世界の証券取引所をわかりやすく解説!時価総額の高い取引所も紹介

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世界には、さまざまな証券取引所が存在します。とくに、時価総額の高い取引所として知られているのが米国のニューヨーク証券取引所(NYSE)やNASDAQです。

本記事では、世界の証券取引所の概要について、わかりやすく解説します。

そもそも証券取引所・取引所とは

証券取引所とは、上場企業の株式を売買する場で、株式の売買をスムーズにするために設けられた株式市場のことです。上場企業について詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。

上場とは簡単にどういうこと?上場企業のメリットやデメリットも紹介

また、現物の証券が取扱いの中心である「証券取引所」に加え、先物取引やオプション取引などの派生商品売買が可能な「取引所」も存在します。先物取引については、以下の記事を参考にしてください。

先物取引とはどんな取引?特徴やメリットから理解しよう

世界の証券取引所に注目すべき理由

証券取引所・取引所は、世界各国に存在します。日本の市場に大きな影響を与えることもあるため、投資やビジネスにおいて、世界の証券取引所や取引所の動向に注目することが大切です。

また、グローバル化に伴い投資家は自国だけでなく、海外の証券取引所でも投資がしやすくなりました。厳しい国際競争を生き抜くため、近年統合の道を選ぶ取引所も増えています。証券取引所・取引所のニュースを確認する際は、統合の動向もあわせてチェックするとよいでしょう。

ここからは、各地域に分けて代表的な証券取引所や取引所を紹介します。

米国(アメリカ)にある代表的な証券取引所・取引所

米国(アメリカ)にある代表的な証券取引所や取引所は、以下のとおりです。

・ニューヨーク証券取引所(NYSE)
・ナスダック(NASDAQ)
・シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)

それぞれ解説します。

ニューヨーク証券取引所(NYSE)

ニューヨーク証券取引所(NYSE)は、米国で1792年に創設された世界最大の証券取引所です。傘下に置くNYSE Arca(旧アーキペラゴ証券取引所)や、NYSE American(旧アメリカン証券取引所)と区別してメインボード(Main board)と表現することもあります。

製造業や金融業などを営む大手日系企業が上場している点も、ニューヨーク証券取引所の特徴です。

ナスダック(NASDAQ)

ナスダック(NASDAQ) は、1971年に誕生した電子取引所です。ニューヨーク証券取引所と異なり、立会場(人の手で売買する場所)は存在しません。

新興企業(ベンチャー企業)向けの取引所である点が、NASDAQの特徴です。米国を代表するテック企業の多くが、ナスダックに上場しています。

ナスダックに上場する企業をピックアップした指標のひとつが、NASDAQ100です。NASDAQ100や米国の株価指数について知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。

アメリカの株価指数とは?NYダウ・S&P500・NASDAQ100を紹介

シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)

シカゴ・マーカンタイル取引所とは、1848年に米国シカゴで創設された世界初の先物取引所です。先物取引とは、特定の商品をあらかじめ定められた期日(満期日)に、あらかじめ決められた価格で売買することを約束する取引を指します。

CMEでは、農産物・通貨・金利・株価指数など幅広い範囲で先物取引や先物オプション取引が行われている点が特徴です。日経平均の株価指数先物や日本円の通貨先物なども、CMEで取引されています。

アジアの主な証券取引所・取引所

アジアにある主な証券取引所・取引所は以下のとおりです。

・【シンガポール】シンガポール取引所(SGX)
・【中国】香港証券取引所・深セン証券取引所・上海証券取引所
・【インド】ボンベイ証券取引所・ナショナル証券取引所
・【韓国】韓国取引所(KRX)

それぞれ概要を解説します。

シンガポール取引所(SGX)

シンガポール取引所は、現物株式市場であるシンガポール証券取引所(SES)と、派生証券取引所であるシンガポール国際金融先物取引所が合併し、1999年に誕生しました。SGXには、大型優良企業向けのメインボードと、新興企業向けのカタリストの2種類のマーケットがあります。

シンガポールは地理的側面や税制面でアジアへのビジネスを展開しやすいエリアのため、多数の外国企業が上場している点がSGXの特徴です。

香港証券取引所・深セン証券取引所・上海証券取引所

香港証券取引所・深セン証券取引所・上海証券取引所は、中国市場を代表する証券取引所です。香港市場は香港証券取引所、本土市場は深セン証券取引所と上海証券取引所がカバーしています。

深セン証券取引所と上海証券取引所には、A株市場とB株市場がある点が特徴です。A株は中国の人民元建てに対し、B株は外貨建てで取引されている株式を指します。A株は、基本的に海外の個人投資家は取引できません。

ボンベイ証券取引所・ナショナル証券取引所

インドを代表する証券取引所として、ボンベイ証券取引所とナショナル証券取引所が挙げられます。

ボンベイ証券取引所は、1875年にアジアで初めて設立された証券取引所です。ボンベイ証券取引所に上場する銘柄で構成される株価指数として、BSE SENSEXがあります。

ナショナル証券取引所は、1992年から始まった証券取引所です。ナショナル証券取引所に上場する銘柄で構成される株価指数として、Nifty 50があります。

韓国取引所(KRX)

韓国取引所(KRX)は、韓国証券取引所(KSE)・韓国先物取引所(KOFEX)・コスダック市場・コスダック委員会が合併し、2005年1月に設立された韓国唯一の取引所運営者です。有価証券取引所・コスダック市場・コネックス市場・デリバティブ市場の4つの市場がある点は、特徴として挙げられます。

なお、韓国取引所は東京証券取引所と協力関係を構築しているため、相互の上場銘柄の市況情報をそれぞれのウェブサイトでも確認可能です。

参考:日本取引所グループ「韓国取引所(KRX)上場銘柄の市場情報」

米国・アジア以外にある世界の主な証券取引所・取引所

米国・アジア以外にある、主な証券取引所・取引所は以下のとおりです。

・【英国】ロンドン証券取引所(LSE)
・【ドイツ】フランクフルト証券取引所
・【フランス】ユーロネクスト
・【オーストラリア】オーストラリア証券取引所

それぞれ解説します。

ロンドン証券取引所(LSE)

ロンドン証券取引所は、1801年に正式に発足した英国の歴史ある証券取引所です。主な特徴として、米ドル・日本円・ユーロなど、自国のポンド以外でも決済できる点、国際的な金融取引の中心的存在である点などが挙げられます。

なお、LSEの上場銘柄で構成されている株価指標が、FTSE100です。LSEの子会社であるFTSEが、数値を発表しています。

フランクフルト証券取引所

フランクフルト証券取引所は、1585年に誕生したとされるドイツの証券取引所です。ドイツ証券取引所が、親会社として運営しています。

電子取引システムを通じた売買が多くの割合を占めている点が、フランクフルト証券取引所の特徴です。また、フランクフルト証券取引所の上場企業の中で、優良企業で構成される株価指標として、DAX40があります。

ユーロネクスト

ユーロネクストは、アムステルダム証券取引所とブリュッセル証券取引、そしてパリ証券取引所が合併し、2000年に誕生した証券取引所です。2007年には、ニューヨーク証券取引所と合併し、NYSEユーロネクストとして、NYSEグループの一員となりました。

しかし、2013年に米国のインターコンチネンタル取引所(ICE)が、NYSEユーロネクストを買収します。買収後、ICEはユーロネクストをスピンオフさせたことで、新たに上場企業「ユーロネクスト」が誕生しました。

オーストラリア証券取引所

オーストラリア証券取引所は、1987年に6つの証券取引所が合併して誕生した証券取引所です。オーストラリアは資源国であるため、金融業に加えて資源産業が上場する割合が大きい点は、主な特徴として挙げられます。

なお、オーストラリア証券取引所に上場する企業のうち200社の銘柄で構成される株価指数が、ASX200です。

日本の主な証券取引所・取引所

日本にある主な証券取引所・取引所は以下のとおりです。

・東京証券取引所・大阪取引所(日本取引所グループ)
・名証・福証・札証

ここから、各証券取引所の概要について解説します。

東京証券取引所・大阪取引所(日本取引所グループ)

日本取引所グループ(JPX)は、2013年に東京証券取引所グループと大阪証券取引所が経営統合して誕生した取引所グループです(同年東京証券取引所に上場)。投資家は現物(株式など)取引は東京証券取引所で、デリバティブ(先物・オプションなど)取引は大阪取引所で売買します。

なお、2019年に東京商品取引所を子会社化したことに伴い、日本取引所グループは新たに商品にかかる先物取引などを行うために必要な市場の開設・運営事業も始めています。

名証・福証・札証

日本には、東京証券取引所以外にも、以下3つの証券取引所が存在します。

・名古屋証券取引所(名証)
・福岡証券取引所(福証)
・札幌証券取引所(札証)

名証・福証・札証に地場単独で上場している銘柄もあれば、東証と重複して上場している銘柄(重複銘柄)もあります。重複銘柄を証券会社に注文する場合は、流動性が高い取引所に注文が取り次がれることが一般的です。

日本だけでなく世界の証券取引所をチェックしよう

世界各国に、さまざまな証券取引所や取引所があり、それぞれ特色が異なります。日本の市場に与える影響も少なくないため、投資やビジネスにおいて世界の証券取引所をチェックすることが大切です。

どの証券取引所の動向を追えばよいか迷っている場合は、時価総額の高いニューヨーク証券取引所やナスダックなどから確認してみてはいかがでしょうか。

ライター:Editor HB
監修者:高橋 尚
監修者の経歴:
都市銀行に約30年間勤務。後半15年間は、課長以上のマネジメント職として、法人営業推進、支店運営、内部管理等を経験。個人向けの投資信託、各種保険商品や、法人向けのデリバティブ商品等の金融商品関連業務の経験も長い。2012年3月ファイナンシャルプランナー1級取得。2016年2月日商簿記2級取得。現在は公益社団法人管理職。

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