住民税決定通知書を要チェック

ふるさと納税したのに住民税が減っていないのはなぜ?考えられる3つの理由

提供元:Mocha(モカ)

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会社員の人は、通常は6月から今年度分の住民税の特別徴収が開始します。2024年は定額減税が実施されたため、7月から住民税の天引きがスタートします。昨年ふるさと納税をした人は、住民税が減っていることを期待しているでしょう。

しかし、実際に住民税の金額をみてみると、想定していたほど安くなっていないケースもあります。今回は、ふるさと納税したのに住民税が減っていない原因を3つ挙げ、対処法についても説明します。

ふるさと納税すれば翌年の住民税が控除される

ふるさと納税とは、自分の好きな自治体にお金を寄付し、寄付金額から2000円を差し引きした全額について税金の控除を受けられる制度です。厳密には、住民税の節税になるわけではありません。しかし、ふるさと納税ではお礼の品(返礼品)をもらうこともできるため、実質2000円の自己負担で各地の特産品などがもらえるお得な制度となっています。

昨年ふるさと納税した人は、ふるさと納税の寄附金控除が今年の住民税に反映されているはずです。しかし、住民税決定通知書を見ても住民税が安くなっていないという人もいるかもしれません。以下、ふるさと納税をしたのに住民税が減っていない原因として考えられることを挙げてみます。

ふるさと納税したのに住民税が減っていない理由(1)寄附金控除を受けるための手続きをしていない

ふるさと納税では、自治体に寄付をするだけで税金が安くなるわけではありません。ふるさと納税の寄附金控除を受けるためには、

・ ワンストップ特例を申請する
・ 確定申告をする

のいずれかの手続きが必要です。

ワンストップ特例とは、寄付した自治体の特例申請書を提出して寄附金控除を受ける方法で、元々確定申告義務がない会社員など条件を満たす人のみが利用できます。なお、ワンストップ特例が利用できる人もできない人も、確定申告により寄附金控除を受けることは可能です。

ワンストップ特例の申請も確定申告もしていない場合には、寄附金控除は適用されていません。条件を満たしていないのにワンストップ特例を申請してしまった場合や、確定申告をしたけれど寄附金控除を追加し忘れている場合なども同様です。

寄附金控除を受ける手続きをしていない場合、ふるさと納税をした翌年の1月1日から5年間に確定申告をすれば、払い過ぎた税金の還付を受けられます。確定申告をしたけれど寄附金控除を追加し忘れた場合には、「更正の請求」という手続きをします。

ふるさと納税したのに住民税が減っていない理由(2)課税所得が増えている

前年よりも課税所得が増えていれば、寄附金控除を適用しても、住民税は前年より増える可能性があります。課税所得が増える理由としては、次のようなことが考えられます。

・ 昇給や賞与の増加などで収入自体がアップしている
・ 適用される所得控除が減っている

収入が増えた場合はわかりやすいですが、所得控除が減った場合にも課税所得が増えて住民税が増えることがあります。所得控除が減るのは、次のようなケースです。

・ 扶養している子供が働き始めて扶養控除が受けられなくなった
・ 配偶者と離婚して配偶者控除や配偶者特別控除が受けられなくなった
・ 配偶者の収入が上がって配偶者控除や配偶者特別控除が受けられなくなった

ふるさと納税したのに住民税が減っていない理由(3)控除上限額を超えて寄付をした

ふるさと納税の控除上限額とは、自己負担2000円を差し引きした全額が控除される寄付金の上限額です。控除上限額を超えて寄付をした場合、2000円を除く全額が控除されることにはならないため、想定していたほど住民税が安くなっていないことがあります。

控除上限額は、収入や家族構成によって変わります。総務省のふるさと納税ポータルサイトなどでシミュレーションできるので、ふるさと納税をする前に確認しておきましょう。

ふるさと納税の仕組みを理解してお得に楽しもう

ふるさと納税をしたら、ワンストップ特例の申請や確定申告が必要です。また、ふるさと納税には控除上限額などの制限もあるため、注意して行わなければなりません。ふるさと納税の仕組みを知って、できるだけお得になる方法で行うのがおすすめです。

[執筆:ファイナンシャルプランナー 森本由紀]

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