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債券投資は意味がないと言われる理由も解説

債券投資はすべき?【後編】

提供元:日興アセットマネジメント

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※この記事は2024年4月5日に日興アセットの「WE♡JoJo ETF」で公開されたものを引用、一部編集しています。

前編では、債券の種類や動きの特徴について確認しました。後編では個人投資家ができる債券投資の方法と、債券投資のメリット・デメリットをみていきながら、資産形成に債券をどのように活用すればよいかをお伝えします。

債券投資の方法は大きく3つ

債券投資方法としては、以下の3つが一般的な方法です。

(1)直接債券を買い付ける
(2)債券に投資している投資信託を買い付ける
(3)債券に投資しているETF(上場投資信託)を買い付ける

(1)直接債券を買い付ける

直接債券を買い付けにあたっては、取引をする証券会社(銀行)によって違いがあります。日本国債ですと、個人向け国債は1万円、利付国債は5万円から、米国債ですと100米ドルから1,000米ドル((1)1.5万円から15万円)*くらいからのようです。なお、一般的に債券の取引単位は大きく、事実上、個人では取引できる銘柄が限定的になります。

(2)投資信託を買い付ける/ (3)ETFを買い付ける

投資信託は1万円以上1円単位のものが多く、当社の米国債に投資するETFだと1.5万円*くらいからですが商品によって様々な売買単位になっています。投資信託やETFは個々の商品仕様を確認する必要があります。しかしながら運用管理の観点からは、ETFの場合、どこの証券会社からでも購入でき、株式と一体で証券口座内において管理できて損益状況の把握がしやすいというメリットがあります。*2024年3月末時点

また、ETFはファンドの期限が無く(信託期間は無期限)、ETFが保有している債券が償還、残存期間が投資対象期間を下回った場合、ETFの運用担当者が当該ETFの投資目的にかなった債券を買い付けます。一方、直接債券に投資した場合、満期償還で受け取った現金をそのままにしてその後は運用をしていなかった状態になるということも起こりえます。ETFや投資信託は信託報酬などのコストがかかりますが、運用担当者が投資家の代わりに運用期日管理をする側面もあります。

上記をまとめると、以下のようになります。

<一般的な債券投資の方法>

債券投資のメリット

収益額が前もってわかる

債券投資のメリットとしてよく言及されるのは収益額が前もってわかるということです。前述のように、利付債券の性質は額面とクーポンが決められて固定されていますので、償還期限まで保有すればどの程度の収益があるのか前もってわかるということです。収益を見越した資金計画を立てることもできるので、安定性の高い投資を実現できる可能性があります。ただし、債券の償還前に売却すると、そのときの金利水準によって損失が出る場合もあれば収益が出る場合もあります。よって、複数銘柄の債券を運用し、債券の入れ替え運用を行う投資信託、ETFについては当てはまらないことはご理解ください。

銀行の預金金利よりも高い金利

個々の債券の利回りが銀行預金よりも高いと言われることがあります。ただ、利札(クーポン)だけを見ていないか、その債券をいくらで買うかによって利回りが変わりますので留意が必要です。銀行の預金金利よりも高い金利で運用できるということは、銀行の信用力と比較して信用リスクが高い発行体の債券なのか、またまた残存期間の長い債券なのが高い金利のもとになっているのか理解が必要です。

価格変化の特性が株式とは違う=分散投資ツールとして有効

前述の「債券投資とは」でご説明しましたが、金利変動は株式などよりも変動性が低い傾向にありますし、動きが違います。これが中長期のポートフォリオ運用の分散投資ツールとして有効な性質を持っています。

債券投資のデメリット

株式よりはリスクは低いもののリスク資産であること

代表的なリスクは

(1)発行体の債務不履行リスク(信用リスク)、
(2)価格変動リスク、
(3)外貨建債券の場合、為替変動リスクがあることです。

なお、債券は株式に対して相対的にリスクが低いことは、一面メリットではあるのですが、逆に株式のような大きな収益は期待できないということが言えます。

意外に分かりにくい損益特性

市場金利と債券価格は連動するメカニズムがあります。その連動が逆連動になっていることや、債券の収益性を計る場合、その都度、固定された額面と利札(クーポン)と債券価格を比較して計算する必要があり、直感的に分かり難いということがあります。特に複数の銘柄で運用する場合に顕著です。

日興アセットの債券ETFでは、少しでも特性をご理解いただけるようにETFの保有する債券の平均クーポン、平均直接利回り、平均最終利回り、平均残存期間を開示しています(例:1486 – 上場インデックスファンド米国債券(為替ヘッジなし))。

債券の買い時・売り時

債券の基本的な価格変動特性は、金利が上がると値段が下がる、金利が下がると値段が上がります。ただし債券の期間によっては、そうならない場合もあります。ご関心のある方は「コラム もっと知りたいETF: No.56 債券の興味深い特性と投資する意味」をご覧になってください。

機関投資家にはこのような特性に着目して債券売買を頻繁に行う投資家がいますが、なかなか売買タイミングを測ることは難しく、一般の投資家、個人投資家には不向きなものかと思います。売り買いのタイミングを考えるよりも、運用資産ができた時や現在の資産の投資配分を考えた時に、債券投資のメリット、

・価格変動性を抑えながら利金収入を得ることができること
・その価格変動特性が株式との相関性が低いこと

をふまえて、債券をポートフォリオの基礎的なクッションの役割とし、株式などの資産と一緒に運用するポートフォリオ運用を行うのが良いのではないでしょうか。

まとめ

債券投資の意味を考える場合、前編でお伝えした価格変動特性から、景気回復期は金利が上昇しやすいので投資する意味がないと思われることもあります。しかし、中長期の資産運用の観点からは、資産運用の中心資産となる株式との値動きの違い、利金収入に着目し、ポートフォリオ運用を行うための重要なクッション部分となる分散投資ツールとして考えるのが良いのではないでしょうか。

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