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兜のささやき(Vol.13)物価高・賃上げの動向は?キャッシュレス決済に注目集まる

提供元:いちよし証券

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株の神様の声が聞こえるというTさんは、定期的にその教えを受けています。今日は、Tさんと神様は、神社の境内を散歩しながら投資談義を行っています。

物価高・賃上げの動向は?キャッシュレス決済に注目集まる

神様:さて、今日は「キャッシュレス決済」に注目しましょう。まず、2024年は「お金」にまつわるイベントが多数ありますが、わかりますか?

T:1月1日から、新NISAがスタートしました。お金・投資への関心が高まり、投資がより身近なものになることが期待されます。

神様:日銀が昨年12月20日に公表した資金循環統計(速報)によれば、2023年9月末時点で、家計部門が持つ金融資産残高の合計は2,121兆円となり過去最高を更新しました。株式や投資信託の増加も寄与しました。NISAの拡充により、金融資産が貯蓄から投資にさらにシフトしていく動きが期待されます。

T:それから、7月3日には新しい一万円、五千円、千円のお札が発行されます。こちらも楽しみですね。

神様:岸田首相は年頭所感で「足元の物価高から国民生活を守り、物価上昇を上回る賃上げを必ず達成する」と、述べました。現在物価高が続いていますが、賃上げによって可処分所得を増やすことで、「デフレ心理とコストカットの縮み志向から完全に脱却する年」にすることが狙いです。そうすると、キャッシュレス決済事業者にとっては、取り扱う額が拡大しますから、決済手数料の増加などのチャンスが見込まれます。

T:なるほど。確かにその通りですね。

神様:2017年、政府は「2025年6月までにキャッシュレス決済比率4割程度を目指す」という目標を発表しました。それ以降、「キャッシュレス・消費者還元事業」、「マイナポイント」、「各自治体によるポイント還元キャンペーン」など、政府や行政による支援策が実施されてきました。

T:私の周りでもキャッシュレス決済は当たり前のものとなっていますが、現在のキャッシュレス決済の比率はどのくらいなのでしょうか?

神様:キャッシュレス推進協議会が発表した「キャッシュレス・ロードマップ 2023」によると、2022年のキャッシュレス決済比率は前年比で3.5ポイント増加の36%となり、前年の32.5%から上昇しました。民間の決済サービスのポイント還元などが貢献しているようです。

T:「キャッシュレス手段別決済額の推移」のグラフを見ると、クレジット決済が圧倒的に多いですが、コード決済も伸びていますね。QRコード決済はコロナ禍を機に成長が加速した(第277話 コロナ禍で成長加速するQRコード決済 今後の注目ポイントは? )のでしたね。

神様:コロナ禍ではタッチレス決済が注目を浴びました。今では店舗側で導入されていなければ、購入者側は不便と感じるでしょう。店舗側では、キャッシュレス決済の対応には専用機が必要となりますが、初期導入コストを無料にする事業者が多いのが実情です。店舗側は決済金額に応じた手数料を支払うため、多額の設備投資が不要である点にメリットがあります。その他、会計時間を短縮できる、釣銭の準備が不要になるなど、業務効率を上げるメリットもあります。

T:賃上げでキャッシュレス決済額が拡大すれば、キャッシュレス決済事業者の収益化にも貢献します。春の賃上げは前年を上回る目標を設定する労働組合が多いと見られますが、もし物価上昇率を上回る賃上げ率が実施されれば、消費に好影響を与えることになります。春の賃上げの動向に注目ですね。

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(提供元:いちよし証券)

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