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【かぶオプコラム】第11回:「カバード・コール」で一歩進んだ投資家になろう

提供元:株式会社シンプレクス・インスティテュート

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【かぶオプコラム】
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第10回:ちょっとお得な指値買い戦略「カバード・コール」とは

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「このコラムでは、株式投資をより効率的にしてくれる仕組み『かぶオプ』について連載でお伝えしてゆきます。」

今回は前回(第10回)に引き続き、お得な指値買い戦略の「カバード・コール」について説明します。前回はカバード・コールを使って株を売却できる場合について説明いたしましたが、今回はカバード・コールを使っても株が売却できない場合について解説いたします。

カバード・コールとは、コールの売り手が「株を売る義務を負うこと」を使って、「利益を受け取りながら株を売る戦略」です。具体的には、保有株を売却したい場合、指値売りで株を売る代わりに、指値の値段と等しい行使価格をもつコールを売ります。コールを売ることで、コールの代金を受け取れるので、その利益分だけ株をお得に売ることができます。

とはいえ、カバード・コールを行えば保有株が必ず売れるというわけではありません。売ったコールの取引最終日に、売りたい株の終値が行使価格を上回らなければ株は売れずに残ります。なぜならコールの買い手は、自分にとって有利な時にだけコールの権利を行使して株を買うからです。

例えば、株価が900円の時に行使価格1,000円のコールを買い持ちしていても、コールを使わずに市場価格で株を買う方が安いので、この場合は誰もコールを行使しません。結果的に、コールの売り手には株を売る義務が生じないので、カバード・コールをしていても株が売れないということになります。

では、取引最終日の時点で株の終値がコールの行使価格を下回った場合、カバード・コールは失敗かというと、さほど悪い結果にはなりません。どうしてかと言えば、株価の上下によらずコールの売り代金は必ず受け取れるので、株を売却できなくても実現益が生まれるからです(図11-1)。

値上がりを期待して株を保有しているときに、予想に反して株価が下落すると保有株の利益は減ってしまいますが、同時にカバード・コールをしていればコールの売りから利益が得られるので、多少株価が下がってもその分の損失をコールの利益が埋め合わせしてくれます。単に株だけを保有して値上がりを待っているよりも安全性が高まっているということです。

■図11-1:カバード・コールの結果

保有株がある限りカバード・コールを繰り返すことができますから、もしも株価がずっと横ばいでも毎月カバード・コールを行えば、株の値上がりを待ちながら毎月実現益を積み重ねてゆくことができます。また、塩漬け株でカバード・コールをしているうちに、いつのまにか評価損を取り返せるほどコールからの利益が積みあがることもあります。株を売りたいときも、保有し続けたいときもカバード・コールは有効な戦略であることがわかります。

最後に、カバード・コールの注意点について説明いたします。カバード・コールは「少しお得な指値売り」ですが、株が売れるかどうかはコールの取引最終日に判定されます。したがって、取引最終日までに株価がどれだけ値上がりしても、取引最終日時点で株価終値が行使価格を下回れば株を売却できません。

ですから今すぐ売ったほうがよいと考えている株は、カバード・コールではなく通常の株取引で売却しましょう。また、取引最終日の株価終値がどれだけ高騰していても、行使価格を上回れば行使価格で株を売却する義務が生じます。したがって、大幅な値上がりを期待している株でのカバード・コールはおすすめできません。これらの注意点を理解したうえで活用すれば、カバード・コールは株式投資の安全性を高めながら収益性も高めてくれる優れた戦略です。

米国では株式投資家の学習段階として、最初に単独の株取引、次にカバード・コール戦略の習得が挙げられています。日本でも今後多くの方がカバード・コールを身に着けて、一歩進んだ投資家が増えてゆくことでしょう。

かぶオプ入門第1弾 カバード・コール

(株式会社シンプレクス・インスティテュート)

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