有価証券オプション(かぶオプ)ってなぁに?
提供元:光世証券
そもそもオプション取引とは
まず「オプション取引」と聞くと、難しそうと感じたり、ハイリスク・ハイリターンと思われたりする方がいらっしゃるかもしれません。しかし、使い方次第ではとても有効な手段となり得ますので、以下に簡単にご紹介致します。
オプション取引は、原資産から派生して誕生したデリバティブ取引の一つで、対象銘柄をあらかじめ定めた日(取引最終日)に、あらかじめ定めた価格(権利行使価格)で取引する権利を売買する事を指します。対象銘柄には、日経平均やTOPIX等の株価指数や国債等の債券、為替、金や大豆といった商品等様々なものがあります。
買う権利をコールオプション、売る権利をプットオプションと呼び、コールオプションを保有する人(コールオプションの買い手)は、権利を行使して対象銘柄を権利行使価格で買う事が出来ます。一方、売り手はそれに応じる義務があります。
同様に、プットオプションを保有する人(プットオプションの買い手)は、権利を行使して対象銘柄を権利行使価格で売る事が出来ます。一方、売り手はそれに応じる義務があります。
そして、そのオプションを売買する価格をプレミアムもしくはオプション料と言います。
満期日までにいつでも権利行使できるものをアメリカンタイプ、満期日のみに行使できるものをヨーロピアンタイプ、複数の行使日からいずれかの日に権利行使が可能なものをバミューダンタイプと呼びます。
有価証券オプション(かぶオプ)とは
数あるオプションの中でも、個別株式を原資産とした有価証券オプション(かぶオプ)は、東京証券取引所に上場するETFを含む229銘柄(2024/10/30現在)が対象銘柄となっており、取扱いのある証券会社を通じて取引することができます。
有価証券オプション(かぶオプ)で出来る2つの戦略
さて、これから保有している手持ちの株式を売却しようと考えている、もしくはこれから株を買おうと思っている場合、以下の戦略を検討してみてはいかがでしょうか。
(1)カバードコール
保有している株式を「○○円になれば売却したい」と思っている方であれば、カバードコールをおすすめ致します。カバードコールは、現物株を保有しながらコールオプションを売る事を言い、まず権利行使価格(売っても良いと思う価格)を決め、次に限月(満期日)、オプション価格(プレミアム)を決定しコールオプション(買う権利)の売り注文を執行します。
通常、株式を指値で売却する場合は、価格が届かなければそれでおしまいとなりますが、かぶオプの場合はオプションを売っているのでオプション料(プレミアム)がわずかながら入ってくる分、株が売れなくても収入があります。株が売れずに、5回これを繰り返した場合、オプション料(プレミアム)が例え投資金額に対して1%だったとしても5%の収入になりますので、株が売りたい価格で売れなかったとしても、同期間に通常の指値注文を繰り返し行うよりも遥かに有利と言えます。
以上のように、保有する銘柄の譲渡益や配当金に加えてオプションのプレミアムという第三の利益を狙える事が大きなポイントです。
しかしながら、権利行使の有無の判断は取引最終日に限られる為、株を直ぐに売りたい場合は注意が必要です。(反対売買は可能)
(2)ターゲットバイイング
次に、買いたい株式、特に現在価格よりももう少し安く買いたいと考えている場合です。通常であれば、「この価格なら買ってもいい」と思う価格で現物株の指値買い注文を執行しますが、かぶオプを使う場合は「この価格なら買ってもいい」という権利行使価格を選択し、限月(満期日)、オプション価格(プレミアム)を決め、プットオプション(売る権利)の売り注文を執行します。
そして期日当日の終値が、権利行使価格を下回っていなければ、権利行使される事はなくプレミアムだけが手元に残ります。権利行使価格を下回っている場合は、権利行使価格で株を取得する事になりますが、オプションを売ってプレミアムを先に貰っている為、通常の指値買いよりも安く株を買えることになります。ただ、こちらも先程と同様に直ぐに株を買いたい場合には対応できない為、通常の現物株の買付を視野に入れる必要があります。(反対売買は可能)
有価証券オプション(かぶオプ)の税金
(1)オプションのみの売買で利益が出た場合
かぶオプで計上した損益がプレミアム収入だけであった場合は、雑所得として申告分離課税20.315%が適用されます。また、その他の指数先物取引や商品先物取引、FX(外国為替証拠金取引)等の「先物取引に係る雑所得等」の金額との損益通算が可能です。
(2)現物の売買が伴う場合
権利行使して株を購入したり、権利行使されて株を手放したりした場合、その取得価額や売却代金にプレミアムを合算し計算されます。また、「特定口座 源泉徴収あり」を選択していれば通常の株式損益と通算されます。
以上、簡単ではございますが有価証券オプション(かぶオプ)のご紹介を致しました。日本取引所グループや光世証券では定期的にセミナーを開催しておりますので、更に詳しい内容や実際のお取引についてお知りになられたい方は、是非一度足を運んでみてはいかがでしょうか。
(提供元:光世証券)