あなたの投資スタイルは決まっている?
テーマ型ETFの選び方
提供元:日興アセットマネジメント
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※この記事は2024年9月20日に日興アセットの「WE♡JoJo ETF」で公開された記事を引用・一部編集しています。
日本のETF市場でも、代表的なTOPIX(東証株価指数)や日経平均株価に連動するETF(市場型、市場別ETF)から商品の多様化が進んできています。
2024年3月4日には日経平均株価が史上初めて4万円台を突破しましたが、そのけん引役になったのが半導体関連銘柄です。
資産運用を行うにあたって、市場上昇のけん引役となる銘柄だけを保有し、より良い運用成果を実現したい。また、高配当銘柄に投資して分配収益が欲しいといった市場全体より運用テーマに沿って投資銘柄を限定したいという投資家のニーズに沿って作られたETFがテーマ型(テーマ別)ETFです。
〇〇に投資をしたいといったニーズをお待ちの投資家にはその〇〇が投資テーマになっているETFは絶好の投資対象ではないかと思います。今回はテーマ型ETFについてお話しします。
テーマ型ETFの特徴
上述のように、テーマ型ETFは運用テーマに沿って投資銘柄を選定・限定したETFですので、市場型ETFよりも上場しているETFの数は少ないです。
また、テーマ型ETFの保有銘柄数は市場型ETFの保有銘柄数と比較して相対的に少ないため、市場型ETFとは違う値動きになります。
上記のチャートを見ていただくとテーマ型でも市場型に近い動きから大きく動きが違うものまであることがご理解いただけるかと思います。投資対象がどのような性質なのかを良く見る必要があります。テーマによっては市場型に比べて価格変動性が高いものがありますのでご注意ください。
(ご参考)
なお、テーマ投資では、そのテーマに沿った個別銘柄に投資をする方法がありますが、テーマ型ETFの場合、そのテーマに沿った銘柄群に投資をしますのでテーマ株の1銘柄に投資するよりはリスク分散が効いているということが言えます。
テーマ型ETFの魅力
1. 旬な投資対象に容易に投資できる
昨今、物色(市場用語では値上がりが期待される銘柄を探すことを言います)対象のテーマ、例えば半導体関連の個別株に投資する場合、業界の動向を押さえ、各半導体関連会社の開示資料を確認してその業界の成長の恩恵に浴する投資対象か確認し、可能なら実地調査をしてから投資するのが王道かと思います。半導体関連株がパッケージとなっているテーマ型ETFへの投資であれば、個々の銘柄選択をすることはできなくなりますが、旬な投資対象(関連銘柄群)に比較的容易に投資することが可能です。
私が運用の世界に足を踏み入れた時期はETFの無い1980年代後半のバブル時代だったのですが、当時は不動産を保有している会社の株式が物色されていて、投資テーマとなっていたので、地図を片手にその会社の敷地に行って実地調査してから投資をしたこともありました。ETFのようなパッケージ投資ツールが多く出てきている現在は、つくづく便利な時代になったと思います。
2. 個別銘柄投資よりはリスクが分散される
個別銘柄投資は、その投資対象の個別銘柄が抱えるリスクを100%取ることになりますが、テーマ型ETFで投資組み入れ銘柄が30銘柄であれば、組み入れ比率によりますが、平均的には個々の銘柄リスクは30分の1に分散されます。また、個々の銘柄の動きの違いによってポートフォリオ効果で全体の価格変動リスクが抑えられることも期待できます。
しかしながら、前述のように分散投資されたテーマ型ETFは個々の銘柄の選択をすることはできなくなりますので、個々の投資家が投資したいテーマのイメージ通りにならないことがあります。
3. 流動性の改善が期待できる
個別銘柄投資の場合、その銘柄の流動性に難がある場合(取引量が少ない等) 、投資がたいへん難しくなることがあります。上述の例のようにテーマ型ETFの場合、分散投資されていますので1つの銘柄の流動性リスクも分散されます。
これはETF一般の特徴ですが、2社以上の指定参加者(証券会社)が流動性を提供するという確約書を取引所に出さないと上場できない制度になっています。さらにマーケットメイク制度が導入されていますので国内外のマーケットメイカーが流動性を提供してくれます。
なお、テーマ型ETFのテーマによってはたいへん価格変動リスクの高いものがあります。先にも述べたように投資対象がどのような性質なのか良くご確認ください。
日興アセットマネジメントのテーマ型ETF
日興アセットマネジメントのETF、上場インデックスファンドシリーズ&上場Tracers(トレイサーズ)シリーズでも投資家のニーズに沿ったテーマ型ETFを組成・上場させています。
上場インデックスファンド日経半導体株(銘柄コード:213A)
半導体は戦略的資源としての認識が高まっています。また、日本の半導体関連産業は、日本の成長を支える産業として、さらなる発展が期待されています。そのような背景から冒頭にも記述したように株式投資の物色対象として半導体関連銘柄が活発に取引されて日経平均株価4万円超えのけん引役になりました。
上場インデックスファンド日経半導体株(銘柄コード:213A)は個人投資家だけでなく機関投資家からの投資ニーズもあり、今般、新規組成・上場させたETFになります。
当ETFの連動対象指数は日本経済新聞社の日経半導体指数で、東京証券取引所に上場している半導体関連銘柄から時価総額の大きい30銘柄を対象とする日本株の株価指数です。このETFに投資することで日本の代表的な半導体関連銘柄群に投資をすることが可能になります。
また、最低投資金額は1,574円*と投資しやすい単位となっていますし、コストである信託報酬は年率0.165%(税抜0.15%)以内と中長期投資をしてもコストで運用成果が大きく損なわれることもないようにしています。NISAの成長投資枠の投資対象銘柄でもあります。たまたま割りふられた銘柄コードが213Aで、ニーサのエース と読めるのでNISA口座でのご活用を期待しています。
*2024年8月30日終値×最低売買単位。手数料などの費用は含みません。
その他の日興アセットマネジメントのテーマ型ETF
東京証券取引所のETF分類を見てみると、市場型、規模別、業種別以外の投資テーマをテーマ型(テーマ別)運用としているので同じ考え方で分類してみると以下のようになるかと思います 。
※テーマ型ETFは東証の分類に従って記載しています。
それぞれのETFにつきましては各商品ページをご覧いただければと思います。
銘柄コード | ETF名称 | テーマ |
1481 | 上場インデックスファンド日本経済貢献株 | 人材・設備投資に積極的な銘柄 |
1586 | 上場インデックスファンドTOPIX Ex-Financials | 金融株を除く株式 |
1698 | 上場インデックスファンド日本高配当(東証配当フォーカス100) | 高配当 |
1399 | 上場インデックスファンドMSCI日本株高配当低ボラティリティ | 高配当、低価格変動性 |
※テーマ型ETFは東証の分類に従って記載しています。
まとめ
投資に関しては御自身の投資方針、好み(関心)、リスク許容度に応じて選んでいただくことが基本になります。
ところで、投資には『コア、サテライト投資』という考え方があります。運用ポートフォリオの組成の中心(コア)は市場型のETFで組み上げ、その周辺部分(サテライト=衛星)は運用ポートフォリオにメリハリをつける部分になるという考え方です。テーマ型ETFはこのサテライト投資向けの商品になり、料理にたとえるなら調味料といったところになります。
個々人の味の好みは千差万別で、ある意味、投資ポートフォリオも同様で味付けの濃いポートフォリオから薄味のポートフォリオまで様々です。個々人の好みにあったポートフォリオに仕上げていただくためにテーマ型ETFを上手くご活用いただければと思います。
※当ページは、一部個人の見解を含み、会社としての統一的見解ではないものもあります。
(指数の正式名称一覧)
(日興アセットマネジメント)
1985年4月 株式会社日本興業銀行入社。みずほフィナンシャルグループ(みずほ総合研究所、興銀第一ライフ・アセットマネジメント(現 アセットマネジメントOne))を経て、2006年12月 日興アセットマネジメント株式会社に入社、2008年8月よりETFビジネスに従事。2020年11月から現職。2012年、2013年 武蔵大学経済学部 非常勤講師、2014年 学習院大学経済学部 非常勤講師。長い運用商品開発の経験を活かし、ETFの開発、ETFビジネスの推進活動を行っている。