなされた。詳しいことはぜひ本書を読んで、「新NISA」がどれほどお得になった制度なのか知ってほしいが、とにかく「NISAが改良された!」ということは確かであるらしい。

新NISAについての具体的な説明が載っている本

なぜここまでNISAの制度が改良されたのか? それはひとえに日本政府が私たちに投資を始めてほしいからだろう。日本人は貯蓄額が高く、給料も「とりあえず貯金」と考える人が多い。しかし投資を奨励したい人々が、ここまで非課税の投資枠をつくりだしたのだ。とにかく、今は投資の開始しどきであることは間違いないだろう。

だが、やみくもにNISAについて調べても、情報が多すぎてネットで有益な知識を得られづらい。何が何だかわからなくなる。だからこそ本書のような、新NISAについて具体的に、詳しく教えてくれる本が意味を持つのだろう。

私が本書で良いなと思った点は、「新NISAの投資限度額はどのタイミングで使い切ったほうがいいのか」という疑問について具体的に教えてくれているところだ。

NISAを始めようとしても、たとえば毎月積み立てるほうがいいという人もいるし、あるいは一気にできるかぎりつぎ込んでしまったほうがいいという人もいるし、さまざまなやり方がある。正直、素人にはよくわからない。もちろん、株なんだから安いタイミングで買うことに越したことはないが……正直いつが安いかなんて、わからない、というのが本音だ。

しかし本書は「いつ投資を始めるべきなのか」「限度額はどの程度使い切るべきなのか」といった疑問に答えを出している。回答についてはぜひ読んでほしいが、説得力のある説明に、「この本に従おう……!」と私は安心させてもらった。

ライフスタイルごとの運用プラン

さらに、本書は「年齢・既婚かどうか・子持ちかどうか・シングルペアレントかどうか」などのライフスタイルごとに、おすすめの新NISA運用方法を書いてくれている。

たしかに、人生でどれくらい現金が必要なのか、パートナーと一緒に投資をするかどうか、かなり家庭やライフスタイルによって変わってくる。もちろん本書が書いてくれている運用方法も、あくまで参考にする程度で、一例でしかない。しかしそれでも具体的に「こういうライフスタイルだったら、これくらい現金が必要だから、新NISAはこういうふうに運用する」と説明してくれていると、自分の運用の参考にもなる。

実際、みんなどれくらい現金で貯金しているのか? 投資の銘柄はどうやって決めているのか? なんて、友達同士でも話しづらいトピックだ。だからこそ、本書のような具体的な運用プランは、参考になる人が多いのではないだろうか。

自分のライフステージが変わったら、投資も見直したらいい。本書はそう述べる。

私たちは、自分の生き方にあわせて、投資も変えていけばいい。――そんなメッセージを、新NISAの解説を通して、著者たちは読者へ伝える。

本書を読むことで、新NISAについて考え、そのうえで自分の運用についてあらためて考えることができるのだ。
新NISAの手続きをまだしていない、けれど早くやりたい。でも情報がありすぎて、自分に合った銘柄や投資タイミングがよくわからない。

そんなあなたに、ぜひ本書を読んでほしい。

金融といえども、正解があるわけではない。人生や生き方にあわせて、金融商品を選べばいい。そんなメッセージを伝えてくれる本である。

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著者/ライター
三宅 香帆
京都大学大学院人間・環境学研究科卒。会社員生活を経て、現在は文筆家・書評家として活動中。 著書に『人生を狂わす名著50』『文芸オタクの私が教える バズる文章教室』『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』などがある。フリーランスになったことをきっかけに、お金の勉強を始めている。
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