「投資INSIDE‐OUT」

NYダウのエヌビディア組み入れをどう見る? ~語られざる投資の真実(103)~

提供元:三井住友トラスト・アセットマネジメント

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◆今更の感が否定しづらい、インテル⇒エヌビディアへの入れ替えだが・・・

11月1日、NYダウ構成銘柄からインテルを除外し、エヌビディアの新規組み入れが発表されました。NYダウで唯一の半導体銘柄であるインテルは、微細化技術などの競争力劣後や設計・生産の統合モデルに拘った経営戦略の不芳から株価の低迷が続き、NYダウのパフォーマンスがS&P500指数やナスダック総合指数に劣後する一因※となってきました。一方、エヌビディアは生成AI向け半導体需要の急拡大を背景に株価は11月6日に過去最高値を更新、年初来で2.9倍となっています(インテル株は半値に下落)。

さて、このタイミングでの入れ替えには、「後追いではないか?」と心配する声も出そうです。半導体銘柄を1つ選ぶなら、世界最大の半導体製造装置会社であるAMAT(アプライド・マテリアルズ)やAI向けGPUでエヌビディアを追撃、PC向けのCPUではインテルのシェアを奪うAMD(アドバンスト・マイクロ・デバイセズ)も俎上に上がりそうです。

エヌビディアは5日終値で時価総額(約520兆円)がアップルを上回り、全米トップ=世界一!となりました。NYダウ(30銘柄)は、「米国経済を映す鏡」、「銘柄の変遷が産業の盛衰を反映する」などと称されます。今般のトップ銘柄の組み入れは、指数運営会社としての「矜持(自負や誇り)」を示すものかもしれません。

※2024年6月14日 投資インサイドアウト「エヌビディア、NYダウ組み入れはあるのか?」ご参照

◆注目度の低い、もう1つの「入れ替え」

上記の半導体株と同時に、化学企業のダウ(Dow.inc)の除外、塗料メーカーのシャーウィン・ウィリアムズの組み入れも発表されました。「素材」セクター間での入れ替えと説明されています。日本での同社知名度は低そうですが、1866年創業の老舗であり、中長期でみて好業績の優良企業です。時価総額ではS&P500指数で100番目あたりに位置する「大企業」です。コロナ禍以降の5年弱で株価は約2倍となり、双方の「ダウ」を大幅に上回っています。

エヌビディアの組み入れで、「NYダウもハイテク色が強まるのか?」との心配は杞憂です。NYダウは株価の「単純平均」で算出されます。シャーウィン社の株価(6日時点)は380$台とエヌビディア(145$台)の約2.6倍であり、指数への寄与度も2.6倍大きくなります。

NYダウの非組み入れ銘柄で残る「大所」は、メタ・プラットフォームズ、アルファベットなどネット勢や、EVのテスラ、肥満症治療薬のイーライ・リリーが思い浮かびます。

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(提供元:三井住友トラスト・アセットマネジメント)

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