秋に買ってウィンターラリーで報われた?
提供元:野村證券(FINTOS!編集部)
毎回要因はさまざまですが、株式市場の月別の値動きにはアノマリー・経験則があると言われています。
月別騰落率 S&P500指数(1945~2024年7月平均)
月別騰落率 ナスダック総合指数 (1971~2024年7月平均)
月別騰落率 日経平均株価 (1949~2024年7月平均)
グラフは一番上の段がS&P500指数について、中段はナスダック総合指数について、一番下の段は日経平均株価について、それぞれの過去の月間騰落率の平均値を取ったものです。
月間で最もパフォーマンスが良いのは、ナスダック総合指数と日経平均株価が1月、S&P500が12月となっています。逆に最もパフォーマンスが悪いのが全ての指数で9月であることがわかります
米国では「Sell in May and go away, don‘t come back until St.Leger Day.(5月に売り抜けてセントレジャーまで戻ってくるな)」という有名な相場格言があります。セントレジャー・デーとは、毎年9月の第2土曜日にイギリスで行われる競馬の大レースで、この格言は9月まで戻ってくるなということです。
5月から9月にかけてパフォーマンスが良くない要因として、米国では、個人の確定申告の税還付の資金流入が一巡することや、夏季休暇前のポジション調整などが、その理由として挙げられます。日本でも「夏枯れ相場」など様々な要因があげられますが、根拠のある明確な理由はありません。
逆に9月に買うとその後12月、翌年1月に向けては良好なパフォーマンスが得られることが多かったことがわかります。
セルインメイの格言の後半は「But remember to come back in September(ただし9月には市場に戻ってくることを忘れないように)」と続くバージョンがあります。
米国では「ウィンターラリー」、日本では「掉尾の一振(とうびのいっしん)」に向けて、夏場から秋口にかけての株価下落は米国株にとっても、日本株にとってもエントリーのタイミングとして有望と言えるかもしれません。
(野村證券投資情報部 東 英憲・山内 正一郎)