ブルームバーグ発:インデックス投資の魅力発掘シリーズ

米国住宅ローン担保商品って何だろう?

提供元:ブルームバーグ L.P.

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Vol1にて債券インデックスについてご紹介をしましたが、債券インデックスと言いましても様々な種類がございます。共通して言えるのは、インデックスを利用した商品に投資をしていただくと、通常では難しい分散投資や、一般的にはアクセスのしにくい資産クラスへのエクスポージャーが取りやすくなるということです。

皆様は債券インデックスにて扱われる一つのタイプである、モーゲージ証券(MBS)をご存じでしょうか。ポートフォリオの分散化と国債のような市場でより高いリターンを追求する投資家は、米国債よりも高い利回りを提供する米国モーゲージ証券(MBS)を一つの投資対象として考慮してもよいかもしれません。今回は米国政府系MBSについて深堀りします。

米国モーゲージ証券とは

まずは米国モーゲージ証券の基礎をおさらいしましょう。
MBSとはMortgage Backed Securitiesの略で、米国において住宅ローンを担保として発行された証券化商品です。米国の同様の性質(金利や償還期限等)をもつ住宅ローンを集めて、証券化したものがこのモーゲージ証券と呼ばれるため、市場規模が大きいのは想像がつきやすいかと思います。証券として直接投資をするのはなかなか一般の日本の投資家では難しいですが、米国MBSを原資産とした投資商品が日本では数多くございます。

政府系MBSとは、モーゲージ担保証券のうち、政府または政府関連機関が元利金保証をしているものです。元利金を保証している機関はそれぞれ人の名前のようなニックネームで呼ばれており、ジニーメイ(Ginnie Mae:Government National Mortgage Association)、ファニーメイ(Fannie Mae: Federal National Mortgage Association)、フレディマック(Freddie Mac:Federal Home Loan Mortgage Corporation)の3機関となっております。その中でもジニーメイは政府機関であるため、明確な政府保証(元本保証)がついており、一般的に米国国債と同等の信用力を有していると考えられています。

米国政府系MBS市場のサイズ

ブルームバーグ米国総合債券インデックスにおける国債の規模は12.3兆米ドルでインデックスの43.7%を占めます。一方、政府系MBSは7.7兆米ドル、27.3%です。これに対して投資適格社債は6.9兆米ドル、24.6%ですので、政府系MBS市場の方が投資適格社債よりも市場規模が大きいことになります(2024年10月末)。

米国債と比較した米国MBSの特性

米国MBSは、米国債や投資適格社債とは異なるリスクを抱えています。米国では金利が下がるとそれに反応し、多くのローン保持者は住宅ローンを借り換える可能性があるため、元本返済が早まり、MBSのデュレーション(債券投資における元本の平均回収期間)は短期化します。この期限前償還リスク(繰り上げ償還のリスク)を相殺するために、MBSの買い手は、米国債に対するプレミアム(利回りの上乗せ)を求めます。

つまり、MBS証券は繰り上げ償還される可能性を含んでいることから、国債などと比べ、より高いリターンを期待できるような証券となっています。

米国MBSへの投資の主な利点

• モーゲージ証券は、政府系機関によって明示的または暗黙的に保証されている点が独特で、そのため投資家には住宅所有者の債務不履行(デフォルト)リスクから守る盾になると同時に、同水準の投資回収期間(デュレーション)を持つ国債よりも歴史的に高い利回りを提供しています。(図1参照)

• 実績を見ると、ブルームバーグMBSインデックス(LMUSTRUU)は、金利が上がり債券の価格が下がる傾向にある市場でさえ、他の主要債券ベンチマークよりも高いシャープレシオを示してきました。高いシャープレシオは値が高いほどリスクを取ったことによって得られた超過リターンが高いこと(効率よく収益が得られたこと)を意味します。

• 政府機関保証付きMBS(エージェンシーMBS)は、米国債券市場の主要な構成要素となっており、2024年10月現在、ブルームバーグ米国総合債券インデックスの約27%と、債券ポートフォリオの大部分を占めています。

まとめ

米国MBSは、ポートフォリオの分散と競争力のある利回りを求める投資家にとって、投資対象の選択肢になります。これまで米国MBSインデックスは米国債など他の主要債券ベンチマークをアウトパフォームしてきました。

ブルームバーグ米国MBSインデックスは、米国MBS市場において信頼性の高いベンチマークとしての地位を確立しています。米国MBS市場をトラックするETFにはNASDAQに上場しているiShares MBS ETFなどがありますが、こちらは2024年10月末時点の運用資産が330億ドルを超えており、米国MBSをトラックする世界三大ETFは、ブルームバーグMBSインデックスに連動しています。

住宅ローンの管理や取引に比べて、これらのETFは、運用負担を軽減しながら幅広い市場への便利なアクセスを提供できます。多くの場合、個々のMBS価格は店頭(OTC)取引されていますが、ETFは株式と同様に取引所で取引されるため、価格情報を容易に把握でき、他の債券ETFのように流動性と透明性が優れています。

日本に上場しているETFでも米国政府系機関、ジニーメイMBSに投資が可能なことを皆さん知っていましたか?ブラックロックジャパン社のETF iシェアーズ 米国政府系機関ジニーメイMBS ETF(為替ヘッジあり)(銘柄コード2649)ですと円建てで米国のMBSファンドに投資することを可能とします。

債券インデックスを利用した商品は多くございますが、ですが、その一つとして米国MBSにも目を向けるのはいかがでしょうか。

ブルームバーグ・インデックス・プロダクト担当

本稿はブルームバーグの日本語ウェブサイトにて配信した記事から引用しています。
https://about.bloomberg.co.jp/blog/diving-into-the-mortgage-pools/

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https://about.bloomberg.co.jp/product/indices/

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(提供元:ブルームバーグ L.P.)

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