福永博之先生に聞く信用取引入門

【信用取引入門】第2回:信用取引とは?

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こちらの記事は
【福永博之先生に聞く信用取引入門】
第1回:信用取引について知っておこう!からの続きです。

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では、信用取引について詳しく解説していきます。

信用取引は、証券会社から投資資金や株券を借りて行う取引のことを言います。また、信用取引を行うためには、証券会社に別途信用取引口座を開設する必要があります。この信用取引口座が開設されて初めて信用取引が可能になりますので覚えておきましょう。(信用取引口座開設については、取引をおこなっている証券会社のホームページなどで確認してください。)

続いて、証券会社に信用取引口座が開設されると、投資資金を信用取引口座に預けます。そしてその預けた資金を基に投資したい企業の株式を購入すると、信用取引口座で株式を購入したことになります。

ただ、信用取引で購入した株式は、現物株の取引とは若干異なる呼び方になります。
例えば、○○株式会社の現物株を100株購入したい場合、保有株式となりますが、信用取引の場合は「建玉(たてぎょく)」と呼ばれます。

これは、現物株と信用取引を区別するためで、信用取引で購入した株式は建玉と呼ばれ、信用取引口座ですべて管理されます。
そのため、現物株と区別して売買注文を出すことができ、投資家にとっても分かりやすい管理システムになっていると言えるのではないでしょうか。

続いては信用取引で購入した株式の売りについてです。信用取引で購入した株式(建玉)を売ることを「返済(へんさい)」と呼んでいます。現物株の場合、「売却(ばいきゃく)」と呼ばれることが多いと思いますが、信用取引の場合は呼び方が異なるのです。

では、なぜこのような呼び方になっているのでしょうか。この疑問を解決するために、信用取引の仕組みについて解説します。
冒頭、信用取引は証券会社から投資資金や株券を借りて行う取引だと説明しましたが、ここにヒントが隠れています。

信用取引は、信用取引口座を開設したあとに預けた資金を保証金(担保)として、資金を借りて取引を行うため、借りた資金を返済するという意味合いがあるのです。また、信用取引口座を使って購入した株式も、現物株は手元にないため建玉として管理されます。

では、なぜこのような仕組みが存在するのでしょうか。それは取引を活性化させるため、また、取引の流動性を高めるために導入された制度なのです。この制度があれば、投資家から見れば、資金が足りなくても売買が可能になります。
さらに、信用取引で流動性が高まると、取引に厚みができ、売りたい数量を売りたい金額で売却することができる可能性が高まり、現物株の取引しか行わない人にとっても有益な制度と言うことができるのです。

このように信用取引は、現物株と同様に売買することができることに加え、市場の活性化にも役立っている制度と言うことができ、活用の仕方次第では、投資家の取引の幅が広がる重要な制度であると言うことができます。

【第3回】はこちら

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著者/ライター
福永 博之
国際テクニカルアナリスト連盟 国際検定テクニカルアナリスト
日本テクニカルアナリスト協会・前副理事長

勧角証券(現みずほ証券)を経て、DLJdirectSFG証券(現楽天証券)に入社。同社経済研究所チーフストラテジストを経て、現在、投資教育サイト「itrust(アイトラスト) by インベストラスト」を運営し、セミナー講師を務めるほか、ホームページで毎日マーケットコメントを発信。テレビ、ラジオでは、テレビ東京「モーニングサテライト」(不定期)、日経CNBC「昼エクスプレス」(月:隔週担当)、Tokyo MX「東京マーケットワイド」(火:午後担当)、ラジオ日経「ウイークエンド株」(有料番組)、「マーケットプレス」(金:午後隔週担当)、「スマートトレーダーPLUS」(木:16時~16時30分放送)などにレギュラー出演中。また、四季報オンラインやダイヤモンドZAIなどのマネー雑誌にも連載を持つ。著書には「テクニカル分析 最強の組み合わせ術」2018年6月発売(日本経済新聞出版社)、「ど素人が読める株価チャートの本」(翔泳社)などがあり、それぞれ台湾で翻訳出版され大好評。テクニカル指標の特許「注意喚起シグナル」を取得、オリジナルで開発した投資&ビジネスメモツールi-tool(アイツール)を提供中。
著者サイト:https://www.itrust.co.jp/

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